ユーロが援護射撃を繰り出すのだから、どうしようもない

昨夜のECBの政策金利発表で、
ユーロドルは大きく下落した。

1.05アッパーを底に1.08越えまで戻っていたユーロも一気に台無しである。

ECB総裁は、テーパリングだとか緩和縮小の思惑を、わざわざ会見で否定し、
ユーロ売りを加速させる始末。

日本といい欧州もいい、どいつもこいつも自国(自域)通貨の価値を
毀損したくてしたくて仕方ないようだ。

このユーロ売りのおかげで相対のドルが買われることとなり、

昨日まででようやくアップトレンドの兆しが衰えてきていたドルに
また燃料を吹き込むような始末。

そして本日の東京勢も
ただでさえドルを買いたくて買いたくて仕方ないところに
昨夜のユーロ安、裏返せばドル買い、
という勢いの後押しも彼らの自信へとつながり、
本日ははしゃいだニワトリトレードで
コケー、と昨日の高値も超え、
一気に114円ミドルを超えてきている。

ここのところは米債利回りがたかどまりしようが、
米株が史上最高値を更新しようが

頭の重かったドル円なれど、
ECBのユーロ安誘導の後押しもあり、

ただでさえドル高地合いのなか、

ユーロも円も安さを目指しているのだから、

東京勢のドル買い円売りも、
より自信満々となって当然ではある。

あーあ、なんだかなぁ…。

日銀にせよECBにせよ、
自らの通貨の価値を毀損し続ける先に、
何を期待しているのだろう。

まあインフレ期待だとか輸出促進だとか、

いろいろ意図はあろうとは思うが、

ドメスティックな生活送る、
人並みから下の、圧倒的大多数の日本人、欧州人の庶民からしてみれば、

こうした金融政策は迷惑以外のなにものでもないと思う。

突き詰めていけば、個人的には、
ドルが高かろうが安かろうがどうだってよいといえばよい。

そもそもドルは価値などないと思っているので、
相対通貨はあらゆる通貨においても、
対ドル高になるとは思いながら、

そんなことなどおかまいなしに
自国通貨の価値を
当局者もみずからが毀損し続けることこそが、

ドルが高い安いだ以前に、
より罪深く、怒りが湧いてくる。

世界は通貨安競争とも言われるが、
通貨安の恩恵に一般国民レベルで預かれるのは、
人口増加や経済発展が続き、
健全なインフレがもたらされる
新興国が本来であり、

経済成熟し、人口増加もゆるやかもしくは減少すらしていふ先進国で、

いくら金融政策で人為的にインフレに持ち込んだとしても、
一般国民の豊かさにはつながらず、
むしろ不幸に導くと、個人的には思う。

自分は経済の専門家ではないが、
経済が発展するからインフレになるのであって、
インフレを誘導したら経済が発展する、
というものではないと思う。

その意味で、個人的には景気浮遊を目的とするインフレターゲットとかいう金融政策も意味不明である。

金持ちだからタワーマンションに住むのであって、
タワーマンションに無理矢理にでも住めば、金持ちになれるわけでない。

日本ではまだ兆候すらないが、

英国だとかイタリアだとか、場合によってはフランスだとか、
アンチグローバリズムの流れが強まるのもある意味で当然である。

一見、日欧には無関係にも思えるが、
アメリカのトランプ大統領の登場も、
人々の声なき声の顕現であるともいえ、

アメリカ国民のトランプ支持者がトランプに託した思いも、

先に述べた欧州やイギリスでの人々のそれと、
根底には通じるものがあると思う。

こうした流れをインテリ層などを筆頭とする、一部エリートどもが、
ポピュリズム、だとかなんだとかほざいているが、

各国の当局者が行っている
金融政策、自国通貨安政
とにかく、あらゆるグローバリズム連関する金融的、政治的な試みは

その恩恵には預かっているものよりも、
その恩恵の預かれず、
むしろそのしわ寄せだけを受ける庶民の方が
圧倒的大多数であることがどうもわかってないように思える。

まあわかっていれば、日欧当局者も
そもそもこうした所業ばかりを繰り返せるわけもない。

実際にはわかっているのに、
不都合がゆえに
わざとわからぬふりをしているのかと思える。

というか、個人的にはそうであると思いたい。

わざとではなく、本当にわかっていないとするなら、
もう彼らは人として終わっているとしか思えない。

こうしたエリートどもの政策決定のスタンダードは、
庶民の苦しみも体温も、まったく気づいていない体である。

こうしたエリートどもに伝えたいことは、
ポピュリズムでも衆愚政治でもなんでもよいが、
それを構成する、
エリートどもにしてみれば、
愚鈍そのものの彼らが、

愚鈍である(?)にもかかわらず、
あくまで選挙という手段によって
声を上げていることに感謝すべきである。

本来ならば革命が起こってもおかしくないほど、
現代の時の当局者や為政者たちは、
庶民の生活を苦しめ、場合によっては破壊さえし続けている。

まあ、そんな庶民の苦しみも、
ゴキブリの鳴き声ほども気にも留めず、
ユニコーンやフェアリーのように
下手をすると幻想だとか存在しないとさえ思っていそうな
エリートたちであるのだから、

いっそのこと革命が起こり、
彼らを吊るし上げてもいいのではないか、とさえ思う。

きっと想像力豊かな、クリエイティビティあふれる、
エリートの方々なら大丈夫である。

体を刻まれても、
それを最新のバーチャルリアリィとでも思いながら、
すべてがおとぎの国のできごとであると想像の羽をはばたかせ、
ゲーム感覚でその生を全うできるであろう。

そもそも彼らは他人の痛みがいっさいわからぬほど、
感覚が麻痺しているのだから、

想像力があろうとらなかろうと、
自身が火あぶりにされようが、
銃殺されようが、
自身の痛みもまた、
なんら感じるべきではないと思う。