今夜はECB ドル高、どうなる…

今夜は9月のラスボスの1つ、ECBがいよいよ開催される。

 

今月はなにはなくともドル買い、というポートフォリオで各大口グリードどもがポジションを積み続けていたのは、本日までの相場を見れば明らかである。

 

この大口どものお献立がいったん転換を見せるほどの圧力をかけられるとすれば、今夜のECBと後のFOMCをおいて他はない。

ただ、基本的な自分の考えとして、月のポートフォリオをECBの結果で変更するということは考え難く、あくまでFOMCが転機、とみているが、そんな大口どもの余裕をかましたお献立を粉砕するほどの結果となれば、さすがにこいつらも方針転換をせざるをえなくはなる。

それくらいのインパクトは少なくともECBの政策金利発表は持っている。

 

ただし、今夜の相場で影響を与えるのはドルではなくユーロである。

 

実に前回のECBぶりくらいにユーロが主体的に動ける日が今日である。

 

昨今のユーロは、ドルの受け皿か、ポンドの道連れか、のように、自身の意味合いで動く事をしないどうしようもないない通貨となってしまっている。

 

そんなユーロの前回のECBだが、

初動は落ちてその後反騰、という形でユーロ主導で動いたが

結局、その後のドル高に飲み込まれ、ずるずると下値を掘っていくこととなった。

そう、前回7月のその時期も、FOMCを控えたドル円は戻り相場だったのである。

 

ドル円はそのごFOMCを通過し109.30まで跳ねたのち、104円ミドルまで沈むことになる。

 

前回からわかることは、ECBはユーロ相場を動かせても、ドル相場の転換は行えないということだった。

 

前回のECBでのユーロ上昇では、ドル円は下落するどころか、ユーロ買い円売りから大きく上昇。このドル円の上昇のみその後も続き、ユーロドルなどは、結局、ドル円の底堅さを逆に反落することになる。

 

前回のながれで最も強烈な印象があるのは、ユーロ豪ドルで、ユーロ豪ドルはようやく狂った上昇相場の息の根が止まろうか、というタイミングで起こったユーロが買いが、ユーロ豪ドルの息を吹き返し、

結果、その後のユーロ豪ドルは1.6787という、もう狂気を超えた狂気のレベルまで値を戻す発射台となってしまったのである。

 

ここからわかることは、

前回のECBにおけるユーロ高の動きは、ドルを除いた通貨においては、かなりの影響を与えた、ということである。

 

ということで今夜の戦略だが、

前回の流れを踏まえると、ドル円については、ECBの結果がどうなろうと、下落は限定的というイメージとなる。

 

まずユーロ高にふれた場合は、ユーロ買い円売りからの円売りの影響を受けてドル円は上昇の可能性が高い。

 

上昇に疑問符が付き、ドル円にむしろ下落圧力がかかりそうなのは、ユーロ安にふれた場合である。この場合はユーロ高相場とは逆に、ユーロ売り円買いからの影響で、ドル円には円高圧力がかかる。

ただし、ユーロ売りから生じるであろう強烈なドル買いが、それを相殺し、結局、ドル円の下値は限定的となるだろう。

 

実際、前回も初動はユーロが下落したにもかかわらず、ドル円は上に動き、その後、ユーロが反転した時もドル円の上昇は継続的だった。

 

前回のパターンが今回も繰り返されるとしたら、鉄板ディールはドル円の買いである。

 

テクニカル的な面から見ると、

ユーロドルについてだが、ユーロドルは昨夜、下方チャネルへの回帰を早々にリジェクトしたことから、1.10より下のゾーンは相当に買いが厚いことが見て取れる。

 

チャートパターン的には現状戻りを示唆しており、インサイダーを含め市場の折り込みを見る限り、今回のECBは緩和期待に沿うような結果にならない可能性も高い。

 

ただ、インサイダーが情報を事前に掴めていたとして、それが期待外れの結果であるとしても、それはECBの政策金利発表のレベルまでで、後のドラギ会見の内容までは掴みきれないように思う。

 

ということで、政策金利発表の瞬間はユーロ高に触れる可能性が高いように思うが、その後の、ドラギ会見で、その後の緩和が示唆されれば、ユーロは反落する可能性が高い、というのが、いま自分がイメージするシナリオである。

 

ということで、今夜の戦略は、

ユーロドルについては、跳ねたら叩く。下げたら戻りを待って叩く、というどのみち売りの戦略。

 

ドル円については買いのみをイメージして行こうと思う。

 

あとは、本日あたりから久しぶりにユーロ豪ドルについても注目を再開したい。

前回のパターンでいくと、ユーロ豪ドルが強烈に反騰した場合、売りについてはほぼ詰みとなり手が出せなくなるが、限定的な反発のまま、その後のユーロ安で決着がついた場合、ユーロ豪ドルを奈落の底に落とすチャンスとなる。

 

いまユーロ豪ドルは下方チャネルの最下限に位置しており、重要な局面にある。

 

前回のECBでは、そのときの下方チャネルを上放れしたことで、その後、700pipsあまりもの滅茶苦茶な上昇を引き起こすことになってしまったがゆえに、今回もそのリスクは大いに考えられる。

 

ただし、前回の場合のユーロ豪ドルは、ECBの前段階で下方チャネルの中央ラインをすでに突破しており、反転の準備が整っていた状況で、ECBでそのチャネルを完全にブレイクした。

しかし、今回は違う。

現在のユーロ豪ドルは下方チャネルの下限にあり、ミドルラインからも離れている。

ということは、初動でユーロ豪ドルが跳ねても、下方チャネルのミドルライン、上限ラインがそれぞれ抵抗帯となり、ここからの戻り売りをかけるチャンスがある。

 

前回は一発の反発でトレンド転換してしまったが、今回の場合は、二発以上の反発がない限り、ユーロ豪ドルのトレンド転換は実現できない。

 

ということで、ユーロ豪ドルについては、戻りを叩ける状況にあり、現在のレートから計れば1.6230くらいまでならば、延々と売り上がっていける感じであろうと思う。

 

ということで、本日の戦略をまとめると

 

ユーロドル、ユーロ豪ドルは戻り売り狙い。

ドル円はとにかく買い。

 

というシナリオで、ECBに挑みたいと思う。