今夜の雇用統計はドル買いに分があるか…

ロンドン市場がドル買いに振れているから

雇用統計もドル買い、というのも随分安易な見立てだが

 

以下、2点から、ドル買い優勢という判断にならざるをえない。

 

まず1点目、相場参加者の思惑の観点からみたとき

昨今の雇用統計はロンアニどもが作った流れを継続させることが非常に多い。

これは、奴らがすでに雇用統計の結果を掴んだうえでのインサイダーなのか

相場の勢いが継続するのかはわからないが、

とにかくそうした傾向が強いのは確かである。

 

現下のロンアニどものドルの買い集めを

世のアナライザーどもは、雇用統計前のドル買い調整

などという呑気な現象説明に終始しているが

雇用統計の結果は予想を上振れていることをすでにロンアニどもは知っていて

先行して買い集めている可能性も十分にある。

 

自分が不思議なのは、経済指標の発表前に

その予想結果に即した買い集めや売り逃げをしている状況の時

世のアナリストの誰も、こいつらは経済指標の結果をすでに知っている

という疑義を挟むことがないことである。

 

まあ、そういう見立ては、証拠がなければ言いがかりにようなものなので

そうした過激な見立てなど、

サラリーマンであるアナリストにはできないのかもしれなが、

そういう疑念をアナリスト自身はわずかでも抱いたことはあるはずである。

 

それでありながら、その疑念はおくびにも出さず

なんどもかんでも調整、調整、と分析することは

いま生じている現象をただ最も当たり障りなく説明しているだけで

なんの分析にもなっていない。

 

がゆえに、自分は、こうしたありうべき分析(邪推?)を放棄し

日和った現象説明ばかりする世のアナリストすべてを

アナリストとは考えたくもなく

侮蔑を込めて、アナライザー、と称するのである。

 

いまの状況をただ現象説明として垂れ流すだけなら

相場をある程度かじった後なら、誰でもできる。

 

まあ、こうしたトレードリスクをまったく追っていない

無責任な外野への不満はともかくとして

邪推全開で言わせてもらえば

いまドルを買い集めている投機筋は、すでに雇用統計の結果を知っていると個人的には思う。

 

で、2つ目の理由だが、これはテクニカル分析となる。

インサイダーにせよなんにせよ、

ドルが買い集められえたことで作られたチャートの波形は

ドル買いに有利な形状を示す形になってしまっている。

 

ドル円について、上方向のレジスタンスがあまりなく

上値余地がまだあるのに対して

下方向は幾重にもサポートが出来上がってしまっている。

 

ざっと見るだけで、107.90、107.80、107.50

このあたりがサポートになっており、これらを突破しても

107.30アンダーのサポートもかなり硬い。

 

 

これは、雇用統計で瞬間下押してもそこをサポートに買い集められる状況になっており、継続的なドル買い機運を期待させるものである。

 

以上より、

現下の短期トレンドに素直に乗った目線で見れば

ドル円については買い目線が基本となり

 

ユーロドルなどドルストレートは下落目線。

 

つまりドル買いの方向が基本となる。

 

ただし、数少ない上の抵抗帯として

108.15あたりにあるラインはけっこう重要である。

このラインは、G20 明けのドル買い地合いの、108.50アンダーの高値から

107円ミドルあたりまで押した下値からの戻りを計ったところの

61.8%戻しのあたりのところとなり、フィボナッチという

オカルト的なライン分析からみたとき、意外に侮れないところとなる。

 

とはいえ、

ドル円の上へのレジスタンスラインでさしたるラインはここくらいしかなく

ここがまったく抵抗帯として機能しなかった場合

ドルの売り方はかなり絶望的な状況となってしまう可能性は高い。

 

ドル円は現時点で20日移動平均線を突破しようとしている段階にあり

ドル円がさらに上値を追えば、このラインを明確に上抜くことになってしまう。

 

5月からのドル売り相場において

その下落を継続させ、戻りを阻む重要なラインだったのが20日移動平均線

ここを上抜くことは、5月からのドル売り相場の終了のリスクを高める強いシグナルとなりうる。

 

しかし、このたった1つだけのラインにせよ、

もしここが守られた場合の

ドル円相場のインパクトはそこそこ強い。

 

ドル円の下には幾重にもサポートがあるが

逆に言えば、このサポートが突破されるたびに損切りの売りを誘発するわけで

その意味で、ドル円が下落進行した場合は

それはそれで下落期待が持てるのではないかとも思う。

 

まあ、いずれにしても雇用統計の結果と

市場参加者がどう動くかをみないことにははじまらないが、

 

初動にエントリーするとしたら、

下押ししたところでロング、からはじめるかな、と思う。

 

初動でずばーんと上に跳ねた場合だが、

108.30まで伸びればいったんショート。

 

といったふうに、雇用統計の初動で乗るならまずは逆張り

ということになるが、あまりに動きが激しすぎるようなら

相場が落ち着くまで様子見する可能性も高い。