ドルカナダ売り

結局、ドル円は107円を再び割れた。

 

結局、またもレンジに戻ったような状況で、

ロンドン時間はユーロが若干強含み

それによってドル売りが生じている。

 

今週はもうやらないつもりだったが

ドル安気味の流れのなかで、むしろ上昇している

ちょっとおかしなドルカナダを売りことにした。

 

ドル安ムードでありながらドルカナダが高値に張り付いているのは

ユーロカナダがユーロ買いからの連れ高になっているからで、

 

対ユーロからはカナダドルは弱いといえるが、

 

ドル中心で相場を考えた時

ドル安地合いにありながら、

ユーロ主体でのカナダドル売りが勝り

ドルカナダが上値を追っていくことには自ずと限界があるように思う。

 

ドル相場でレンジが繰り返されるというならば

現在のドルカナダもまたレンジのほぼ上限に位置しており、

レンジ下限は1.35あたりになる。

 

現在の中期トレンドを大き目な下方チャネルとみて手た場合

レンジ下限を下抜いていくことも可能で

チャネル下限まで下押しすれば

1.3430アンダーあたりまで下値は伸びることとなる。

 

週末の米株はまたも軟調に推移しているが、

大枠でのドル安ムードは崩れていない。

 

現在の各国中銀の政策は、株高を狙ったものであり

それは必然ドル安を誘発させるものばかりで

 

その意に反して株安で相場が進めば

ドル売りからの逆流は生じるものの

 

金融市場に大量に流れ込んでいるであろうドルの希薄化を考えれば

各国金融当局が、その振り上げた矛を収めない限り

市場を支配する大勢はドル安圧力である。

 

ならばドル円を売っても同じなところもあるが

前頁で述べた通り

 

本邦の実需や個人投資家の思惑が交錯しまくるドル円

やはり一方的な値動きは期待できないと考え

やはり当面はドル円の取引についてはやめることにした。

 

2月3月、ドル円が一方的に暴落したのは

株価の下落でのドル買い円買いの流れのさなかに

各国中銀の対策も行われて前段階ということもあり

 

ドル円の下落に歯止めをかけることができなかったからだと思っている。

 

そこからいきなり市場でのドル不足が騒ぎ出され

ドル円は101割れから底打ちしたドル円

ドル買いの勢いが強まり、そのまま上値を追い、

続いての中銀のドルをばらまくような緩和策で

今度はドル売りの圧力がかかるという

挟み撃ちのような状況となった。

 

そこからFOMCにおいてはイールドカーブコントロールが囃し立てられ

そのドル売りに加速がかかることとなったが

これら手当の実行をFOMCは議論レベルにとどめたことがわかると

過剰に売られすぎたドル売りの巻き戻しが所持てドル買いに…。

 

ただし、これは過剰に売られすぎたドルが

売られすぎを解消する巻き戻しが起こったのみであり、

ドル売りの地合いがドル買いの相場へと

根本的に転換したわけではない。

 

いわば伸びきったゴムがいったん反発したのが

FOMC以降の相場で

行き過ぎたドル売りが解消されれば

再びドル売りに相場は戻る可能性の方が高いように思う。

 

そして、本日、あらためてドルカナダの売りだが、

 

ドルカナダは1.3330の下抜けを失敗して以降

300PIPS以上の反発を演じることとなったが、

その反発の勢いがあったのは、FOMCの週のみで

その翌週には早くも動きがなくなり

週足では十字線。

 

その翌週となる今週は

いま一度高値追いを試みるも、前週高値を超えられず、

週初めのドル円の106円割れ寸前までの下落過程においては

むしろ、前週の安値をわずかながらだが更新するような事態となっている。

 

ドルカナダの先々週の反動は強烈だったものの

三週かけてもいまだ週足のレベルでの20SMAを超えられていない。

 

そもそもドルカナダはFOMCにおける急速なドル売りの巻き返しがなければ

週足レンジでみても、下値余地は1.3000あたりまであったような状況で、

 

その下値を試しもしないうちに、いきなりのドル売り地合いの巻き戻しがドルカナダを大きく押し上げることになったが

 

アップトレンドが進むとそれを補完するような材料も好都合に現れだすもので

 

昨日は、格付け会社がカナダの格付けをAAAからAA+に格下げ

戻り高値の際にあるドルカナダ相場にさらなるカナダドル売りに材料をもたらした。

 

ただ、それであっても、ドルカナダはさらなる高値追いには結びついていない。

 

昨日の格下げは、コロナ問題での経済封鎖と財政支出

カナダの公債のGDP比率を高めたというのがその理由のようだが

 

為替相場相対評価であり

この手の財政支出はカナダのみで生じているわけではなく

その規模は米国の方がはるかに勝っている。

それは欧州圏においても同様で、

この材料をもって、

カナダのみを弱気に追い込むには無理がある。

 

