豪ドル、上値余地を抑え込む滅茶苦茶な動きが続く

1.6230あたりから持っているユーロ豪ドルロングは

一時、1.6280アンダーまで噴いたものの

そこで大量の戻り売りに押し込まれ

 

雇用統計での良結果を受けたリスクオン株高からの豪ドル買いで

短期投機の豪ドル買いが加速し、1.6170割れまで突き進んだ。

 

本日の雇用統計は米国の話で豪ドルには何の関係もないが

株高で豪ドル買い、といういつものパターンである…。

 

これまでならば、またもユーロ豪ドルの下落か…

とげんなりするところだが、

 

底打ちターンがようやくユーロ高方向で動き始めてきた。

 

本日の投機的なユーロ豪ドル売りは

ドル売りドル高が繰り返されるなかで

すべてユーロが豪ドルよりも不利に動いてきた。

 

ドル高でユーロドルや豪ドルドルが押し下げられるときは

ユーロドルの方が押しが深く、

ドル安でこれら両通貨が上値を追うときは

同値幅、もしくは豪ドルドルの方が上昇幅が大きい、という具合である。

 

こうなると、ユーロ対豪ドルで常にユーロに不利な方向でのピストン運動が起こり

それだけユーロ豪ドルが下値を掘っていくという結果になる。

 

ただ、23時を過ぎて、ようやくその流れが変わってきた。

 

ドル高でユーロドル、豪ドルドルが押し込まれるとき

豪ドルドルの方が押しが深い状況から

ドル安方向でのユーロドル、豪ドルドル買いに戻ってきたのである。

 

ここから再度、ユーロ豪ドルに不利な状況を作るためには

ここからの上げ幅を豪ドルがユーロ以上に作る、ということをしなければならないが、

 

現在はドル売り円売り相場であり、

あらゆる通貨が一律にドル売り圧力を受ける。

 

豪ドル単体でなんらポジティブ材料のない週末の本日

ドル安の恩恵を豪ドルのみに与え続けるのはさすがに無理がある。

 

ここのところの地合いは、豪ドル高のみの地合いではなく

ドル安地合いで、そこにユーロ高も加わり始めている。

 

すでにドル安相場の恩恵を最大に受けて上昇してきた豪ドルは

もはや週足レベルですら買い過熱感が現れており

この高値から誰が買うのだ…というほど

短期モメンタムとしては、歴史的なまでのドル安過熱感にあるが

 

一方のユーロは、ここ1~2週間で上抜けを果たしたことから

上値余地がまだまだ残っており、

この上値余地の差を考えれば

 

今後は、ユーロの方が豪ドルよりも伸びしろが大きいように思う。

 

しかし、短期投機の豚は、とにかく目先のトレンドを増幅させることが本能で

それがどれだけ過熱感があっても

過熱感のある方向へパワーを傾けていく。

 

今回で言えば、伸びしろがあるユーロに強い買いを与えず

買いの過熱感が満載する豪ドルをさらに買うということをすることで

 

ユーロと豪ドルの上げ幅の差をユーロ豪ドル安の方向へ振り分け

ユーロ豪ドルを安値からさらに安値に追い込もうとしている感じである。

 

喩えて言うなら

働きすぎているAをより働かせ

これからもっと働ける人間Eを休ませることで、

 

AはEより労働力がある、と言っているような感じである。

 

これは完全に調査方法を捏造したものである。

 

ただ、以前ならば労働者Eは、もともと労働パフォーマンスが怪しく

 

働かせたところで、労働者Aの旺盛なパフォーマンスとは

格差が広がって当然だったところもあるが、

 

現在は労働者Eの期待値も上がっており

そのパフォーマンスはAと大差がない状況となっている。

 

でありながらEよりAを酷使することで

AがいまだEより優れているという状況を捏造しているようなものである。

 

このAとEは、言うまでもなく、豪ドルとユーロの話である。

 

 

本日、ドル安の圧力はようやくドルカナダにも及び

ドルカナダはついに、1.3400を割り込み

ようやく、3月初旬の原油安相場での上窓を閉じた(遅すぎる…)。

 

ドルカナダの反撃はこれからのようにも思えるが

週末の本日は、ここまで下げた相場ではもう手出しはできない。

 

しかし、ドルカナダはいつも全体の流れに連動してくるのが遅い…。

 

そこにすでに先回りし

ドル安が進んできたのがその他主要ドルストレートであり、

 

先回りも先回り、もうまともな状況ではない豪ドルに合成される

ユーロ豪ドルが、

リスクオンの継続だからと言って、さらに下割れする可能性は現状かなり低いように思う。

 

すでに相当先にやりすぎているのである。

 

