アメリカは楽しくて楽しくて、仕方ないだろう

昨夜、休場明けのロンドン勢がいきなりはりきったのが
めったやたらなユーロドルのショートである。

結果、ある種めちゃめちゃなまでに一本調子で下落したユーロドルが

本日は、昨日が嘘だったかのように、全戻しに近いくらいに反騰している。

理由はアメリカの株や債権利回りの低下である。

昨日は結果的には、東京時間に天井が作られ、NY時間に底が作られた。

昨日の東京勢のド天井とアメリカのド底は、意味合いがまったく異なる。

昨日、東京が、
ユーロドルの1.048アンダード高めからロンドンアニマルどもに刈られた流れは
東京勢がアメリカ様についていったニワトリトレードではしゃいだロングが
ロンドンアニマルどもによって切らされまくった結果である。

対して、アメリカの1.037あたりからの切り返しは
株価の下落に合わせ、アメリカ自身がショートカバーの買いを入れてきた結果である。

一見すれば同じようなものに見える。

東京勢も利食いしてきたのだ、と。

ただ、個人的にはそうではないと思う。

東京勢の利食いによる単なる押しならば、
欧州勢やロンドンアニマルどもが、それに追随するわけもなく、
東京勢の利食いに追随してきた、にわかの東京勢新規ショートを刈るために
もう一段上に踏み上げていくのみである。

しかし、昨日、ロンドンアニマルどもがユーロドルを強烈に売ってきたことからし
これは、東京勢が積んだロングを刈りに走られたということである。

それに対して、NY勢の場合はどうか。

もちろん、ショートしていたNY勢は踏みあげられたことだろう。
しかし、踏みあげてきたのもまたNY勢である。

アメリカの場合は互いが殺し合い、
勝利した方が主力勢力となる。

東京の場合も、もちろん、殺し合いはあって、勝利した主力勢力が登場するが

その主力同士の意味が異なるのである。

昨日の東京勢の主力勢力は、アメリカ様に追随したドルショート組の
ユーロドルのロング勢である。

これがロンドンアニマルどもに刈り殺された。

それに対して、NY勢の主力勢力は
ユーロドルのショートカバー、もしくはユーロドルのロング組である。

このNY勢の主力勢力のその後であるが

その方向に向かって、東京勢はニワトリトレードで追随。

NY勢の主力方向を恐れてか、欧州ロンドンもそれに追随。

ロンドンアニマルどもとしてはお駄賃かわりに
13時あたりからの東京勢の逆張りロングの損切りを刈っていく
というくらいがせいぜいである。

そしてふたたびNY勢に戻ってきた後は
NY勢でどんぱちやりあい、また主力勢力が決定されるということである。

もちろん、アメリカ勢がすべてうはうはというわけではない。

NY時間に互いに殺りあっているわけなので
負けた者は、手痛い傷を負っている。

しかし、主力勢力、もしくはそこについていく提灯については

その後の東京、場合によっては欧州含め
主力方向に追随してくれる訳なので
後は高みの見物、といった次第である。

東京勢の場合はそうはいかない。

主力勢力についたところで
ロンドンアニマルどもに刈られる恐怖がある。

もちろん同方向に彼らがついてきてくれればよいが

それは東京時間以前のアメリカ様の主力勢力がどちらかであるか次第である。

ただ、たとえアメリカ様の主力勢力にニワトリトレードで東京勢がついていったところで
そこがすでに相当の高値圏、安値圏であった場合、
そこがド天井、ド底の場合は、
結局、その後、ロンドンアニマルの刈られることとなる。

アメリカどもにはそんな心配はない。

相当のド高めやド安を買ったり売ったりしていても
その後の東京が、さらにその上、その下を追ってくれるからである。

もし東京の独自方向の事態が起こった場合どうか。
東京が震源地となる急騰や急落である。

通常は、まず全否定されるであろう。

そもそも株や先物のなどの東京市場自体
その後の市場を揺るがすなんらかの震源地となることなど、まずないからである。

東京はつねに
アメリカや中国をはじめとした海外要因に振り回されているだけである。

だから円は安全通貨、といったようのことをいわれたりもするのだろうが…。

そうしたなか、近年で起こりえた、かなりレアな例外こそ
日銀が行った緩和、俗に言う黒田バズーカである。

これまで保守的政策しかとってこなかった日銀が
安倍政権発足とともに
突然急変し、日本円を紙くずにするかと思うほどの
通貨価値毀損策を講じたのである。

そんなサプライズであったがゆえに、市場もそれに追随し
その後、昨年までの円安トレンドが起こった。

その後、原油安だとか米債利回りの下落であるとか
ドルインデックスの低下であるとか、
ドル安の要因がメインでいろいろ語られるなかで
今年の秋頃まで円高が進んだが、
もちろん、ファンダメンタルズ的な意味からの
頭の良さそうな言い回しとして、それら理由もあろうが、

個人的に円のみの要因で語った上で
相当に荒っぽい言い方をすれば
要するに、
日銀や政府などがどれだけ日本円の価値を毀損させるべく
痛めつけたとしても
円はそこまで紙くずではできなかった、というだけけであると思っている。

もっといえば、ドル以上に無価値なものにはなりえなかった、ということである。

これはひいては日本国、日本人のたゆまぬ努力の賜であり
国力の強さ、を示していると思う。

そんな日本人が築き上げてきた血と汗と涙ともいえる富の集積を

日銀他当局者どもが、
我が金のごとく好き放題に食いつぶし
どぶに金を投げ捨てるかのように、
円の価値を毀損し続けているというのが
現在の状況であろうと個人的には思っている。

こういった方々に言いたいのは、
一度でも汗水垂らして働き、人様に真摯に頭を下げ
仕事をしてみよ、ということである。
そうした薄給の中でのみ、
やりくりをし生活をして
そうしたなかでも税金を納めてみよ。

そうすれば、少しは庶民の痛みや苦しみもわかるであろう。

そう思うと、彼らの所行には虫酸すら走る。
このしわ寄せはいずれ訪れることだろう。

これだけ無尽蔵に、日本の富をもてあそび続けられれば
やがて日本がそうした圧力に耐えきれなくなり、
ついには衰退へ転落する、という事態は十分に起こりうる。

そこで生じるのは、日本国債の暴落であり、
利回りの暴騰であり、株価の暴落である。

そうなれば、円はどこまでも安くなっていくことだろう。

株安だから円高ですね〜
なんとか、のんきに戯言をほざいている場合ではない。

株価が下落して円も下落するのである。

それが生じるのが10年後か、はたまたすでに臨界点に近づいているのか。
それは神のみぞ知る、と言ったところではないか。

そんなことはともかく、

本稿で述べたかったことは、
トレンドメーカーたる、アメリカどもに取ってみれば

トレンド張れば、その後の相場がバカみたいに追随しまくってくれるのだから、

楽しくて楽しくて仕方がなかろう、ということである。

さすが金融大国アメリカ。
どんなルールでも自身の有利な方向にでもねじ曲げ
富める者がより富み、貧しい者はさらに貧しく追いやられる超格差社会
結果的には世界経済を動かすほどのグリードが量産され続ける、超大国である。