カナダは他国と比べると、まだ財政支出は健全な部類に入るように思え、

ドルカナダの上昇はカナダドルの下落からもたらされるわけではなく

あくまでもドル買いというリスクオフの圧力からのみもたらされているものであるように思う。

 

結局、ドルカナダは株安でのドル高が続く限り上値を追わされるが

株高での上昇によるドル安がともなえば

いつでも下に崩れていくように思う。

 

カナダは財政の健全性で言えば、主要各国の中では最もまともで

ドル安相場とは言えども、ユーロドルやポンドドルが高値を追うことには疑問符しかないが、

ドルカナダの下落においては、むしろ必然的であるとすら思っている。

 

そういうわけで、ドルカナダの上昇にはいっさいついていきたくはなかTったが、

下落においては全力でベットしていきたい。

 

ということで、1.3330アンダーから1.37に迫るかというところまで上昇したドルカナダが、気迷い的な持ち合いに移行している現在、

その高値圏からは積極的に売っていきたいというのは、

かねてから考えていた。

 

それがもう今週の取引をやめたいと思っていた

週末に行わねばならないことには抵抗感は否めないが、

二週間かけても上抜けなかった高値圏のレンジ上限を

週末の本日ついに抜いてい来る、とは思えず

そういう意味では、本日は売りのチャンスともいえる。

 

2週間崩れていないレンジという意味では

週末の今日の1日だけで

その下限を割り込むことが困難であろうことも同様であるが

 

せめて来週に向けての足場づくりになるような下値を追いはしてほしい、と思っている。

 

一つ懸念があるとすれば

現在のIMMの投機ポジションは、カナダドルの売り(つまりドルカナダの上昇方向)で大きく偏っており

オアンダのオーダーポジションにおいては、ドルカナダショートに傾き気味であるということである。

 

こういう個人投資家と大口投資家との思惑が相反したとき

たいてい、大口投資家の方向が勝利するものであるが

 

IMMの情報にはタイムラグがあり、現在の情報は6月16日時点のものであること、さらに前週よりカナダドル売りのポジションは減少していることと

オアンダのポジション状況がショートに傾いているとはいえ

その偏りは50%をやや超えているというレベルの軽微なものであることを考えれば、

 

ドルカナダのロングがポジション比率から圧倒的に優位な状況ともいえない。

 

むしろ、IMMのカナダドルのロングポジションが減少しすぎていることが気になるほどで、

 

現在のカナダドルは、買い玉の増加余地がかなりある、ということがうかがえる。

 

カナダドルの買い玉が以前の水準とはいわないまでも

その半分の水準まで戻すだけでも、ドルカナダの相場においては強烈な下落圧力となる。

 

今後ドル安相場がより本格化したとき

最も買われるであろう通貨は、ユーロやポンドでもなく

さらには豪ドルですらなく、

カナダドルであろうと思っている。

 

ユーロは長期的に売られ傾向があり、

もともと、ドル安相場がなければ、買われるような材料はない。

ポンドにおいてもブレグジッド問題を考えれば

積極的に買いたいとは思えない。

豪ドルについても、米中問題を考えれば

継続的な上値追いには疑問を感じる。

 

それに対してカナダドルは、コロナ問題における原油安という懸念はあるものの、

逆に言えば、問題はそれくらいのもので、

しかも、原油安は根源的にはカナダそのものの問題とは言い切れない。

 

米中問題における豪州も同じようだといえなくもないが

豪州の中国への貿易依存度の高さを考えると

米中問題は豪州に直接的にかかわる問題だといえる。

 

総合的に考えて、現在の相場はユーロは高すぎ

豪ドルもその高値は怪しい。

ポンドについては、安いも高いもないので、考えようがない、として

カナダドルについては、かなり安い、と考えている。

 

つまりドルカナダにおいては、現在の1.36水準は高すぎると思え、

だからこそ売りである。

 

ただ、この個人的には高すぎるという状況を

市場参加者の総意が同様であるかどうかは別である。

 

本日は週末で、投機のトレードは

仕掛よりもポジション調整がメインになるように思う。

 

であれば、ドルカナダを今日の今日で積極的に売ってくるという公算はかなり低いように思うが、

 

ここまで買われすぎたドルカナダを利食いで閉じていくということはありえる。

 

ドルカナダのロングを利食いするとなれば、すなわち売りで

ドルカナダの方向は下となる。

 

週末に積極的な仕掛けが(現在その方向は買い、と思っている)期待薄という意味でも

本日のドルカナダの売りには、一定の妙味があるように思っている。

 

ポジション

USD/CAD  S  1.36584  1.36568  1.36564