米債利回りの一方的な上昇が、ドル円上ヒゲの回収を生んのでしまっているが、所詮はそこまで

ドル円は108.75までの跳ねのあと

かなり強めの上ヒゲを作って、108.50代まで突っ込んだが

108.50あたりにはサポートがあることもあって

 

そこを試すことなく買いが群がってきた。

 

ドル円の上下反応は米株に連動したような形だが、

その動きに反して、一方的な上昇をやめない米債利回りに後追いする形で

 

108.50のサポートをバックに買い豚が買いに転じ始めたような流れである。

 

そこからはドル円も一方的な上昇を開始し、

まともな押しも作らないまま、上ヒゲを回収するかのような断続的な上昇を続けている。

 

本日の米株は動きがか細く上値を追えていないなかでこれだけ底堅くドル円のを買い豚がぶひぶひ買っていくのは、

 

米債利回りの上昇、ただ一点である。

 

本日は米債利回りが異様な上昇を続けており、10年債利回りは1.85%に迫る上昇である。

 

米債利回りと相関するといわれるドル円がゆえに、ここまで米債利回りがここまで異様な上昇をしてしまうなかでは、アルゴも主導のモメンタム豚もドル円を買うしかなく

 

ここで売りは入りにくい。

 

結果、この利回り上昇に合わせて断続的な買いが入り続けている状況である。

 

ただ、自分としてはこの動きを見るにつけ

ドル円はいよいよ危ない、という思いをより確かにした。

 

買い豚たちは、米債利回り上昇ならドル円買いと、もう習い性のような脊髄反射のようなパターンでドル円を買っているが、

 

実は、ドル円と米債利回りは必ずしも連動するわけではない。

 

基本、べったり連動しまくるところがあるので、ドル円は米債利回りとともにある、みたいに感じるところもあるが

 

かつては逆相関していたこともある。

 

そして、最近のドル円と米債利回りの相関はじょじょに薄れ始めてきている。

 

もしも、いまだドル円と米債利回りがかつてのように強固に相関しているとすれば

 

これだけの一方的な米債利回りの上昇ならば、

とっくに本日の上ヒゲの先は抜き去って、108.90だとか、ことによれば109円に届いてもおかしくはない。

 

それが上ヒゲのなかに突入したとはいえ、

そのヒゲ先すら抜けず、108.75あたりで上値を重くしている段階で、現在のドル円はやはり上昇の芽はないようにしか見えない。

 

もちろん、本日は米債利回りが上昇を止めないため、ドル円は上昇しているが、その上昇は惰性の買いの様にしか見えない。

 

上昇相場ならば、ここぞとばかりにもっと上値を追っていい局面なのに、ここまでの上昇しかできないという段階で

逆説的にドル円のその後の反落を強く示唆しているように思えてならない。

 

もちろん、米債利回りがひさしぶりに高値を更新しているのだから

ドル円も日通し高値に張り付いて当然なのかもしれないが、

 

この追い風が失われたとたん、

その失速具合は、現在の上昇の比ではないと思う。

 

本日ドル円を買っている豚は

米債利回りにさえ追随すればオールOKと考えている能無しにしか見えず

 

やはり関税延期の検討報道で、ドル円が跳ねた時に即座に売りをぶつけてきた売り豚どもとは足腰の強さが違うように思える。

 

米債利回りにのみ連動して売り買いに追随するようなオートマ豚が身持ちがかたいとはとうてい思えず、

その逃げ足も速いことだろう。

 

今夜闇雲に積みなおされた買い玉は、

後の下落の大いなる燃料となる。

 

15日の米国による中国の関税発動は、たしかに見送られるかもしれないが

 

それによって現在の情勢が転換するわけがない。

 

そもそも現状関税はかけられていないわけで、現状と全く変わらない状況が続く、というだけである。

 

では追加関税がそのまま発動されれば、ドル円は大きく下落するのか、と言われたら

それもないと考えている。

 

確かに初動はドル売りとなるかもしれないが、

そもそも15日の追加関税は、かねてより言われていたことであり、

すでに相場はそれを織り込んだうえで動いている。

 

要するに15日の追加関税云々は、あろうがなかろうが、相場の趨勢に影響を及ぼすことはないというのが、個人的な見立てである。

 

となれば、ドル円は現在の地合いを継続するだけであり、現在のドル円はゆるやかなダウントレンドを形成しつつある。

 

もちろん、米中の貿易交渉の合意などがあれば、この下落圧力を転換させる可能性は高まるが、おそらく、その吉報(?)が年内にもたらされることはもうないだろうと思っている。

 

その理由はクリスマスが近いからである。

 

日本人からすれば、クリスマスなどどうでもいい、みたいなところがあるが

 

欧米人にとってのクリスマスは、日本人の元旦と同じ、もしくはそれ以上に重要なイベントで、1年の中で彼らが最も重視するのがクリスマスである。

 

これは現在、米中交渉中の米当局者にとっても同じで

クリスマスの半月前くらいから、もうクリスマス休暇のことを考え、まともに仕事する気分ではなくなる。

 

そんななかで年内に交渉を無理に締結させるとは思えず、結論は来年に先延ばしされることになるのではないか、と思っている。

 

となれば、今月は引き続き米中交渉の不透明感に揺れ動くゆるやかなリスクオフムードが続くということで

 

ドル円はやはり下落方向に進むとしか思えない。

 

そして本日異様なまでに上昇する米債利回りについても、じきに失速するように思っている。

 

現在はクリスマスが近づくにつれ、市場参加者がどんどん減っていることで、ボラティリティが拡大しやすくなっている。

 

つまり、普段なら値動きに影響を及ぼさないレベルのポジション量であっても

現在の地合いは相場が大きく動きやすい、ということである。

 

本日の米債売りの規模は、平常からすれば、さしたる量ではないのではないか。

 

しかし、流動性の少なさが、

その普段以下の米債の売り玉でも、利回りを大きく上昇させる結果になってしまっているように思う。

 

そんな流動性の欠けた一過性の動きが見透かされているがゆえに

米債利回りのかなりの上昇具合に対して(1日で0.05%も上昇するという状況は、平時ならかなり強い上昇である)、ドル円の戻りがついてこないのであろうと思う。