嘘だろ…

ドル円の上昇が止まらず、
ついに、自分のレンジ上限に見ていた112.90を突破した。

ポジションはいったんスクエアにした。

狂っているとしか思えない。

別にレジスタンスを突破することに驚いているわけではない。

レジスタンスもサポートもいずれどこかで破られるものだ。

問題は、その展開スピードである。

週初からたったの2日間で

これまで進んでいた短期下落トレンドを一気に否定してきた。

もしかしたら、また昨今の株安は単なる押し目
また米株が最高値を更新していくのだろうか…。

いや、米株がここ2日でそんな下落トレンドを収束させた気配はない。

それどころか、前日など一時900ドルも下落し、
終値レベルでは、下げで終えているのだ。

為替がすでに今後の株価の復活を予知しているのか。

為替が株の先行指標だ、などといった話は聞いたこともない。

ユーロドルのロングがまだ切られていなかったが
いったん微益で決済した。

レジスタンスを突破したドル円から眺めたとき
現下の狂信的なドル買い方向は
じりじりと、またユーロドルを下に追う可能性が強まったとしか思えず、もうポジションを保有していられない。


やはりNY勢はすごい……。

現下のドル円の上昇は、10月26日の111.40割れからのNY勢の一気の買い戻しから端を発しており、東京、欧州ほかにボトムを思わせるには十分な存在感で

その後の市場も、すべてそのNY様に追随する動きしかしてない。

結果、10月22日からの下落過程で作られた、戻り高値を
すべて粉砕するに至った。

さかのぼり、10月22のドル円のトップ、下落の起点もまたNYでからである…。

現在の戻り過程を見ると、まともな押しはほとんど作らず
一本調子の上昇である。

ドル円の現下の売りは、112.90までが自身の限界であった。

後出しのようになるが
本日の東京時間、112.40を超えた段階で、
買いが伸びるような気はしていた。

しかし、昨日もドル円は70pipsあまりも上昇したことから

本日、さらに112.40から50pipsも伸びるとは思えなかった。

そこまでドル円買いの勢いが継続するイメージが、
自分のなかでは描けなかったのである。

相場に感情を向けても仕方ないが
やはり悔しくてしかたない。

これにて、ドル円はまたも短中期の下落トレンドが否定されてしまったからだ。

自分は基本、ドル買いはしたくない。

かねてより何度も書いていることだが、ドルに価値が全くないと思っているからだ。

もちろん、短期的に買ったりすることはあるが、
基本的には保有し続ける気はなく、短期保有ですら苦痛である。

ここから今夜ドルがもし下落をしたにせよ。

もはや111.40アンダーという先週付けた安値を割り込むままでは

すべて現在のアップトレンドの押し目としてしか計算できず、
買い向かっていくしかない。

111.40アンダーは、現在の112.90アッパーから、1.5円も下にある。

先週末から今週のこの2日だけで

ドル円は1.5円も上昇してしまった。

日本当局は喜ぶかもしれないが、
我が国の通貨がたった数日で、1%以上もその価値を減価してしまったのである。

このままドル円が上昇するというなら、すればよい。

現在、自分はスクエアで、現在のドル円が下落基調を再開するまでは、もう相場に参加するつもりはない。

以前、114円を超えたドル円に嫌気がさして相場から離れたとき、戻るのに数か月も時間がかかった。

ただし、現在のドル円はテクニカルフォームから見て
かなりゆがんだ状態になっている。

言葉ではうまく説明しずらいが

自分のチャート分析では、供給の大小のような見方があり

供給過多の状態のときは相場が下落しやすく
供給不足の場合は、相場が上昇しやすい。

現在のドル円はかなりの供給過多の状況で
ドル円は値を安くするのが、自然の流れである。

それにもかかわらずドル円が上昇。

これはたとえて言うなら

商品がだぶついていて、供給過多にもかかわらず
その値段をどんどん値上げしているような状況である。

市場原理に照らせば、
品不足のものは高くなり、供給がだぶついているものは安くなる。

商品がだぶつき、市場にあふれ、だれも見向きもしないものを
むしろ値上げしていく状況は
どのようにすれば成立しえるか。

騙すことである。

きれいな言い方をすれば、幻想を与えること。

いまのドル円の上昇はすなわち幻想である。

みなが上がると舞い上がり、競って買うから上がっている。

どこにでもあるありふれた商品なのに
それに気づかず、レアアイテムであるかのように

オークションに出品し

それをみんなで高値で競り合っている。

狂気の沙汰としか思えないが、これもまた市場である。