今夜の雇用統計の前に

昨日な値動きもなく、ノートレード、

本日も雇用統計までノートレードだが、

気になるのはユーロ。

 

先週からユーロ豪ドルが下落転換して以来、

ユーロにとってのネガティブな材料が取り上げられることが多くなってきた。

 

ECB総裁が今秋変わるようで、その総裁候補がハト派、そして、ユーロ圏の景気減速懸念が増しているようで、緩和政策が実施されるのでは…云々。

 

そもそも、であるが

ユーロ圏の景気の危うさは今日に始まったことではない。

それに対して豪州は記録的な景気継続をしているようで、

 

はなからユーロと豪ドルの期待値の差は明らかである。

 

それを米中貿易懸念だなんだと、囃し立て、ユーロ豪ドルを買い上げてきた異常性には、

いまも嫌悪感しか覚えない。

 

5月のユーロ豪ドルの上昇局面では、著名な某トレーダーも、ユーロ豪ドルの買いを囃し立て、この異常なバブルに便乗しようとしていた。

 

まあ、トレードは値幅を取ったものが勝ちなので、それで利幅を取れたならよかったかもしれないが、

 

例えば、糞とカレーとの相対相場があって、

カレーは賞味期限の懸念があるので、カレーを捨てて糞を買う、みたいなことを、していたのが、5月の異様なユーロ豪ドルの上げ相場であると思っている。

 

雇用統計以前にいまだムカついてしょうがないのがユーロ豪ドル相場である。

 

で、雇用統計だが、下手な予想をしても仕方ないので、今回は無理な予想は立てたくはないが、1つ言えることは

いまのドル円は107.80-108と、先月の雇用統計のときと同じようなレートにあり、この1ヶ月はほぼ行ってこいのようになっている。

 

先月の場合は、108.20-107.80の攻防で、米中貿易懸念がくすぶるなかでのドル円の下値を硬くし、翌週に窓開けで108円半ばまで伸びた。

それは結局、戻り売りにさらされ、その後107円割れまで進むことになるが、

 

その先月の動きから少し地合いの異なってきたなかでの、先月と同じようなレートにあるドル円をどうみるか、である。

 

アナロジー的に見れば、

米中懸念があるなかで、ドル円が先月の雇用統計で初動は下落しつつも下値を守って翌週上抜けしたが、

米中懸念が小康状態にあるいまは、ドル円は初動は上昇しつつも上値が重いままで進み、翌週下抜けという合わせ鏡のような見立ても成り立つ。

 

となれば、今夜はドル買いから入り、NY中盤から戻り売り、ということになろうが、そうなれば、ドル売りの相対としてユーロ買いとなるところである。

 

ただ、ユーロ圏の景気懸念感を最近囃し立てている状況のなか、ユーロがドル売りの兆しが見える中でも買われるのか、という疑問がわく。

 

だからこそ、ユーロ円売り、と見立てている人もちらちら散見されるようになってきた。

 

ドル売りでもユーロ売りで、ドル売り円買いからの、ユーロ円売り、というわけである。

 

しかし、自分はドル売りならば、素直にユーロは買われる、と思っている。

 

ドルよりもはるかにましな対豪ドルで、5月にあれだけ無茶な優勢を誇ったユーロである。

 

対ドルにおいては、ユーロ懸念がどうとか関係なく、ドルが売られれば買われるであろうと思う。そういう消去法的な動きしかしないがゆえに、5月の豪ドル売り相場では、豪ドルにはるかに劣るはずのユーロが、対豪ドルにおいて、ドル以上に買われたのである。

 

ユーロの悪材料が現れるたびに、あたかもユーロが自律的に売られるように思えてしまうが、

 

ユーロにはそうした自律性などない、というのが自分の最近ずっとある考えである。

 

ユーロはあくまでもドルの受け皿に過ぎず、どれだけユーロ単体の材料が最悪であろうと、ドル売り地合いなら買われるし、ドル買い地合いなら売られる。

 

ユーロの悪材料のさなかにユーロが売られるとしても、それはそのときにドル買い地合いがあったからにすぎない。

 

実際、ドル売り地合いのときのユーロは、あらゆる悪材料もことごとく無視してきたのである。

 

そもそも今週初め、ユーロ圏の失業率は11年ぶりの低水準とかなんと言われていたではないか。

 

そのときユーロは買われた、ように見えるが、そのときにユーロが買われたのも、結局はそのときの地合いがドル売り地合いなだけだったにすぎない、と思っている。

 

いまユーロの悪材料を単体で材料視し、ユーロ売り、しかし、ドルも売りだから、合成で、ドル円売りからの、ユーロ円売り、と囃す人についていいたいのは、

 

あまりにも発想が安易すぎて、相場を理屈でこねくり回しすぎであると思う。

 

こういう風見鶏が、にわか豚の典型で、この手の人らが、ユーロ豪ドルの異常な上昇を演出した悪質な大衆のリーダー格である。

 

ユーロの趨勢はあくまでも、ドル、もしくは、ドル以外の通貨(ポンド、豪ドルなど)によって決まると考える。

 

要はいまのユーロは、ドルやポンドや豪ドルなどの投機の受け皿にすぎず、ユーロそのものが投機的に売り買いされている感じはしない。

 

だから、ユーロが下落しているときは、何がユーロに対して買われているのか、上昇しているときは何がユーロに対して売られているのかを見つけて、そちらの通貨にフォーカスした方が、良いと思う。

 

それは主にドルが要因になるのだが、ときにポンドの場合も豪ドルの場合もある。

 

このユーロの受け皿感は、円と非常に酷似しており、その意味で、ユーロ円というのは受け皿同士の組み合わせで、そこに独自の動きを読むのは無意味である。

 

ユーロ円が上昇するとしても下落するとしても、そこを追うくらいなら、ドル円をやった方が効率的だし、ドル円でなくとも、ユーロ円をやるくらいなら、ポンド円を追っていく方がはるかにましであろうと思う。

 

現在の欧州時間はドル買いの流れに傾斜しているように見えるが、これが雇用統計以後も継続するかはわからない。

 

ただ、雇用統計はロンドン時間の地合いを初動は増幅させることが非常に多いため、

今夜の雇用統計の初動については、少なくともドル買いに走る公算が高いように思えるのが、現時点の感想である。