ドル安相場にあっても、円売り相場にして下値を守ろうとする幻通貨、ドル円
ドル円は、全体の地合いを無視して、ときにまったく独自の動きをはじめる幻通貨であるが、
今夜のドル円は、ひさしぶりにそんな動きをはじめている。
NYに入り、ドル売り相場に傾斜してきた為替市場は、ユーロドル他、ドルストレートを押し上げ始めている。
しかし、そんなドル売り地合いに変化しても、小動きで底堅く下がらないのが、幻通貨、ドル円。
ドル買い相場であっても、円売りをかけるという円安相場に持ち込むことで
クロス円相場にしている。
…といえば、もっともらしい説明となるが
理由はもっとドル円の独自要因にあると思っている。
それは米債利回り
今夜の10年米債利回りは一方的な上昇を続けており、しかも高止まりしている。
最近の米債利回りは2%の上下をいったりきたりしているが
現在は、2.03%あたりで高止まりのべたづきである。
ドル円はこの米債利回りに連動しまくっており
ドル円といわず、米債利回り円、
といってもいいくらい、米債利回りの動きに歩調を合わせた動きしかしない。
この米債利回りの高止まりが
ドル円の下値を守っている。
株価も堅調ぎみで
株高、債券安は、米債利回りの上昇をもたらし、ドル円の下値を守り続けているのである。
昨夜のFRB理事、理事長などによる、利下げ期待へのけん制発言と
米財務長官による米中貿易交渉の楽観発言によって、米債利回りが急上昇してしまったことが、ドル円の下値の堅さを生んでいる、最大にして唯一の要因であろうと思う。
NYも中盤に入りドルストレートが、息切れをはじめてドル買いになってしまえば
そのドル買いをここぞとばかりに受け取り、ドル円は上値を追う可能性もなくはない。
で、また107.70に近づいていく。
結果的に、ロンアニが超えてきた107円ミドルを
NY勢も死守するような形になってしまっている。
どういう状況にせよ、この流れに乗じて、ドル円を買っている買い豚どもがまだ一定するいることはたしかで、
こいつらの狙いは
過日切り崩されたドル円の岩盤、107.80あたりを上に抜くことなのかもしれない。
ドル円は要所要所、ポジションの投げが起こり
下値を掘ってはいるものの
どうもこれら一部のグリードどもが
107.60を背にして買いを繰り返しているようである。
AIの仕業か、アルゴかわからないが
とにかく、107.60を割らない限り
そこに近づくたびに、買いが執行されているようだ。
とりあえず、買い豚どもが買いをあきらめざるをえない一手は、107円60割れである。