ユーロ豪ドル、ようやく…トップアウトしてきたか

踏まれ続けてきたユーロ豪ドルのショートが、1.63を超えたところからトップアウトの兆しが強まってきた。

 

最初にショートポジションを持ってから実に12時間後の話である…。

 

とはいえ、ユーロ豪ドルは、一時的には1.63も超え、1.6310アッパーまで上値を伸ばした。

 

1.63越え…。

 

もはや狂っているとしか思えないレートである。

 

別に豪ドルを売るということを一律に狂っていると断じるつもりはない。

 

1.63というレートに、中国の新型肺炎という材料のみで届かせるというのが、まともではない、と思っているのである。

 

昨年、豪ドルは米中貿易交渉の悪化や、利下げ期待などにより、大きく売られたが、

そのときですら、1.63アッパーの水準は定着しなかった。

 

無論、オーバーしシュートで一時、1.67近くまで吹き飛んだことはあったが、

結局、これもトップアウトし、最後は1.63アンダーに値が沈んだ。

 

つまり大口の豚どもにとっても、1.63より上の水準は高値圏と考えられていて、おのずと売りが集まりやすいということである。

 

 

本日は、とにかく、新型肺炎への警戒が最大の材料となり、その結果、大きく株安が起った。

 

そして、中国、株安という連動から、豪ドルがただただオートマチックに売られていくのだろう。

 

各国のファンダメンタルズ的な意味は問わない。

 

材料、株安、

その材料は中国

 

この連動から、オートマチックにドルが買われ円が買われ、材料の観点から豪ドルが最も売られた。

 

この状況は、かつてのリーマンショックと似ている。

 

あの当時、サブプライムローン問題に端を発した強烈なリスクオフの株安は

 

各国ごとの事情など関係なく、

一律に円が買われドルが買われた。

 

国ごとに状況を考えると

当時、豪州は景気後退に至っていなかったが

それでも、強烈なドル買い円買いは

豪ドルドルとドル円を強烈に下げ

これらの合成通貨となる豪ドル円は、もっとも下げ幅を作った。

 

豪州の状況は特段悪くなかったにもかかわらず(むしろ、景気後退は、リーマンショック前後どちらにおいてもしなかった)、

豪ドルは結果的に、全通貨の中で最も売られた。

 

当時はスワップ狙いの円キャリートレードが盛んで、

金利通貨の豪ドルはある意味で高金利通貨の筆頭格とみなされていた。

 

よって円キャリーの巻き戻し、となったとき、もっとも売りが強まったのが豪ドルであったように思う。

 

豪ドルにかぎらず、多くの投資家が円売りポジションを保有し、円はそれまで不当に安く据え置かれていた。

 

それがリスクオフのドル買い円買いから、円キャリーの巻き戻しが起こり、豪ドル円のみならず、ドル円ならびにクロス円はのきなみ強烈な円高にみまわれた。

 

ユーロドルやポンドドルも、リスクオフのドル買い圧力から、ドルの還流を生み

ドルストレートに置いても強烈な下落を示現した。

 

今回のケースもそれと似ていて

中国のリスク要因が、ただただ中国と関連の深い豪ドル売りをうながし

 

豪ドルの事情などおかまいなしに、豪ドルが売られ続けている。

 

ただ、リーマンショックの当時と違って

豪ドルは以前ほど大量に買い持ちされているわけではない。

 

金利通貨のスワップ取引

トルコリラやブラジルレアルなどに取って代わられ

主要通貨ではむしろ、ドルを買い持ちしたほうが豪ドルよりもスワップが稼げる始末である。

 

もちろん、高金利通貨の名残で、いまだに豪ドルといえば買い持ち、のようなイメージを持つも者も多いかもしれないが、

 

豪ドル買いで金利差を享受できる通貨ペアは、いまでは豪ドル円かユーロ豪ドルくらいのもので、しかもその金利差も「享受する」などという言葉がむなしくなるほどに微々たるものである。

 

そういう意味で、もともといまの豪ドルには買いとしての妙味はなく、長期買い持ちされている買い玉も当時の規模にはほど遠い。

 

