ロンアニがドル円を逆張り売り

ドル円は、欧州が押し目買いしてきた安値水準を割り込み、7割のポジションが損切りに…。

 

USD/JPY  L 107.143 → 107.07

 

普段は、こんな東京勢のような値ごろ感の逆張りショートなど

天地がひっくり返ってもやりそうもないロンアニが、

 

やはり東京勢がブレイクしてきたときには平気な顔でやらかしてくる。

 

とにかく、なにがなんでも東京勢の方向を否定したがる様をみるにつけ

つくづく、こいつらの底意地の悪さを実感できる。

 

こういう日通し高値圏からの逆張り的な売りは

普段は順張りの高値追いばかりをしたがるロンアニの習性からすれば、ほとんど見られないパターンである。

 

しかし、東京勢がブレイクしたとき、

その順張りについてこないというのもまた

こいつらの典型的な本能である。

 

自分らがブレイクさせたときはどこまでも高値を追っていくくせに

こういうのを見るにつけ、

ロンアニどもは本当に唯我独尊のインキュベーターどもだと思い知る。

 

ロンアニがブレイクしたときは、その後のNYはそれに追随する

そのNYに、次は東京勢が危機として追随する。

 

しかし、ロンドンだけは、追随しない。

 

自らの背を他人に追わせることは大好きだが

他人の背を追うことは大嫌いなのがロンアニどもである。

 

東京時間のドル円は、数日続いた106.70~107.10のレンジを上抜いた。

 

しかし、実はより俯瞰してみると、

ドル円はまだまだ

106.50~107.60のより広いレンジのなかに収まっている。

まさにマトリョーシカのような状況で、レンジの中で幾重にもレンジがあり、それが硬直を生み出しているのが現在のドル円相場である。

 

本日ドル円が106.70~107.10の間の小さなレンジを抜いたとはいえ

より広いレンジ帯の高値圏(107.60あたり)からの売り手からすれば

未だ自身のレンジ圏内であり、

戻り売りで叩きやすい状況のままである。

 

しかも、小幅なレンジといえでも、

レンジブレイクであることから、一段二段はここから高値を追いやすくもなるはずで、

だから、このゾーンでは

自分と同様のにわかの買い豚が湧いて出ていたはずである。

 

ただ、レンジブレイクが基本ダマシとなるのもまた為替相場の歪んだ特性で

 

今回のレンジブレイクをダマシとすれば、

これらにわかの買い豚どもを高値掴みに追い込むことができて、

彼らの損切りを短期の売り豚どもは養分とできる。

 

ブレイクの7割は失敗すると聞いたことがあるが

レンジをブレイクするとそれがどんなブレイクであっても

その失敗を見越して

とにかくまずは逆張りで売る、という勢力も一定数いる。

 

これもまた、レンジブレイクがダマシとして進みやすい状況にもなりやすくなる。

 

そんなことよりも、

 

本日のドル円の買いについて、

ロンドン市場で最も懸念していたのは

やはり、東京勢がブレイクアウトしてきたということで、

 

東京刈りを生業としたロンアニとしては

ここでの追随ははなから狙う気がなさそう

という嫌な予感通りに、ロンアニどもは

逆張りで行動してきた要素が大きいように思う。

 

本日、中レンジ(106.50~107.60)のなかの小レンジ(106.07~107.20)を抜いた流れの中、中レンジ下限側にいる買い豚側の動きを見てみれば

 

小レンジといえでも、せっかく数日続いたレンジの上抜けなので

高値追いで援護してもよさそうなものだが、

 

中レンジの下限、106.50あたりから買っているこれら豚連中からすれば

小レンジの下限である106.70あたりから買うことはしても

小レンジを抜いた107.10アッパーの位置は

買い場としては高くなることから、静観に回っていたのではないかと思う。

 

となれば、小レンジの上抜けでの買い豚勢は、

ここでのブレイクアウトに追随した買いのみとなり

一方、売り豚勢は、ブレイクアウトをダマシとみる逆張り勢と

中レンジの上限107.60あたりの売り豚も売りで応戦しやすい状況となり、

売り側の方が優位となる。

 

ロンドン序盤の、買い豚は

小レンジ抜けからの短期買いがメイン。

売り豚は

小レンジ抜けをダマシとさせようとする短期売りと、

中レンジ高値圏からの中期売りとで

2重の売り圧力がかかることとなる。

 

とはいえ、本日のドル円は前日高値を抜けてきたため

単純な日足ベースでの中期的な買い豚も参入しそうに思え

それら買いも入ってきているとは思うが

これら中期ベースの買い豚は、損切りを106.70以下あたりに置いているであろうから、いったん買えば、さらなる買いで短期的な値動きの上昇を援護することはあまりないように思う。

 

となれば、レンジ圏内の短期的な思惑の攻防においては

短期売り豚側には中期の売り豚の波状的な売り攻撃という援軍がつき、短期買い豚にはこうした援軍がなかったことが悔しい。

 

中期的にはドル円は上値余地が作られてきているとは思うものの

 

107.10アラウンドのレートは

短期目線としては高値圏にあり、

とはいえNY勢ならば、ここからでもトレンドフォローとしてじゅうぶんに買ってくるとは思うが

計算高いロンアニどもにとってはこの短期高値圏は

レンジディールで利益を積み上げていく格好の売り場とされてしまったのが残念である。

 

 

少なくともロンドン序盤においては、

ロンアニ一同が東京勢のブレイクアウトを黙殺するかのような

感じの悪い戻り売りが繰り返されるドル円ながら

106.70アンダーを明確に切らない限りは

 

テクニカル的にはブレイク状態の否定とはならないため

あらためて買い直しをすることにした。

 

今回ブレイクしたレンジは、今日だけで形成された一過性のレンジではなく

少なくとも数日間続いたレンジである。

 

となれば、売り手も買い手も、ロンドン、NYとも一巡も二巡もしている状況で、

 

その攻防の決着をつけたのが東京勢だった、というネガティブ要素はあるものの

相場参加者の構成要素を無視し、俯瞰してチャートを見た場合

やはりドル円は上方向へのトリガーは引かれているのが現状である。

 

とはいえ、教科書的なディーリングは

ほんとうまくいかない。

 

ロンアニが素直に高値を追っていれば、話はずっとすんなりいっていたが

このロンアニは東京を否定することがまずデフォルト行動となるため

モメンタムの流れがロンドン時間は大いにせき止められる結果となってしまった。

 

まあ、教科書通りのエントリーでうまくいくくらいなら

FXが相場参加者の9割が負けるといわれるはずもないのだから

これはこれで仕方がない。

 

とはいえ、米株先物は堅調で日経先物も堅調

米債利回りも堅調であるのに、ドル円がここまで上値が重いのは

これらの相関を完全に無視し

教科書ディール嘲笑うようなロンアニどもの仕掛けが一定の効果を発揮してしまっているのがえぐい。

 

ロンアニ単独の狙いだけで、こうもドル円が圧迫され続けるのには辟易させられる。

 

ここまでドル円の上昇条件が整っていながら

こうも逆張り売りがワークするのは、やはりロンアニのマネーパワーがゆえである。

 

大勢を覆すような明らかな値ごろ感的な逆張り

一定にワークさせてしまえるところが、ロンアニのロンアニたるゆえんである。

 

 

 

ポジション

USD/JPY  L 107.074 107.086  107.143