ロンアニはドルカナダでは勝てない
ロンアニの手法であるとにかくトレンドフォロー、というやり方は、ドルカナダにおいては成功しない。
ここのところのドルカナダの上昇過程において、意外にも、ロンアニは、ほぼすべて売りで向かっており、それがNY勢に担ぎ上げられることで相場が上に加速してきている。
つまり、ドルカナダにおける養分は、東京勢ではなく、ロンアニなのである。
ロンドン時間はユーロ、ポンドの時間であり
ロンアニがこれら欧州通貨を狙い撃つ動きの延長でドルカナダまで利益を取ることは困難である。
通常の通貨ペアの相関において
ユーロやポンドが大きく動く流れとドルカナダが大きく動く流れを共存させることは、難しい。
あらゆる通貨の中でドルカナダのみが注目され、全通貨が対カナダに対して一方的に買われ続けるという場合、ドルもユーロもポンドも買われるるわけなので、ユーロドルやポンドドルなど、カナダドルを介さない通貨ペアに不均衡が生じて上か下に大きく動くということが起こりにくいわけである。
現在の地合いにおいて、あらゆるドルストレート通貨や、カナダドルを介さないその他通貨ペアが動きを封じられ、すべての通貨が対カナダドルに対して買われるというほど、ドルカナダが主役として注目されているわけではない。
当然の話、ドルカナダが相場の主役でピンポイントで執拗に狙われ売られる場合
対カナダドルのあらゆる通貨が買われることにはなる。
例えばユーロカナダ、ポンドカナダなど、
ドルカナダのみならず、
カナダドルのみがピンポイントでの売りが仕掛けられるならば、
あらゆる対カナダドル通貨が一方的に買われるわけである。
ポンドカナダもユーロカナダもドルカナダも買われる、つまり対カナダドル通貨すべてが買われるということは
ユーロとポンドとドル、豪ドル、円などなど
すべてが対カナダドルに対して買われることになり
カナダドルのみが注目されているなら
カナダドルを含まないあらゆる通貨ペア、
例えば、ユーロドルやポンドドルも膠着してしまうことになる。
実際、昨日、一昨日はそのような状況で、カナダドルを介さないあらゆる通貨ペアが、対カナダドル買いのお祭り騒ぎに巻き込まれ、膠着するような動きとなった。
本日、ロンアニも、これまで踏まれた状況のリベンジのつもりで、ユーロやポンドを無視して、カナダドルのみに執着するなら、カナダドルの売り仕掛けはワークするだろうが
ロンアニが一般に仕掛けたいのは、やはりユーロでありポンドである。
現地通貨であるユーロやポンドの方が、自国域のファンダメンタルズ的材料がもたらされやすく、その結果、欧州ロンドン時間は、自国域通貨のトレードが活発になる。
欧州から遠く離れたカナダの地政学的な理由もファンダメンタルズ的な意味もピンとこない欧州ロンドンのすべてが、原油安という資源相場の下落というモメンタムやテクニカル的な根拠のみで、ユーロやポンドを無視してでも一方的にカナダドルだけを売り進め、その相対として、ドルやユーロやポンドなどをただやみくもに買っていく、ということには自ずと限界がある。
為替市場全体が、昨日おととい、本日と、3日にわたって、カナダドルのみに執着し、主要通貨のあらゆる動きを無視した膠着感を延々続けるとは考えづらく、
やがて、ユーロやポンドが対ドルに対して上昇でも下降でもいいが、なんらかの方向性が出たとき
欧州通貨とドルとの関係にはどちらかの方向に偏りが生じることになり
ユーロカナダ、ポンドカナダ、ドルカナダ
といった、対カナダ通貨すべてがオールカナダドル売りの状況であり続けた拮抗は崩れる。
ドルカナダを上方向でも下方向でもロンドン時間に偏らせることをしていたとすれば、自国域通貨であるユーロやポンドの状況を一切無視して、カナダドル売りのみに執着していた、ということになり
結果、ユーロやポンドの状況はこれら通貨の適正価格を無視した不自然な均衡状態が生じることとなる。
結果、NY以降、ドル買いユーロ買いポンド買い、という不自然な均衡が崩されたとき、ロンアニが仕掛けていたドルカナダの方向は、NY時間に逆流すせざるをえなくなる。
この場合、ユーロが上昇しようが下降しようが関係ない。
ドルが上昇しようが下降しようとも関係はない。
とにかく主要通貨の不自然な均衡状態がどちらの方向であっても崩れたときに
ロンアニが握っていたドルカナダのポジションは逆流してしまうことになる。
だから、ことドルカナダにおいては、ロンアニの方向についていくと大きく踏まれることになる。
ロンアニのドルカナダへの投機は、上記見立てより、各通貨ペアの動きの特性として、宿命的にNY以降は、ロンアニの狙う方向とは真逆のうごきになってしまうと考えている。
それが昨日、一昨日、ロンアニはドルカナダを売り仕掛けして、結果、上に担がれ続けてきた要因であろうと思っている。
そして本日、2日にわたって担がれてきたドルカナダの買い状況から、ついに、ロンアニはドルカナダを買ってくることになった。
このときを自分は待っていた。
ロンアニはドルカナダへの買い転向に合わせて、東京勢が本日のドルカナダの安値を更新させた戻り売りを刈るかのような踏み上げを狙っているようだが
その勢いは弱く、伸びきれていない。
ユーロやポンドならばともかく、ことカナダドルで、東京勢を刈るためには、ユーロやポンドがまともに動いてはならないのである。
つまり、ユーロやポンドの投機を完全に封印しないことには、ロンアニのカナダドルの投機は成功しない。
しかし、ロンアニからすれば、自国通貨域の通貨であるユーロやポンドを全く無視してカナダドルのみに執着することはできない。