とはいえ、豪ドルドルについては、まだまだ相場が崩れておらず

どこが天井か見当もつかない。

 

ただ、ユーロ豪ドルについては、底が見えないわけではない。

 

なぜなら、現在はユーロドルも買い期待が高まっている状況だからである。

 

これまでユーロ豪ドルが下値を追い続けられたのは

豪ドルドルが強気でありながら、

ユーロドルには強気でないどころか、むしろ弱気ですらあったからだ。

 

この豪ドルとユーロの強気と弱気の股裂けが

ユーロ豪ドルのとめどない下落を演出してきた原動力である。

 

しかし、欧州コロナ基金以降

豪ドルとともにユーロも強気に転換しており

今後は、豪ドルがどれだけ買われようが

ユーロも同じように買われる。

 

ユーロ相場は欧州基金以降、完全に景色が変わった。

 

それを裏付けたのが昨日のECBの政策金利発表である。

 

これまでなんだかんだいって

ECBの政策金利発表を受けた後のユーロは下落していた。

 

それが昨日は下落どころか急騰した。

 

数年来の膠着を経て

ユーロは、受動的な受け皿通貨から、

主導的な取引通貨に変わってしまった、というのが現在の自分の印象である

 

もちろん、このユーロ買いの原動力は

市場がいま主要なテーマとしている欧州コロナ基金の話がゆえに

このテーマが古ぼけたり、むしろなんらかの問題が発生すれば

ユーロ相場も売りの方向で逆流するであろうが、

少なくと今月18日のEU会合の日までは

このユーロ買いのモメンタムは継続していくように思う。

 

これまでのユーロ豪ドルの動きは

ほぼ豪ドルの動きに依存していた。

 

豪ドルが買われれば下落するし、売られれば上昇する。

 

しかし、いまユーロの状況にゲームチェンジが起こったのだとすれば、

 

ユーロ主体でユーロ豪ドルが動き始める状況が起こり始めることになるだろう。

 

つまり、これまでは豪ドルが買われれば

ユーロ豪ドルが下落していたが、

たとえ豪ドルが買われようとも、ユーロも買われていれば

ユーロ豪ドルは上昇する、ということである。

 

前々回のブログで

今後しばらくは、ユーロと名の付く通貨ペアがすべて上がりかねない、

と述べたが、

その流れに遅れている通貨の筆頭がユーロ豪ドルだが

実はもうひとつの通貨ペアがユーロ買いで遅れている。

 

それは、ユーロポンドである。

 

ユーロ豪ドルとユーロポンドは

実は似た特徴を持っている。

 

それは、これまでの常識的な流れでみたとき

リスクオンが高まった時は

ユーロ豪ドルもユーロポンドもともに下落するのが常だった、といことである。

 

いまの相場は、金融緩和の異常な状況で

これまでの常識が通用しない相場になってきているように思う。

 

ユーロ豪ドルとユーロポンドは

これまでの常識にとらわれれば

いずれも間違いなく売りが基本となるような通貨ペアである。

 

しかし、そんな常識に変化が見えてきているのが現在の相場である。

 

株高で豪ドル高、ポンド高のドル安、であっても

ユーロ豪ドルは上昇し、ユーロポンドもまた上昇する。

 

そんなゲームチェンジに市場参加者の多くが気づき始めた時

ユーロ豪ドルとユーロポンドは

今後さらに暴騰するように思う。

 

現在の相場に話を戻すが

現状、株高リスクオンでの常識にとらわれれば

ユーロ豪ドルは売りである。

 

だから、ユーロ豪ドルは1.6280アンダーの水準から

大量の戻り売りがぶつけられたのだろうと思う。

 

ロンドン時間に起こった戻り売りは

短期足レベルで1.6280アンダーから強烈な上ヒゲを作っており

これは、このゾーンで大量の売り玉が仕込まれたことを意味している。

 

この水準をぶち抜けば

ユーロ豪ドルをここまでの安値からもさらに売ってこようとしてきた

強烈な欲豚たちを皆殺しにし、

ユーロ豪ドルには火柱が上がる上昇になると思っている。

 

そうなれば、数か月にわたって続いていたユーロ豪ドルの売り投機相場はいよいよ終焉するだろうと思っている。

 

しかも、現在続くリスクオン相場は終了しないだろう。

 

リスクオンであるかぎり、ユーロ豪ドルは下落するし

暴騰などしない。

 

それがこれまでの為替市場における暗黙の了解のようなところがあった。

 

しかし、リスクオンでありながらユーロ豪ドルは暴騰する。

 

そうした時代が訪れるように思う。

 

問題は、そのぶち上げが、週末の本日に起こるかどうかである。