豪ドルのいたぶられかたが尋常でない。そして、バイ・ザ・ファクト?を信じて調子に乗る東京勢のユーロ買い

昨夜のECB通過において

NY 市場でもっとももてあそばれたのは実は豪ドルである。

 

カナダドルもユーロカナダのユーロ買いから、売りにさらされはしたが

カナダドル売りからのドルカナダの上昇は

すでに一昨日自律反発し大きな値幅を取っている状況からすれば、

比較的軽微なものだった。

 

それに比べて豪ドルドルである。

 

ユーロが100~200pips動くのはまあ仕方ない。

 

しかしそれに関係のない豪ドルが、その後相場が落ちつたときに

最も売られたといっていい通貨となった。

 

その下落幅は40pipsほど。

 

他の通貨ペアの値幅に比べたら大きく見えないかもしれないが

豪ドルドルにおいて、これだけの値幅は、けっこうな値幅で

豪州からネガティブ材料が出て、叩き売られる、

というくらいのレベルにはある値幅である。

 

これにユーロドル買いも加わり、豪ドルドル売りの逆相関が起これば

その値幅インパクトは相当なものとなる。

 

実際、昨夜のユーロ豪ドルは底値から200pips以上も反騰している。

 

対ユーロのあらゆる通貨が売られていったので

 

豪ドル売りはユーロ豪ドル上昇のための燃料となり

豪ドルドルなど、

NY序盤、月初来高値まで持ち上げてからの一転、売り浴びせである。

 

豪ドルが昨夜、そこまでの売りにさらされる必然性は希薄ながら

あらゆる通貨が対ユーロで売られるというモメンタムのしわ寄せを受ける意味で

豪ドルも、ユーロ買いで相場をもてあそぶNYおよびロンドンの投機のおもちゃにされてしまった。

 

そんな強欲投機のおもちゃにされてボロボロになって帰ってきた豪ドルを

東京勢も東京市場オープンとともに調子に乗って売ってきた。

 

ユーロが買われる根拠が希薄なのと同様

売られる根拠が希薄なのが豪ドルである、にもかかわらず

 

NY様が売ってきたのだから売り、といつもの脊髄反射全開で

ユーロを買って、豪ドルを売るという、お祭りムードに

瞳孔を開きまくって、いまさらながら参加である。

 

もちろん、米中貿易問題や利下げ懸念もあるにせよ

すねに傷を持つのはどの通貨も同じようなもので

そんななか豪州は、カナダに次いでその傷が最も浅い部類であろうと思っている。

 

その意味でドルカナダが上昇するというのも解せないが

それ以上に理解できないのが、

そんなユーロと豪ドルをかけあわせたユーロ豪ドルの上昇である。

 

…と、そんな考えとは裏腹に

今年のユーロ豪ドルは一時、1.67という狂ったレートまで値を上げたりはされてはいるのだが…。

 

それでも相場は相場

 

ユーロ豪ドルがまた上昇していくというなら

それを甘んじて受け入れるほかない。

 

 

しかし、ユーロのbuy the fact?状態を信じる東京勢の追随買いも尋常ではない。

 

俗にいう、sell the rumar, buy the factは

噂で売って事実で買う、というものだが

 

昨夜のユーロの乱高下は

まず大きく下落し、その後、それ以上に上昇した。

 

その動きはECBの政策金利が発表された後の話であり

 

ルーマー、噂段階ではむしろ買われていたような状況で

 

sell the rumarではなく、sell the fact

そこから買われたので、buy the factで

 

sell tha fact, buy the fact(事実で売って、事実で買う)

 

という、別にうわさで売って感などまったくない、

要するに行ってこい相場な状況であった。

 

ただ巷では、事実のあとの往路の売りは無視して

復路の買いだけをもって、バイ・ザ・ファクトと称しているわけだが

 

もともとは事前にユーロは買われていたので

 

実際はセル・ザ・ファクトであり

そこからの上昇はテクニカル要因の売り限界域からの反発

というのが実際のところであろう。

 

つまり、ECBの発表時には

たまっていた買いが一掃された。

 

つまり買いポジションの減少が起こったということで

そこからの下値からは利食いのショートカバーが起こった、というよりは

底値買いからの新規の買い豚のポジションが増大していった、

という流れであろうと思う。

 

昨夜、新規にユーロが買われまくった痕跡は、ユーロドルのみならず

あらゆるユーロクロス通貨に見られる。

ユーロ円、ユーロ豪ドル、ユーロカナダ、ユーロスイス…

 

この異常なまでのユーロ一辺倒な買いが、相場を歪めた面は大きいと思う。

 

たとえば、昨夜はユーロカナダの上昇も大きく

これは要するにユーロ買い、カナダドル売りで、

 

カナダドルが売られるということで、ドルカナダの底堅さも誘発した。

 

これは豪ドルのみならず、円、ドル、スイスフラン

あらゆる通貨がそうで、

 

しかも、これはユーロ売りポジションの巻き戻しではなく

昨夜の過剰なまでの新規ユーロ買いの痕である。

 

通常のショートカバーは、売りの決済によって売りポジションが減少することで起こるが

昨日のユーロドルの上昇は、ショートカバーではないことから

売りポジションの減少での上昇というよりは

買いの新規ポジションが増大した状態で

つまり、ポジションは買いに大きく傾いている状況であるとみている。

 

もちろん、新規買いの波状攻撃があれば、

既存の売りポジションの損切りを誘発し、売りポジションの減少は起こっているだろうが

 

これはショートカバーによる売りポジションの一気の減少ではなく、

新規買いポジションの増大によって切らされた売りポジションであり、

その切られたポジションは、底値圏でのにわかの売り豚の損切りがメインであり

 

1.110より上から売り持ちしている売り豚は、きっと売りポジションを閉じてはいない。

 

がゆえに、ユーロドルの上昇は1.1085あたりから頭打ちとなり

値が上がりにくくなっているのだと思う。

 

現状、1.6110以下の安値圏ゾーンには、

新規の買い豚のポジションばかりが膨らんでいるはずで

 

なればこそ、ここで東京勢が新規の売りをぶつければ

この買い豚たちを切り崩せるものを

この間抜けどもは、NY様に追随以外の思考が絶無であることから

その危険極まるゾーンのなかで

さらに買いポジションを積み増している。

というのが現状の自分の見立てである。

 

だから、自分は東京勢を能なしの間抜けども、とののしるのである。

 

ユーロドルにいま新規の売り玉をぶつければ

ユーロドルの買いポジションの損切りを誘発し

ユーロドルは雪崩のように下落を再開すると思っているのだが

東京勢は、それをしない。

 

結局、期待できるのはロンドンアニマル、

略して、ロンアニたちの攻撃しかないように思う。

 

いや、ロンアニについては、昨夜、ユーロを大量に買っているはずなので

利食い売りをかけるだけでも、下げを誘発できるだろう。

 

結局、そこまで待たねばならないか…。

 

しんどい…。