大衆の恐ろしさ
昨日の月曜は様子見でノートレードとしていたが、
NY時間から一気にリスクオフに傾いてきた。
トランプとパウエルの会談がどうとか、その材料はともかく、
レートだけで事実を追えば、
109円アッパーまで戻したドル円が叩かれて、また108ミドルまで沈んだという流れである。
こういうリスクオンオフがコロコロ変わる相場付きで注目して続けているのが、ドルカナダとユーロ豪ドル。
ドルカナダはリスクオフ気味で推移するなか、ドル売り地合いに連れられて安値を追う形で終えていた。
ドルカナダはリスクオフでは上昇しやすいが、リスクオフでもドル安を採用しながら下落を徐々に進めているところを見ると、やはり、ドルカナダは戻りのピークを終えて下落トレンドに回帰し始めているようにみえる。
でなければ、昨日のリスクオフ相場において、いくらドル安だとはいえ、むしろ底堅く推移でしも良さそうに思えるからだ。
そして、問題のユーロ豪ドルだが、
ここが掲題の話ともなるが、
結局、1.62のサポートを破れず、昨夜のリスクオフの流れを引き継ぎながらも、本日は1.63超えである。
この上昇のきっかけは、豪州政策金利発表での議事録で、今後さらなる利下げもありえる、緩和的な内容が示されていたことのようだ。
これであらためて豪ドル売りが起こり、
豪ドルドルが先週の安値を更新しないにもかかわらず、ユーロドルの堅調さがゆえに、ユーロ豪ドルはさらに高値を追ってしまった。
ユーロ豪ドルは1.6000アッパーから1.6300アッパーの巨大なレンジがあり、その上限までまたも進み、買い過熱感がかなりの状況になっている。
ということで、本日のトレードとしては、1.63アッパーで売りを入れたが、下値が硬く、1.6290アッパーで買い戻し、現在スクエアである。
で、あらためて掲題の話となるが、
この高値圏でさらに買われていくというのが大衆の恐ろしさである。
大衆はトレンド方向に群がってくるので、トレンドをしばしば増幅させる。
最近のビットコインバブルなどもそうだが、こういう熱狂が起こった場合、値段はありえないところまで上がる。
もちろん、高値圏にあると、値頃感で逆張りの売りをする素人トレーダー(自分も含む)も多いが、実は、この手のヘタクソの方が大衆のなかでは少数で、概ね大衆はトレンドの方向に群がる。
つまり、高値圏で値頃感の逆張りの豚が死ぬのは、大衆による巨大な順張りのストリームがあればこそで、実は大衆は大衆によって殺されているように思っている。
こういう大衆同士が殺し合うとき、グリードの動きは2つにわかれる。
短期グリードはその大衆を煽るようにさらに買いを仕掛け、バブルを助長させる。
長期のグリード、こちらのほうがはるかに大口だが、この手の連中は実は、この熱狂の場所を利食い場としているように思う。
また、この大口どもはこうしたどこかの高値圏から新たな売りを仕込み始める。
こいつらは、こうした高値圏で順張りしたりはまずしないように思う。
ただ、この手の大口とて、天井ドンピシャで売りをつかめるはずもないが、この手の連中はそうそう損切りをすぐにはしないため、大衆が熱狂にある間は、ある程度の含み損に耐え、相場が反落しはじめると、そのままそのポジションを握るのみならず、トレンド転換を引き起こすさらなる売りを仕掛け、トレンドが下方に転換した後、また大衆がど安め圏で熱狂の売りではしゃぐころにまた利食いしていく。
大衆と大口の違いは以下であるように思う。
大衆 高値圏でもまだトレンドについていきさらなる買いを入れて熱狂し、最後は下落に捕まり、サポートブレイクでまとめて損切りをされる
大口 高値圏ではトレンドには乗らず、むしろ逆張りの売りを徐々に仕込み、かつやがてサポートをブレイクさせて、トレンドを転換させる。
つまり、大衆はトレンドに乗ることはできてもトレンドの転換はできない、ということである。
上記の関係性から弱者が生き残るためにはどるするか、となると、
高値圏で逆張りすることではなく、それが高値圏だったと証明されるトレンド転換を確認して初めて、下落トレンドと考えて売りに入る、しかないように思える。
ということで、1.63超え、という自分のなかではかなりの売りチャンスと思えるところでも、やはり握るのをやめて、1.6290アッパーですべて利食いした。
先月末からことごとく負けてきたのは、やはり、高値圏からの天井を狙い続ける売りを繰り返してしまったことで、取り逃しを恐れた欲豚からだった。
ということで、ユーロ豪ドルの売りについては、もう少し明確な下落の兆候が見えるまでは、売りを待ちたいと思う。
結局、弱者は頭と尻尾はくれてやれ、でやるしかないのか、とあらためて思っている。