いまいちどの台無し相場を狙う、欲深きカナダドルの買い豚たち
ドルカナダはNY時間、下げ幅を伸ばしてしまい、日通し安値を更新。
金曜の1.3050越えからの1.3070抜けを台無しにするような下げである。
しかし、自分はこのあたりまでの押しは、NY市場休場の流動性の欠けた本日、投機的な豚どもが狙ってくるとは思っていた。
では、本日、1.3050より上で買い増すより、ここまで引き付けて買い増しすればよかったという話もあるが、
もしも、このような下げがこなかったなら、ドルカナダの上値追いの場合のポジションが増すことができなかった可能性もある、と思って、ロンアニ参入の時間からの浅い押しから買い増しした。
自分としては、ドルカナダのターゲットは、最大で1.3250あたりまでは見ているため、1.3060であろうが、1.3040であろうが、20pips程度の誤差である。
とはいえ、NY市場が休場のさなか残された豚たちのみで、ここまでカナダドル買いが進められるか…という感じである。
今夜は、ドルカナダ、ユーロカナダともにカナダドル買いに振れており
NY時間に入ってから、ドル売りというよりも、ユーロ売りやドル売りの流れに乗じて、一方的なカナダドル買いが進められている、という印象である。
まずは、ロンドンタイムのユーロ売り、次いで東京時間午前0時半過ぎあたり、ここはNYタイムにあたるが、ここあたりから突然現れた、ドル売りが、ポンドドル、ユーロドル、豪ドルドルなどドルストレートにドル売りの圧力を与え始るとともに
対欧州通貨だけに強まっていたカナダドル買いを、対ドルにおいても強める流れとなった。
まずはユーロカナダの下値を欧州ロンドン時間で作っていったが、
NY時間はドルのじり安の流れに乗じて、次はドルカナダも下げ幅も作ろうとされた感じである。
つまり、本日、一貫して狙われているのが、カナダドル買い、ということである。
本日はNYが休場なこともあり、為替相場全体が凪のような状況であるが
1.3070アッパーの定着を失敗したドルカナダはまたも1.3070アッパーを戻り売りの好機とみなされて、本日、それ以降の下げ幅を25pips以上広げている。
今夜NY勢がいれば、こんな教科書的なテクニカルムーブを踏みあげた可能性もあるが、
NY不在という状況が、本日のカナダドルの買い豚たちを勢いづかせる結果となった。
実は、本日のあらゆる通貨ペアのうち、
ドルカナダが最も下げ幅を作らされている。
NY時間以降、あらゆるドルストレート通貨が変動幅を10pipsかそこらしか作れておらず。ポンドドルすら20pipsあるかどうかの値幅のなかで、NY時間にかぎっていえば、最も値幅を作ったのは、ドルカナダであった。
ロンドン時間は対ユーロで、NY時間は対ドルで、とにかくカナダドルが買われており、やはりそれだけカナダドルが強い、ということだが、
いまカナダドルを買う豚たちは、昨年の台無し相場の再来を夢見ているのかもしれない。
昨年の台無し相場とは、昨年の12月
1.3340アンダーから下落トレンドがはじまったところ、
12月のカナダ雇用統計のあまりもの予想比に対する悪化から
1.3150を割るかというところまで下落が進んでいたドルカナダを
たった1日で100pipsあまりものカナダドルの投げによるドルカナダの上昇から
1.3270アンダーまで伸ばした週末、
それを明けてから、その戻りをダマシとして下落を再開させ
1.3150どころか、年末にかけて1.3000すら割れ、年初来安値を更新するところまで下落が進んだ、あの相場である。
あのドルカナダが1.3260まで噴いたとき
どこからのよくわからないヘッジファンドだか投資銀行だかの名前も知らない欧米人が
カナダ中銀の利下げ確率が上がっとか何とか
ドルカナダは要は今後は買い目線
のような煽りコメントをほざき、それがご丁寧に翻訳されニュースで流されたが
翌週は、その1.3270アンダーの高値すら超えられず、あっさり下落が再開していった。
昨年はポンドの大きなトレンドが注目される年だったと思うが
個人的には2019年最大のダマシが
この1.3270アンダーまでのドルカナダの突如の反騰であったと思っている。
前置きが長くなったが、
これが自分の言いたい、台無し相場で
要は、先週末の1.3170越えを
またも今週は戻り高値として、下値を更新する、という昨年の台無し相場の再来が起こりそうな本日のNY時間の値動き、である。
ただ、あのとき最悪のダマシ相場となった、ドルカナダの台無し相場は
今回ばかりは再現されない、と自分は考えている。
