ユーロポンドの下落期待は、もはやユーロドルの継続的上昇を望む以外になくなっている

先週末、ユーロドルロングがやられ(しかし、これは今週取り戻したが)

今週はユーロポンドのロングが切られまくったのち、ドテンショートもまた切られまってきた。

 

 

いずれも方向感は合っていたように思うが、

押し目の局面で、その底を確認する前に底値狙いをしたことが、ことごとく裏目に出た週となった。

 

現状、ユーロポンドのショートを未だホールドしているが、

 

まともな下押しのないままの高値圏での滞空がすでに40時間あたりも続き、

 

いま他のポジションがいっさいもてないほど、ユーロポンドのショートを持っているため、

デイトレメインの取引スタイルとすれば、この間の機会損失自体が半端ない。

 

ユーロポンドは一昨日、自分がロングで踏まれたときは、ドル安のユーロ高であっても、これにポンド高もともなうことで、ユーロポンドは下に仕掛けられた。

 

そこから先は、欧州基金の話以降、

まずユーロ高に加えて極端なポンド安をあわせる、ユーロとポンドの逆相関によって、レンジを上に切り上げられ

 

以降、ユーロとポンドの相関が戻ってからは、

ドル安でポンド高とかなろうとも、ユーロがほぼ同レベルで上についてくるため、

ポンド高においてもユーロポンドは下げず、むしろ、上がる、という状況にさえ陥っている。

 

ではここからユーロポンドが下落するには、ポンドが下落すればいいのか、というと、

もちろん、ポンド下落でユーロポンドが下がるわけもなく、

 

ユーロポンドの上抜けを回避するためには、ポンドが上がり続けるしかない。

 

いまポンドの上昇要因はドル安以外にはほぼないため、ドル安が進めば、ユーロドルも上昇を続けるわけで、

 

いくらポンドが上昇しようが、このユーロ高がユーロポンドの下値を固くし続けること必至だが、

 

それでもユーロポンドの下落のためには、

ユーロの上昇を甘受し、ポンドの続伸を願う他なくなっている。

 

もちろん、先週あたり、0.900でトップアウトしたユーロポンドの下落は、ポンドの上昇ではなく、ユーロの下落によって主導されたが、

 

この値動き自体がユーロポンドの動きとしてはイレギュラーであり、

 

また、いまユーロ買いのムードが過熱し始めている現状、そんな都合のいいことは望めない。

 

いまでも為替市場ばドル安だドル高だとドル中心に語られているが、

 

現時点での為替市場は、裏では完全にユーロ相場の様相を呈しており、

あらゆる通貨に対してユーロが買い集められ続けている。

 

このユーロ独歩高を演出するために、

ユーロドル以外のあらゆる通貨ペアにはドル安の恩恵をほとんど与えず、

ユーロドルのみがその恩恵をむさぼるというような状況が作られており、

 

だからユーロドルのみ堅調に推移しつつも、豪ドルドルなどは頭が重く、ドルカナダなどはむしろ底堅い

 

このオペレーションにより、

ユーロドルとそれ以外のドルストレート通貨に逆相関が起こり、

 

結果、

ユーロポンドのみならず、ユーロ豪ドル、ユーロカナダ、はてはユーロスイスに至るまで、ユーロ高が進行している。

 

来月以降、かつてのギリシャ危機ではないが、

その逆バージョンとして、欧州基金なる材料が相場の継続的なテーマとみなされるようなことがあれば、ユーロ買い投機の相場がさらに継続して進みそうにも思う。

 

そうなると、ユーロポンドのショートはなおさら厳しい。

 

投機筋にとって幸い(?)なことは、欧州基金の話は、今年の10月あたりまで、正式な決着が見えないらしく、

 

この未決状態が数ヶ月も先となれば、

数ヶ月スパンの投機ロングを仕込むには、格好のネタである。

 

そもそも投機筋のユーロの買い玉は現時点でもかなり積み上がっているが、これを大きく利益にさせるために、こんなところから市場のメインテーマを引っ張り出してきたか、という思いだが、

 

溜まりに溜まったロングをあらかた利食いするためにも、買豚どももこのテーマでにわかの買豚がどんどん集まることがベストシナリオで、だからこそ、まだまだこのテーマをポジティブなものとして囃し立てられるのだろう。

 

個人的にはこの欧州基金なる構想は、将来的には強烈なユーロ安要因となる欧州の債務の増大と後に振り返ったとき、これがユーロ圏解体のフラグとなる決定打となった、と語られるようにさえになると思えるが、

 

現状の相場はそんなことはおかまいなしである。

 

このユーロ買いのユーフォリアが剥がれ落ちるまでは、自分としてもユーロドルについては、たとえ、その評価が個人的にゴミに等しい通貨であるとしても、取引するとすれば、買い以外の手は打てない。

 

ただ、ユーロポンドについては、0.900水準を明確に。上まらない限りは、売り目線を変えるつもりはない。

 

ユーロポンドが0.900水準を下回ってる限り、0.900に近い水準はレンジのほぼ上限であり、最高の高値圏である。

 

ここより上の領域に届いたのは、

ここ数年では、ブレグジッドがらみのポンド売りというリスクオフ局面に限られ、

ポジティブなリスクオン局面でこの領域に差し込んだ例はない。

 

ただ、相場は何が起こるかわからず、

これだけ上値張り付きを続けているユーロポンドを見れば、

今回その領域に差し込んでいくリスクはかなり高い。

 

ユーロ豪ドルやユーロカナダなどは、

戻りを抑えるレジスタンスがすでに突破されており、上値余地が広がっている。

 

いまユーロクロスで、高値圏のレジスタンスを抑えているのは、もはやユーロポンドだけになってしまっているといってよい。

 

これはポンドのみが、ユーロと同じ欧州経済圏の通貨であることから、

ユーロは買うがポンドは売るという、

無茶な逆相関も起こしにくい面もあろう。

 

その点ではユーロスイスにおいても同様で、

 

これらユーロクロスについては、過剰なユーロ買い圧力を、免れているところがある。

 

ただ、ユーロポンドがこれだけ高値に張り付いてしまうと、

ポンドにちょっとした悪材料がでただけで、

一気にユーロポンドは上に抜けていくリスクが高い。

 

いまはユーロ買いが加熱してることから、

ポンドドルが下落しても、ユーロドルの下落は軽微に収まる可能性が高く、

 

ここでの乖離がユーロポンドの高値抜けの推進力になりかねないからだ。

 

これはリスクオフのドル高に触れても同様で、

ポンドドルの上昇の推進力はいまはドル安しかないから、そうなると、ポンドドルの底割れは容易いが、

 

中期的な買いモメンタムがあるユーロドルについては、その下落を軽微にする可能性が高い。

 

いまユーロポンドの上抜けを回避するためには、とにかくドル安リスクオンが継続し、ポンドがユーロにおいて行かれないように、上値を追い続けるしかない。

 

そうなると、ユーロドルも当然、ドル安圧力を追い風に続伸するということになる。

 

つまり、

ユーロポンドの下落のためには、ユーロドルがまだまだ上昇し続けることを願う他ないのである。

 

もちろん、欧州基金の期待が早々にはげ、ユーロドルがユーロ安という主体性によって下落転換するのが、最も早い話となるが、

 

週末かつ月末の本日、そんなトレンド転換は期待できない。

 

今週中に、ユーロ買いのムードを変更する気があるなら、

昨夜においてすら、ユーロドルがなおも大きく買い上げらるということなど、なかったはずだからである。

 

本日はユーロが下げたところで、せいぜいポジション調整の利食い下げくらいかな、と思う。