ゆえに、豪ドルを売り崩そうとしても、投げられる買い玉がないことから、

豪ドルドルの売りにしても

ユーロ豪ドルの買いにしても

どこかの水準で頭打ちとなる。

 

それがユーロ豪ドルにおいては、1.3280以上の水準。

豪ドルドルが0.6760より下の水準であろうと思う。

 

これら安値圏、高値圏に至れば

そこから値を飛ばす逆玉は不足し始め

売りならば突っ込み売りのような状況となって売りにポジションが大きく偏り始め、

買いならば追っかけ買いのような状況となり買いにポジションが偏り始めると考えている。

 

これら投機の売り玉、買い玉に、ショートカバーや利食いが入り始めると、安値で突っ込んで売ったり、高値で突っ込んで買っていた、強欲にまみれた順張り投機の豚たちの損切りが次々誘発される。

 

ユーロ豪ドルにおいては、

1.60~1.63のレンジの境界に近づけば近づくほど

そのレンジの上なら買い、

下なら売りと

順張り投機の豚たちが

既存のショートや逆張りの売り豚よりはるかに滞留することとなる。

 

相場が逆流を始めると、これら短期投機順張りの豚たちの損切りが次々誘発され、

レートはレンジのその逆側まで進む。

 

その繰り返しをしてきたのが、2018年夏あたりから一貫して生じていた豪ドルの相場である。

 

今回、1.6310アッパーでユーロ豪ドルの上昇がいったん頭打ちになった理由をヘッドラインから読み解くと

 

中国当局が、コロナウイルスの検査キットを承認したとかいう、中国発の報道であったように思う。

 

中国の報道なのに、なぜ東京時間にはなんら反応せず、英訳されタイムラブもある東京深夜2時過ぎに反応するのか…というのには釈然としないところもあるが、

 

東京はもちろん、ロンドンもまったく材料視しなかった内容を、NY勢は材料視したといことである。

 

厳密に言えば、このヘッドラインに米株がまず反応したようにみえ

その反応をみて、ほぼ時を置かず、次いで為替市場が反応した、という感じもする。

 

いずれにしても、隣国中国の事案であるにもかかわらず、先週のNY様の地合いを引き継いだ追随トレードしかできないコバンザメのような東京勢ではなく

NY勢が主体的に材料を豪ドル買いで反応したことは悪くない。

 

この豪ドル買い戻し相場がNY市場で途切れなければ

明日の東京市場はとりあえず、パニック状況で何が何でも豪ドル売り、といったバカ丸出しのトレードから変化する可能性が高まり、

 

新型肺炎の感染者拡大という現在の材料は、先週後半から本日までであらかた織り込まれた感があり、

 

明日以降、感染者がさらに増加したとしても、それがこれまでの何十倍レベルの増加、という状況などでない限り

 

すべて織り込み済みととらえられ、これ以上豪ドルを売り込む推進力にはなりにくいように思う。

 

本日午前3時前の1.63割れが戻り相場のトップアウトの兆しであるとするなら

 

ここから押し目買いしてくる豚は、

押し目を拾えず、押し目売りの餌食となりり、下げ幅を広げる燃料となってくれるだろう。

 

短期投機の豚どもは、

押し目買いや戻り売りはしない。

 

こいつらは下落時に押し目でさらに売って、上昇時に戻りでさらに買うのである。

 

つまり、押し目買いする豚や、戻り売りする豚を損切りさせて上値や下値を伸ばすのである。

 

押し目買いが成功するのは、戻り買いで突っ込んで買って、戻り売りを潰してくれる短期投機の豚がいるからである。

 

押し目買いが失敗するのは、押し目売りしてくる短期投機の売り豚がいるからだ。

 

つまり押し目買いや戻り売りが切り崩されてき始めたときが

短期投機の突撃豚が潰した方向側に寝返ってきた、ということである。

 

ユーロ豪ドルも12時間待って、ようやくそのような動きとなってきた。

 