昨年の12月と今回は状況が違いすぎるのである。
まず1つ目が、12月の台無し相場が起こった、上昇から下値更新の下落は
ドルカナダの下落トレンド初期の生じたことであり、
1.3330アラウンドで売りを仕込んだ豚が利益を伸ばしていきたい投機相場ははじまったばかりだった。
それに対して今回はどうか、というと、12月延々売られ続けたドルカナダに現状調整が入ってきておりむしろ、戻り相場が再開のがいまであること。
つまり、前回が下落トレンドの初期であったのに対して、現在は下落トレンドの末期、場合によっては、すでに12月の下落トレンドが終わった可能性が高い、という状況にある。
次に2つ目は、前回、ドルカナダの下落を仕掛け、下落を再開させたときは、NY勢が不在ではなく、NY市場も休場ではなかったという点。
前回のような流動性が確かな中での下落再開に比べ、
今回の下落は、NY勢不在で株式市場も休場な中で、その流動性の欠けたなかで、一部のカナダドル買いの豚のみが一方的にカナダドルを買っているに過ぎない。
次に、これが最も重要だが
前回のドルカナダの下落を推し進めた原動力は年末にむけての強烈なドル売り相場がであり、
これはもはや現在自分は確信に変わっているが、
年明けの米国のイラク空爆によるイランの司令官殺害、という情報を握った一部の豚たちが、インサイダー的にドルを売り続けていたことが原因であったと思っている。
12月の段階で表面化していた材料は、米中貿易交渉の進展であり、むしろ相場は楽観からドル買いに傾斜してもよかったところで、強烈なドル売りが起こった。
それに対して今回の場合だが
米中貿易に関しても、
米イランに対する問題にしても沈静化が進んでおり
消去法的な楽観によって、相場はリスクオン方向に傾いている。
現状で、もしもまたドル売りが再開すされるとするなら
年初の米イラク問題のような、
まだ市場の多くがしらない何らかの事件をまたどこかの一部がインサイダーとしてつかんでいる、ということしか考えられない。
であるなら、本日のようなじりじりとしたドル売りはやはり力が弱すぎで
NY市場が休場であったとしても、目ざといインサイダーどもはもっと強烈にドルを売ってきているはずで
ドル円は110円を割り込んだり、ユーロドルやポンドドルなどはもっと強く上値を追ってもよさそうである。
つまり、本日のドルカナダの下落は、結局、凪のような状態であらためて市場が意識したカナダドルの強さにのみ依拠したもので
であるとするなら、ドルカナダはやはりそれほど下に落ちそうもない、というのが自分の結論である。
ドルカナダが強いというのは、いまにはじまったことではなく
昨年、さんざん不安要因で上がり下がりしてきたドルやユーロやポンドと異なり、カナダドルは終始安定的な存在であった。
昨年の段階でドルカナダは1.300をとっくの下割れてもおかしくはなく
それが、年間通じてレンジで進み
場合によっては、1.33すら超えていったのである。
要するに、カナダドルという通貨は、単体がいくら強かろうと、ドルやユーロ、ポンドなどの、主要通貨の値動きに翻弄されてしまう、ということである。
為替相場を支配する大局の流れが、カナダドルの強さと真逆なものとなったとしてもカナダドルは売られてしまうスケールしか持ち合わせていない、ということである。
カナダドルが米ドルのような取引量をもち、また基軸通貨のような存在であれば、ここまで他通貨のファンダメンタルズに振り回されることもないだろうと思う。
これがカナダドルの最大の弱さである。
カナダドルが通貨価値として弱いわけではない。カナダドルの世界における通貨としての存在感の弱さが、買われるべき局面であってもカナダドルが売られ、
ドルカナダが上値を追ってしまう最大の要因であると考えている。
もちろん、カナダドルが売られるたびに、政策金利がどうとか、カナダ経済が同とか、カナダドルが売られる理由がもっともらしく説明されるが、すべて後講釈のたぐいである。
本質的には、カナダドルは売られるよりもむしろ買われるべき通貨である。
しかし大局的な流れに飲み込まれると、そんなカナダドルも売られてしまうのである。
これは我が国の通貨円も同様で、
円はそもそもこれほどまでに売られる通貨ではないと思っている。
しかし、円は売られ、ドル円は110円を超えている。
アベノミクスにおいては、我が国の中央銀行の人為的な円安誘導策で
80円から120円と、およそ50%以上も不当に円の価値が毀損された。
そしてそんな円は、現在もドル買い地合いや、欧州通貨における投機的な買いなどにさらされた大局的な対円通貨の買い、つまり大局的な目で見た米ドル買い欧州通貨買いの両圧力にさらされ、不当なまでに安い状況に置かれている。