結果として、ドルカナダの戻りは緩慢にならざるをえないのである。
繰り返しとなるが、ドルカナダをロンアニが仕掛け買いするためには、ユーロやポンドの状況をまったく無視しなければならない。
もちろん、欧州ロンドン市場において、実需も含め、すべての投機筋がユーロやポンドの状況を一切無視して、カナダドルのみに執着するわけがない。
本日、ここまでNYに踏まれ続けて嫌気がさしてきたであろう、一部のロンアニどものドルカナダの買い転換は、ドルカナダのじり上げを生んではいるものの、
その引き換えとして、欧州時間にかかわらず、ドル、ユーロ、ポンドすべてを買うという不均衡を生み出すことになっている。
オール主要通貨を対カナダで買うという流れで、ロンアニはドルカナダを買い上げようとしたとしても
ドル、ユーロ、ポンドがすべて買い、という状況を続けるには無理があり、
結果として、欧州通貨とドルの間では、いつか、どちらかの方向で偏りが生まれるのが相場の自然な摂理である。
為替相場はドルカナダだけのために回っているわけではない。
それをカナダドルを動かすために、あらゆる主要通貨をオールロング状態にして、あらゆる通貨ペアが、対カナダドルロングのような状況になり拮抗状態を保ち続ける、
というのには限度がある。
たとえば、それが欧州通貨が対ドルでは勝ることとなった場合、
欧州通貨においては、ドル売りの力が作用し、ドル売りが促されることとなる。逆であれば、ドル買いが促される。
これでもドルカナダ買いにさらに偏向させるためには、
ドルカナダ意外でいかなるトレンドが発生しようとなっても、
その逆圧力で、現在のユーロドルやポンドドルの上昇や下降をを抑えなければならなくなるのである。
例えば、ユーロドル買いで相場が動いたとき
ユーロには買い圧力が、ドルには売り圧力がかかる。
であるにもかかわらず、今度はユーロカナダとドルカナダはともにカナダ売り方向で上昇。
とにかくオールカナダ売り。
そんな不自然な状況が際限なく続くと考える方が不自然である。
つまり、ロンアニには、ドルカナダを投機的に買い上げながら、ユーロやポンドでも利を狙う、といういいところ取りを行うことはできず
どちらかの動きを無視しなければならない。
ドルカナダを買うという選択ならば、ユーロやポンドの状況は徹底的に無視して、
とにかくカナダを売り、あらゆる対カナダ通貨は買っていくということができなければならない。
ロンアニにはそれができない。
ドルカナダがバブル的な急騰を見せていて、市場全体がカナダドルに注目を集めているようならば、ロンアニどもも、ユーロやポンドを一切無視して、カナダ売りだけに注力することもできようが
カナダに投機売りするためだけの理由で、自国通貨圏にあるユーロやポンドの状況を一切無視する、ということは、たとえロンアニであろうとも困難であろうと思う。
以上から、ロンアニのしかけるカナダドルへの投機は、常にトレンド度方向から逆行することが多くなり
ことにカナダドルについてのロンアニのポジションは、NYどもの養分になりがちなのである。
ここ数日、ロンアニはドルカナダを売り向かい、ことごとく踏みあげられてきた。
昨日、原油安が進行していた中でもロンアニはドルカナダを売っていた。
そして本日、昨夜、サウジアラビアが原油安への警告を発したにもかかわらず
ロンアニはいまさらながらドルカナダを買い続けようとしている。
ロンアニはドル、ユーロ、ポンドなど主要通貨におけるトレードはパワープレイがすさまじく、トレンドメイカーなところがあるが、ドルカナダに対するトレードのみは、とにかく後手後手である。
こんなドルカナダにおける唯一の曲がり屋、ロンアニすらもドルカナダを買い始めている段階で、もはやドルカナダにおいてこれ以上の買い手はおらず、
そう考えると、やはりドルカナダは昨日ピークアウトした可能性はますます高い。
ロンアニがドルカナダへのロングを積めば積むほど、NY勢がドルカナダを下に切り崩した時に、その下落加速の燃料となってくる。
自分としては、ドルカナダの暴落のためには、本日、これまで唯一の売り手であったロンアニがドルカナダを買いはじめ、すべての市場がカナダドル売りに偏向する必要があると思っていた。
その意味で、現状のドルカナダの底堅さは想定通りなところがある。
もし、本日もロンアニがカナダドルを買うような動き、つまりドルカナダが下押しするような事態となれば、ドルカナダの続伸は続く不安があったため、本日のロンアニのドルカナダ買いは、こちらにとってみれば、好都合である。
ドルカナダを投機買いするために、ドル、ユーロ、ポンドなど、主要通貨の状況を一切無視しなければならない
という状況は、NY勢においても同じで
実際、NY勢は、昨日、一昨日と、ドル、ユーロ、ポンドの状況を一切無視して、全通貨対カナダドル買い、カナダドル売りの投機を推し進めてきた。
為替相場はドルカナダを中心にして動いているわけではない。
2日にわたって、ドル、ユーロ、ポンドの状況を一切無視してきたNY勢であるが、
本日もまた同様に、そんなことをするのだろうか。
NY勢がカナダドル売りの投機にまい進しすぎた結果、ドル円やユーロドル、ポンドドルなどの主要通貨は、この2日間、まともな動きがないまま推移してしまっている。
こんな不自然な動きが3日も続くとは思えない。
ロンアニがドルカナダを買い転向してきたこと
不自然な流れが連続で続きすぎていること。
これらを勘案すれば、
ドルカナダを急落に追い込むうえで
本日はまたとない好機である。