大衆の豪ドルに対する目は、いつのまにか腐ってしまったのだなぁ…

今年、5月以降、あれだけ売られ倒せば

目も曇ってくるだろう。

 

大衆の豪ドルに対する目はいつのまにか腐ってしまった。

 

具体的に言えば、豪ドルを人民元かなにかであるかのような

錯覚を覚えてしまっている。

 

たしかに、豪ドルは今年1年中下がってきたが

これは、豪ドルの要因というよりは

米中貿易懸念に端を発した、

中国の経済減速における豪州の影響を懸念した売りというのが実際である。

 

もちろん、中国が減速すれば、豪州にその影響も波及するだろうが、

中国が貿易量の多いのは、豪州よりもむしろ欧州である。

 

ただ、米中懸念において、豪ドル売り米ドル売りがおこることから

そういった場合には、むしろ、ユーロは底堅く

その段階で、中国との貿易関係の影響という意味での関係国通貨売り、

という方程式は、破綻するのだが(豪ドル売りなら、ユーロ売りもあってしかるべきなのに、為替相場においてユーロにその影響は軽微だった)、なおもその方程式に依存し、中国に懸念があると豪ドル売り、というワークがまかり通っていた。

 

無論、豪州も利下げなどによる金利先安観の売り要素もあったが、そのロジックも、米国も利下げを3度繰り返すことで

金利差レベルでの米ドルの優位性は弱まり、

この点からも豪ドル売り、という地合いに優位性は薄まってきていた。

 

そういう流れにあって、豪ドルは目下、200日移動平均線を射程にとらえつつあり

ここを明確に上抜けば、2018年1月より、2年近くにもわたって売られ続けてきた豪ドルの下落トレンドの大きな転換となる可能性を秘めているが、

 

中国に懸念があると、何かといえば豪ドル売りを繰り返し続けたがゆえに

 

いつしか、大衆の目は腐り、豪ドルを豪ドルとして見られなくなってきている。

 

豪ドルは人民元ではなく、オーストラリアは中国ではない。

 

それにいまだ気づいていない大衆は

中国の懸念、さらには香港の懸念であってすら

豪ドルを売り、

豪州そのもののファンダメンタルズを一切顧みず

中国のファンダメンタルズで豪ドルを判断するという状況に陥った。

 

ただ、そのロジック破綻にとうに気づいている一部の大口は

すでに豪ドルを買い始めているはずで

 

中国懸念のたびに大衆が売ってくる豪ドルを、

いい買い場として拾い集めてさえいるように思う。

 

豪ドルが今後、0.7すら超えてくれば

さすがに売り豚たちも目を覚まし

豪ドルそのものの価値を見直し始め、買いに群がってくるかもしれないが

 

その段階では遅すぎる。

 

大口の豚たちは、それよりさらに300pips下の、0.67あたりからすでに買いを仕込んでいるのである。

 

0.7を超えて、大衆が豪ドル買いに群がってくるとき

大口どもは、そこを利食い場として売っていく。

 

大衆はそれを喜んで買ってくるので、

大口のポジションもどんどんさばけるわけである。

 

ここで大口どもが徐々に売りを仕込んでくるかはわからないが、おそらく本格的な売りは仕込んでこない。

 

ここまでくれば、長期的な上昇トレンドの可能性が高まるはずなので、大口の豚はむしろ、買い増しをしたいはずである。

 

ただ、0.7から普通に買い増ししていれば、

大衆の熱狂と変わらない。

 

では、どうするか、

そうなると、グリードの大口の豚どもは大衆どもを振り落とす売りをかけてくる。

 

これによって、0.7を超えてから買ってきた大衆は

高値掴みをさせられ、そこでの下押し調整で損切りにかけられて振り落とされる。

 

このタイミングで、大口の豚は、また買いを積み増していくのだと思う。

 

ただ、そこまでの熱狂局面にはまだ豪ドルは達していない。

 

つまり、まだ豪ドルは買いのチャンスなのである。

 

しかし、本日の米中貿易問題楽観の後退から

 

また大衆は豪ドルを売っている。

 

豪ドルが人民元などではないことはもはや明らかになっているのに、

本日の東京時間で最も積極的に売られたであろう通貨は

 

やはり豪ドルであった。

 

大衆、とくに東京市場の大衆は、

完全に目が腐っていて、豪ドルを豪ドルとして見られなくなっている。

 

豪ドルが豪ドルであることに気づいているロンアニは

豪ドルを買っていくことだろう。

 

大衆が豪ドルをばんばん売ってくれるので

ロンアニも豪ドルは買い放題である。