つまり、カナダドルと円は似たような存在であり、円がこれだけ買われない状況で、カナダドルだけがその売り圧力から逃れ、買われ続けることは困難であろうと思っている。
本格的にカナダドルが買われるとすれば、市場が大きく円買いかつドル売りに傾いたときであろうと思っている。
いわゆるリスクオフの円買いドル買いではない。
この状況では、リスクオフのドル買いに引っ張られ、ドルカナダは大きく上値を追ってしまうからである。
安全通貨としてのイメージ(あくまでイメージである)を確立している円やスイスフランなどと異なり、カナダドルはまだ円ほど安全通貨としての地位は確立していない。
為替相場はムード動くところがあり、
リスクオフとなれば、円やスイスフラン以外の通貨は対ドルで売られまくる。
実際、リーマンショック時もカナダドルは米ドルに対して大きく売られ
ドルカナダは投機的に上値を伸ばしまくった。
ただし、リーマンショックが落ち着いた後、ドルカナダは売られに売られ、リーマンショックの水準以上に安値を深堀りした。
この動きはリーマンショック後も円高続いた日本円の相場とシンクロしており
この動きが、カナダドルの実勢をはじめてまともに反映したものであったように思う。
これまでの為替相場といえば
リスクオフといえば円買いドル買い、と相場が決まっていたが
今後のリスクオフは、円買いドル売り、となっていく可能性もある。
そうなったときがカナダドルの本領が発揮されるときで、そのときはじめてドルカナダは強いダウントレンドを示現していくことになるように思う。
そうした流れが来ない限り、カナダドルが本格的に買われることはないように思う。
もちろん、カナダドルはその他主要通貨に比べ安定的かつ強いので、なにかあれば買われるだろうと思う。
しかし、それも長続きはできない。
ことあるごとに、カナダドルと関係のないところでカナダドルが売られてしまうからである。
そして、それも無理な水準に達すると、それがまたカナダドル買いで巻き戻される。
昨年は、そのカナダドル売りが無理目とみなされたラインが、1.3330アラウンドだった。
今年もこの水準を守るかもしれないし、
今年はもっと下のところで、カナダドルの売られすぎを市場が感じ始めるかもしれない。
はたまた、もっと上まで市場がカナダドル売りを進め、昨年の高値水準も超えて、1.4や1.5になったあとになって、ようやくカナダドルが買われ始めるかもしれない。
どちらにしても、現在の1.3100割れ、という水準は、年末の投機的なドル売り相場からの巻き戻しという意味で、現状のドルカナダの戻りとしてはまだまだ浅い。
ドルカナダが他通貨(主に米ドルやユーロ)の投機的な買いに翻弄され、意味なく売られ、カナダドルの過小評価に投機の豚もさすがに売りを続けるかどうかを逡巡するだろう分水嶺は、まずは1.3250あたりのゾーンではないか、と思っている。
ここをクリアに抜けていくようなら、次は1.3330あたりの昨年の高値水準が視界に入り、さらなる投機的なカナダドル売りが進む可能性が高まる。
逆に、1.3250あたりで相場が頭打ちとなり、このあたりから強いドルカナダの売りが入ってくるようなら、今年のカナダドルの売りの限界がこのあたりとなる可能性が高まり
昨年の安値を割り込むような中長期的な下落トレンドを予感させるような下値追いが起こる可能性がでる。
もちろん、とはいえ、それでも、その下値からまた投機的なカナダドル売りがはじまり、そこからドルカナダがまた大きく戻す可能性も捨て切れない。
どちらにしても、昨年の投機的なドル売りの戻りターンが今月であるといのが、現状の変わらぬ自分の認識である。
今月、豪ドルドルとユーロドルについては、昨年、というか先月12月の投機的なドル売りの戻り相場の逆流で、その投機的なドル売りがほぼ全戻しとなった。
このドル買いの流れに乗り遅れているのは、現状では、ドルカナダ、そして、ポンドドル、くらいのものである。
その意味では、ドルカナダの戻りを自分はいまだ考えているが、
ポンドドルについても、まだまだ下値リスクがあるように思っている。
現在の為替相場において、ポンドドルとドルカナダの2つだけが、大きくドルを買い遅れている、というのが現在の自分の大局観である。
最後となるが、ドルカナダは本日の下げ局面でさらに買い増ししした。
USD/CAD L 1.30372 1.30379 1.30421 1.30437 1.30465 1.30471 1.30590 1.30651