グローベックスチャート分析

珍しく、まともなチャート分析をしたいと思う。

グローベックスが暴落する暴落すると、
私はずっと念仏のように唱えているが、
それは、単なる願いであったり、運に身をまかせているわけではない。

図はグローベックス(ダウ先物)の月足チャートである。

左からの暴落がリーマンショック時のものであり、そこから2009年3月に底を打って以来、3年以上に亘って上昇を続けているのが見て取れる。

青の斜めのラインはチャネルラインだが、右の斜めラインがトレンドラインである。

上にある横の青のラインが、2011年4月につけた高値で、それを上抜いたことで、上昇の可能性がぐんと高まった。レートは12869ドル。

12860というのは、その意味で重要なレートである。

この青の横線と、青のアップトレンドラインを結ぶと、三角形ができるが、これはアセンディング・トライアングルというチャートパターンで、これを上抜けると、買いのシグナルだと言われる。

そこを上抜いている訳なので、株価はいまよりかなり上、ターゲットまでひた走れば、史上最高値もうかがえるという勢いである。

そして、すでに説明したチャネルラインについても右上がりで、現在、上値余地は史上最高値の位置ほどまであり、そこも破れば、それも更新する。

下の黄色はRSIであるが、現在は、58%のゾーンにあり、まだ買われ過ぎの過熱感もなく、まだ上を追うことができよう。

…と、ここまでが、買い方にとって有利な分析である。

しかし、私の判断は、ここになく、株価は下がると考えている。
その判断のポイントは以下2つある。

ひとつは、赤のライン。トレンドラインに沿っている線は、わかりやすくするために少し右にずらしているが、青のトレンドラインと本当は重なる。

この右の斜めラインと、左のチャネルラインのなかにある赤のラインを結ぶと、斜め右上方向に伸びていく三角のような線ができる。

これは下降ウェッジと言われるチャートパターンで、赤の斜めラインを下に割れると売りのシグナルと言われている。

今月これを割るためには、11800ドルより下あたりまで進まねばならない。値幅は1200ドルほどもあるので、今月、あと2日くらいの間にこのラインを割ることは困難であろうが、来月、もしくは年明けには割り込む可能性がある。

さらにRSIについて、最後の三段の山を見ると、上の高値更新と逆の動きを取っている。これは典型的なダイバージェンスの波形である。

テクニカルから見ると、上昇、下降、どちらにも判断が取れるが、ファンダメンタルズや世界情勢を考慮したときに、私はどう考えても下の方向しか描けず、そうなると、チャートの方向も下の方を考慮せざるを得ない。

ここ何日か、12860を重要な節目ととらえていた理由は、月足のアセンディング・トライアングルのトップライン、上昇におけるレジスタンスに当たっていたからだ。

金曜に現れた第一波野郎もここの節目を抜きにきたし、昨日の反転上昇も、ここで一端抑えられるも、強引に抜いてきた。

そして、いまレートはふたたび、12860の上にある。

いま株の買い方がこだわっているであろう点はもうひとつある。それは月足。

2009年の3月からの上昇以降、陰線の月足が2連続以上したことは2回しかない。

一度目は2010年5月、上昇過程の押しが少し強めで、このときはまだ買い方も半信半疑で売り方もまだ諦めていなかったと考えられることから、ちょっと強めの押しが来た。

二度目は2011年5月。このときは、米国債の格付け問題などが起こったように記憶しているが、そのときのショックは案外長く、およそ5ヶ月に亘って陰線が続いた。

そしていま、であるが、いまは上昇が半信半疑の状況ではない。となると、いま陰線が2連続するような事態は、株の買い方からすると許されない。

いま月足が陰線となるのは、12433よりレートが下回ったときである。
今のレートから600ドルばかり下である。
今月はあと2日しかないので、よほどのことがないかぎり、これを下回ることはないだろう。

そうなると、陰線が2連続点灯は、またもなくなるということになる。

この事態を株の買い方は最も恐れていたのではないかと思う。

だから必死に買い上げ続けていまがある。

昨今のドル円の上昇も、ことによると、株価を引き上げるための仕掛けだったのではないかとすら思える。

以上からテクニカル分析上の判断からは、株価が即座に暴落していく可能性は、よほどの緊急事態が起こらない限り、そうとうに低い。

だから、為替においても、皆が安心してドルを売りリスク通貨を買って回れるのだろう。

長期的なテクニカルから見立てると、残念ながら、短中期的にはドル買いの形勢は弱い。

しかし、私は遠くない将来、米株は確実に暴落すると思っている。早ければ年内、遅くとも来年初めにはそれが起こると思っている。

では、それまではユーロドルを買ったりドル円を買ったりすればよい、と思うかもしれないが、それはしない。

理由は、したくないからである。

私は専業トレーダーではない。そこまでして勝ちたちとは思わない。

さらに、株の暴落はいつ発生するかわからない。
そのときに、指針を曲げて買いに入っていてつかまったとしたら、後悔してもしきれない。