売り豚のここからの反撃に期待したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーロ豪ドルは1.600から、1.63という巨大なレンジを形成しており

1.63アッパーはその最上限に位置している。

 

このレンジは2018年9月から作られており、

このレンジゾーンの中にはかなり強固なレジスタンスを伴うレンジも多数内包ししている。

 

先週から週明けの本日までで

これらレンジをすべて突破し、

その最上限まで到達したということになるが、

 

中国のコロナウイルスの問題と

それに伴う株安のみで

ユーロ豪ドルは、さしたる押し目も作らないまま

1.63越えの領域まで買われたということである。

 

今日明日に賭けて、この上の水準に完全に定着するようなこととなれば

ユーロ豪ドルを今後しばらくは取引することはないだろう。

 

自分の相場観に照らして

ユーロ豪ドルは

ユーロカナダに次いで、買う価値がない通貨ペアの筆頭である。

 

つまりこの両通貨ペアについては、個人的には売りという選択肢はないがゆえに

基本ショートしかしない。

 

NYに巣くうモメンタムうじ虫は、

相も変わらず、当日の地合いの順張りに飲みポジションを作ってくる。

 

東京、ロンドンと豪ドルが売られてきたから

こいつらも売りである。

 

株価は相変わらず400ドル超の下落状態にあるが、現物が開く前の先物水準と大差ない状況が続いており、グローベックスの時点で作られた日通し安値を現物市場は更新できていない。

 

であるにもかかわらず、ユーロ豪ドルが高値を更新し続けるのは

こんな高値からもさらに買いを入れてくるモメンタムうじ虫と、この高値にさじを投げポジションを投げ続ける売り豚がともにいるからかもしれない。

 

モメンタムうじ虫はともかくとして

既存の売り豚については

こんなレートで損切りなどすべきではない。

 

このゾーンは一年以上レジスタンスとして機能していたラインであり

 

無論、1.63より上の水準は

昨年、何度も上抜かれ高値を伸ばしたが

結局、トップアウトし、最後はすべてこのレートの下に沈んでいる。

 

RSIは4時間足ベースではかなりの買われすぎ水準に達しており、

日足ベースではダイバージェンスを発している。

 

ここでドルカナダを見ると

 

ドルカナダは1.32を抜けることができず

いったんは1.3180割れまで下押ししている。

 

ドル円も109アラウンドで小動きを続けており

朝方の下窓からの安値は

東京早朝以降、一度も更新されていない。

 

本日のリスクオン相場にともなうドル買いも

円買いも徐々に収束しつつあるなかにあって

 

豪ドル売りだけがまったく止む気配がない。

 

やはり本日はドル買い相場でも円買い相場でもなく

豪ドルの独歩安相場である。

 

あらゆる通貨ペアが前日30pips前後で推移しているなか

 

豪ドルのみが

 

豪ドルドルが60pips超下落し

ドル円は90pips超の下落

ユーロ豪ドル,ポンド豪ドルは、ともに150pips以上上昇上昇している。

 

 

つまり、あらゆる通貨に対して、豪ドルのみがとにかく売られ続けている、ということである。

 

現在低金利通貨に成り下がっている豪ドルは

豪ドルドルをのぞき

 

ほぼすべての豪ドルクロス通貨ぺにおいて、

豪ドル売りでポジションを持つと

マイナススワップが発生する。

 

これは金利を支払ってでも豪ドル売りに妙味があると売り豚たちが考えている証で

 

マイナススワップに補うにあまりあるキャピタルゲインがあると考えられているのだろう。

 

これはトルコリラにも似ていて

トルコリラは高金利通貨でありながら

先安観から、長年、延々と売られ続けている。

 

本日、対豪ドルで売られている通貨はなく

その意味で、本日は豪ドルが最も無価値であると

 

 

 

 

 

 

ここおを明確に突破するようなら、

ユーロ豪ドルは1.66すら視野に入るということとなる。

 

世界の情勢はなんら変化している感じはしないのに

中国の新型肺炎の警戒、というモメンタムのみで

豪ドルの