昨夜は結局ドル高に振れた。現在、ドル高はピーク圏にはあるが…

昨夜、ECBの政策金利発表の後の、ユーロの下落からの上昇。

 

これにより、ユーロドルは、1.1180アッパーまで値を伸ばしたが、同時にドル円も108.30のレンジを上抜けして、上昇した。

 

NY序盤では、ユーロドルもドル円も上昇するという、ユーロ高ドル高な流れではあったが

 

結果的には、円売り相場ようなリスクオン相場にはつながらず、ドル高優勢となった。

 

ドル高なので、ドル円は上伸し、ユーロドルは頭打ちで下に押され、ほぼもとの水準に戻ってしまったわけだが

 

もともとユーロドルで1.1150以下の水準は売られすぎている状況であると考えているが、そこにユーロドルが回帰した流れの中で

今度はドル円がドル高ぎみで買われすぎの水準に達したような状況がいまである。

 

現在、世界各国が自国通貨安競争を行っている中で昨夜のドル高は、ドルのみがそのしわ寄せを一手に引き受るような状況となったのが昨夜である。

 

昨日までは、ドル高でユーロドルなどドルストレートが押されている状況でありながら

ドル円はレンジにとどめられ動きが取れなくなっていたところ、ドル円もドル高方向に上抜けしたことで、

全般、きれいにドル高地合いに変化したような結果が、昨夜であった。

 

昨日大きく動いた反動か、本日はほとんど動きがないまま相場は展開しているが現状は、やはりドル高が優勢のままである。

 

本日相場が大きく展開するとすれば、21時半にある米四半期GDP、四半期コアPCEの発表からであろうと思う。

 

それまでは現在の膠着は変わりそうにない。

 

今夜、GDPの発表からドル高がより進むか、それとも現在のドル高相場が反転するか、であるが、

 

まずドル高方向の加速、もしくは加速までしなくてもドル安に展開しない、というパターンで考えてみると、こちらが現状はメインシナリオと考えている。

FOMCを控え、自分としては、FOMCでセル・ザ・ファクトとなり、ドル安に戻ると考えているため、今夜大きくドルが売られる方向には動きそうにない、というのがFOMCを控えた現状から見立てであるからだ。

 

逆にドル安方向への転換、というパターンで考えてみた時、今回の四半期GDPの予想値は、個人消費速報値について前回の0.9%から比較して4%と大幅に高い数値が予想されており、この飛躍した予想値の根拠が自分にはよくわからないが、前回値から飛躍しすぎた予想値は、素直に考えてこの予想が下振れする可能性を感じさせ、予想値を下振れした場合、初動はドル安に展開する可能性が高い。ただし、GDP速報値そのものの予想値は前回の3.1%に対して1.8%と控えめな予想値となっており、これが予想値を上回る可能性はある。

 

ただし、FOMCまでドルが大幅に売られそうもない、という地合いから見て、この場合に生じたドル売りは、格好の押し目買いの契機とみなされて、底値からドルが結局買われていく可能性がある。

 

そういう意味で、今夜の経済指標は、結果がよかろうが悪かろうがドル高に進む可能性が高いが、ドル円、ユーロドルともに、かなりドル買いの過熱感のある状況で、週末の本日にさらなるドル買いが進むのか、という疑問がある。

 

例えば、現在以上にドル高が進むとするなら、ドル円は109円を試す状況で、ユーロドルは1.11を割り込む可能性が高まるということになる。

 

ドル円については、109円越えあたりからは、中期アップトレンドラインに下からぶつかってくる状況となり、ドル円の戻りの最大のピークが週末の今日すでに生じてしまうことになるし

ユーロドルについては、昨夜のECBですら底割れしなかった1.11が、本日割れてくる、ということになる。

 

そこまでの展開が週末の本日に起こる感じがせず

 

そうなるとドル円は上値が重く、ユーロドルは下値が硬いままでいる、という状況を作りやすくするのは

本日の米経済指標は予想通りか、予想を下振れるあたりが、無難な結果になりやすいところである。

 

以上から、今夜、ダイナミックに相場が動く可能性が出てくるのは、経済指標が予想値を大きく上振れた場合、特に四半期GDP個人消費速報値における、やや高すぎる4%という予想値を上回った場合は、特に警戒したい。ここに4半期GDPの1.8%予想値すらも超えてくる要因なると、いよいよドル買いには過熱感が増すことになる可能性が高い。

 

そうなった場合、問題はドル円よりもドルストレートに焦点が当たることになると思う。

 

ドル円は109円を試す可能性が増すとは言え、そこはピークアウトの過熱感全開の領域であって戻り売りも大量に入ってくる可能性があり、そこからさらなる上昇に疑問符がつくが

ユーロドルなどは、長年守ってきたバリアにも等しい1.11を割り込むようなことがあれば、そこに買い支える勢力はなく、ユーロドルの下落は加速する可能性が高まる。

ユーロドルが底割れするような事態となれば、ドルストレート全般の底割れと、ドル全面高のリスクが高まり、ドル安相場終了の暗示を示しかねない週末となることになる。

 

今夜の経済指標発表の予想値の大幅な上振れは、現在の為替市場のパラダイムをシフトさせる波乱が起こりかねないリスクがある。