今月のFOMCはバイ・ザ・ファクトではなく、セル・ザ・ファクトになる気がする。

バイ・ザ・ファクト(buy the fact)

 

事実が判明する前に織り込みで売られていた相場が、事実判明後に買い戻される

といったようなときに使われる言葉で

 

さしずめいまの相場で言えば

ドルの利下げ期待でドルが売られるが

利下げ決定の発表の後、ドルが買い戻される、というような流れの場合

バイ・ザ・ファクト、のように言われる。

 

ただ、今回の場合

結果はセル・ザ・ファクトとなるのではないかと思う。

 

利下げ期待への織り込みはいまやじゅうぶんすぎるほど織り込まれていて

先週の107.20での押しからの現在の1円あまりもの戻しで

むしろ、その織り込み幅が見えてきたような感じがする。

 

利下げが0.5%となるならば、107を割り込むリスクは増すが

0.25である限りは、107円は到底割れない、といった感じである。

 

目下、利下げ見込みは0.25とみられており、

その織り込み価格は、107円台どころか

レンジ幅を広げて108円台にまで突入している。

 

利下げ期待があろうとも、織り込み方向で下げに進まず、むしろ戻りを試しているということは、

FOMCの金融政策発表を前にして、

なんらかの楽観がドルを押し上げ続けるというような相場付きとなっている。

 

現状、利下げは既定路線で、ここまでの期待感のなかで、据え置きはほぼ考えにくいため

0.5にせよ0.25にせよ、利下げは利下げであるとは自分も思うが、

 

利下げ発表を前にして相場が揺り戻しということは、利下げ発表のときには、事実に基づく動きを加速させる可能性が高く

 

本格的なドル円の下落は、その下落を起点にして来月から本格的に起こるのではないかと思っている。

 

0.25%の利下げ織り込みでは、107は到底割れない、と上述したが

 

実際に利下げされてもそうか、といえば、全然話は別である。

 

利下げは利下げであり、0.25%の利下げが実際に実施されてもなお、107は到底割れない、などということが、あるのか、というのが率直な印象である。

 

実際の利下げが行われれば、それこそその幅がいくらであろうと、ドル円は107を簡単に割れていく、と自分は思っている。

 

ただ、現状は、織り込み段階で、0.25の織り込みならば107は割らない、という妙な安定の延長のまま、いまやドル円は108円回帰である。

 

このままFOMCの発表までの7月相場は、ドル円が妙な安心感のままで堅調のまま、もしかすれば109円さえうかがうような展開にさえなるのではないか、と思っている。

 

トランプ大統領は、ドル安を望んでいるようで

今後、ドル円を大幅に下げていきたければ

今の段階でドル円が大きく下げすぎるのはうまくない。その意味でも、いまの戻りは、米当局者にとっても好都合なのではないだろうか。

 

山高ければ谷深し、ではないが

金融政策発表前に、ドル円が大きく戻っておいた方が、その後の反落に期待もできるのではないか。

 

そうした流れを当局者の想定しているとすれば今後はしばらくドル安につながるような発言や材料を市場に提供することは消極的になりそうに思える。

 

そうなれば、ドル円はより底堅く、月末に向けてもう一二段は戻りを試すことになるだろう。

 

そして、月末に大暴落、

というのが、現在の自分の見立てである。