いまあらためてドル円の状況を整理してみる

ドル円はいまや上昇トレンドと変わってしまい、
その上昇のパワーは、今年の円高相場のあらゆる節目を破り上昇を続け続けてきた。

トランプ相場の101円から114円の上昇など強烈で、

ほぼ1日1円のペースで上昇しまくり、
こんな上昇ペースは自身でも見たことはなく、記録的な相場であるといえる。

黒田バズーカがどうだとかアベノミクスがどうだとか、
昨年までの狂気の円安相場も相当なものだったが、
時速レベルでは、それさえも上回るものである。

ドル円の上昇はトランプ相場の前、9月ごろから、すでにはじっており、
100円あたりを底に、
105円あたりまで上昇を続けていた。

トランプ相場からいったんは下押しするも、結局は上昇は継続となった。

ドル円は現在の形状からは、
アベノミクスからの125円の高値からの半値押しあたり100円あたりを底に切り替えしをみせており、

100円がドル円下落の陰の極みであるだとか、
そもそも今年の相場も円高相場ではなく、
数年前に切り返した円安相場はいまだ続いて、それの調整に過ぎなかった、

という意見もある。

となれば、80円あたりから125円までの45円上昇の半値押しの100円からの再上昇がゆえに

そのターゲットは145円ということになるか。

いまからみればかなり高いレートとなるが、

いまをアベノミクスからの調整、円安トレンド継続とみれば、そういうこととなる。

いまドル円の上昇を見立てているアナライザーは、つまりはこういうことを言っているのと同じである。

逆に125円からの下落が再開しているという円高相場で眺めた時、
100円までの下落からの戻しが現在の114円だとか115円だとかしたとしたら、下落の再開で目指すべき相場は、90円だとかそんなレベルではない。

まあどちらにせよ
円安相場や円高相場は、
いったんはじまると数年は続くわけで

今年の円高がもう終わるとなれば
その期間はあまりにも短く、
まだ円高相場にはなっておらず円安相場が続いている、となれば、
今年の円高相場の早々の後退の説明としては説得力があるように見える。

しかし、では円安相場がいまだ終わっていないとなれば、
それはそれで円安相場が5年以上も継続することとなり、それはそれで長すぎる。

そもそもドル円相場は戦後一貫して続いてきた、円高相場であるが
それが75円を底に円安相場に大きなグランドデザインが転換した、という意見もある。

となれば、360円から進んできたドル円相場は75円を底に円安に回帰し、
また360円に戻っていく、ということとなるが、

グランドサイクルで相場を見ても、そこには円安時代、円高時代とあり、
そこは数年のスパンがある。

いまグランドサイクルで円安に相場が完全に転換しているとして、

その流れがアベノミクスからの円安相場で加速したとしても、

その円安相場の流れはどこかで円高相場には転換する時代も必要となる。

いまが、大枠で円安相場に転換しているとししても、

そこには一定期間の円高時代もあってしかるべきなところ、

今後もドル円が上値を追うというみたてならば

まだまだ円安相場が継続する、
というのが、要するに現在のアナライザーの見立ててである。

現在、ドル円は100円が底となって上昇を続けているが、

個人的にはこれは偶然であると思っている。

チャートフォームからは、アベノミクスの半値押しあたりとなり、
あたかもきれいな節目のようにもとらえられるが、

ここにはブレグジットのショートピークが反発した100円割れの際がタイミングになって効いてしまったのがまずく、

このオーバーシュートぎみなレートがいったんできてしまえば、

そこにもういったん届くことが通常困難となるところに

米株の反発や原油の反発などもあり、さらにそこが届きにくくなり、

その節目がちょうど100円あたりとなってしまった、というだけであると思っている。

そもほも現在のドル相場は、ほぼ米国債利回りの動きとリンクしており

米国債利回り相場のようになってしまっている。

昔から為替は金利に連動するところもあるが、いまの動きはそれが極端なまでに進んでいる。

ここのところのあらゆる通貨の強烈なドル高は、
裏返せば強烈なまでの米国債利回りの強烈な上昇の裏返しである。

債券利回りが上昇するということは、
要は債券が売られてるていうことで、
株が買われている、ということである。

株が買われるということは原油なども買われているということである。

つきつめれば株高が、債券安を生み、債券利回りを上昇させ、それがドル高を生んでいる。

いま株高は続いているが、米債利回りの上昇は頭打ちとなっている。

これが株高であってもドル高が進まない要因であるとは思うが…。

と、いろいろ書いてきていたら、随分長くなってしまった。

中途半端な形ではあるが、続きはまた今度書こうと思う。