トランプ大統領誕生なれど、円安。このオチが、なんと、2016年の円高相場をほぼ振り出しに戻すほどの始末

先週から今週はほとんどトレードしていないが

相場は短期レベルでは、
いまや完全に円安方向に進んでしまっている。

1週間以上ブランクがあるので、いったん、相場を整理したいが、

大統領選挙の結果がどうとかなんだとか
いろいろなファンダメンタルズを考える前に
まずテクニカルオンリーから、
現状がどうなっているか、を見ていきたい。


テクニカル的に見て
ドル円は自身が円高を維持できるラインとみていた
105円ミドルを今週、明確に上抜き
106円代突入するに至る。

ドル円…いらつくまでにしつこい戻りである。

ドル円の上昇は個人的には苦痛以外のなにものでもないが
これにてドル円は戻りを105円代を天井として押さえ込む可能性が打ち砕かれ
短期的には、いまだ天井がどこか確定できない
円安の波動をはっきりとさせてしまった。

200日単純移動平均線も昨日の終値ベースで上抜くに至る。

今年ドル安基調で推移してきたドル円
200日単純移動平均線にぶつかってきたのは
日銀のマイナス金利導入した今年の1月末以来である。

当時のドル円のレートは121.6あたり
現在のレートは106ミドル

まだまだ円高継続のように見えるが

今年1月の200SMAタッチは、
円高トレンド発生直前の戻り高値
現在の200SMA越えは、
円高トレンドを短期的には、ほぼ確実に終了させた
短期円安トレンドの戻り過程、

という点で大きな違いがあり

現在の戻りはいわば
2016年1月末に発生スタートした円高相場を終わらせ
振り出しに戻すかのような状況に等しい。

現在、ドル円が下落方向に進むためには
現在の短期上昇トレンドを自らで否定する下落を示すくらいしか
頼れるものはなく
現在で言えば、104.95あたりをドル円が下回らないかぎり
ドル円押し目買いをする、という
アップトレンドで方向を見てくしかない。

今年のドル円は何度か戻しを試し
107円だとか111円だとか戻しながら結局下を追った。

これまでの戻りからすれば106円ミドルというのは
それほど大きな戻りのようにも現時点ては見えないが

時間的な区切り、テクニカルテクな観点
アメリカ大統領も替わり、
今後、時代がなにか変革するかもしれない狭間で

ドル安方向が転換しかねない兆しが生じている
ということは、
ドル円のベア筋からすると嫌な予感しかしない。

もちろん、現在のドル高相場が
トランプ新大統領への期待感からのご祝儀相場であったり
12月の米ドルの利上げまでの最後の織り込み
であるならば、ドルはやがてまた下落の方向に進むであろうし

それこそが個人的にいまだ堅持している見立てではあるが
ここ一週間の極端なまでのドル買い方向への切り返しは
やはり不気味な思いしかない。

現状のドル円の戻りは、ほぼそれを阻むものが見当たらない
敵なし、のような状況であるが、
現状、上方向へどこまで進もうとも
エンドレスでまったく抵抗がない、というはずはない。

ドル円の上昇を阻む、まず第一のポイントは

107円ミドル。

まずは7月半ばにつけた107円ミドルが越えられない状況である限りは
完全に円安トレンドへ回帰したとは言い切れない。

現時点のドル円の相場は
今年続いてきたドル円の下落トレンドの一端の終了は
残念ながら、ほぼ確認された状況ではあるものの

それはドル円がアップトレンドになった、という意味ではなく
ドル円がレンジ相場もしくはアップトレンドのどちらかに転換していた、という状況で

アップトレンドにまだ変化していないレンジ状況である
というふうにもみられる。

しかし、ここから107円ミドルすら越えたらどうなるか
となるが、
そうなれば、もはや完全にドル円は短期アップトレンド完成、となるが、

この先にも壁がなくはない。

というか、この次なる壁が個人的には最も重要である。

その壁とは200週単純移動平均線である。

現在、ドル円はこの線を明確に下回っており、

現状、このラインは108円ミドルあたりにある。

このラインが、
現状も自身がドル円
最終的な下落をあきらめない最大の生命線であり

これが守られている限り、私は
ドル円がこれからも85円まで下落する可能性が高い、と思っているのである。

現状のテクニカル的な見立てから
ドル円は111円あたりまで進む可能性すら出ているが

この200週移動平均線
上からのレジスタンスとしてワークする限りにおいて、

ドル円が110円どころか109円に進むことさえ
自身のなかではありえない状況である。

それでありながら、
ドル円が108円ミドル109円と進んでしまうとするならば、

私はドル買いに転向するという以前に
当面、為替のトレードはやめて
いったん、証券口座から資金を出金し
もう相場には当面かかわらないつもりでいるとすら思っている。


アベノミクスのときに極端な円安が発生したときも
同様に、自分はトレードすることを数年やめることをしていたが、

2016年やっと円高相場に戻ったのに
たった1年でそれが終了してしまうというような
異常(個人的には異常と思っている)な状況となれば
そうしたわけのわからない相場にかかわることは
自身のなかではギャンブルと同じである。

個人的に、相場でギャンブルはやりたくない。
ゆえに、ドル円が108円ミドルを越えたあたりから
相場からは距離を置き、相場から当面はなれるつもりである。

ともかく、自身のなかで108円ミドルのラインは
自身のトレードにおいても生命線となるラインである。

いずれにせよ、9月からのドル円の戻り相場は
トランプが大統領になろうとも継続となっており

結局、ヒラリーだろうがトランプだろうが関係なく
ドル高、というのが、
9月から現在まで続く圧力である。

この強硬なドル高の圧力は、9月以降、
ほぼ転換したことはなく、
転換しかかったことはあるにはあっても
それもほぼ1日もおかず
ダマシとしてその転換を覆してきたのが9月後半あたりからの相場である。

日本当局がぎゃーすか騒ぐのはいいが、この5円10円と進む円安相場こそ、
完全に投機的な流れである。
こういうのを黙認し、円高時にばかり、
わーわーぎゃーぎゃー騒ぐのだから
日本当局こそ、為替操作国と言われて当然である。

いずにせよ、ここのところのドル高の流れは、
米国債金利上昇だとか株高だとか、そういったこと以前に
一部の短期勢力が、どのような流れであろうとドル高に
持って行こうと持って行こうとする怨念が
ここ何ヶ月も感じられる。

ドルを高くしたい円を安くしたい勢力はどんな連中か。

少なくとも
ドル円ラブのみの我が国の年金や機関投資家は関係ない。
彼らは常にドル円買い一択なので、
ドル円が10円になろうとも1000円になろうとも
買うだろう。

現在の強硬なまでのドル買いの勢力は
欧米勢、というより、とくに米系のなかにいそうに見えるのだが
奴らがどのような意図なのかはわからないが
この執念に等しいドルロングを一部のドル買い勢力が手放さない限りは、
このドル高の流れは収まりそうもない感じはする。

この流れはドル円の上値をもはや107円どころか
既述した、111円あたりまでは十分に伸ばしうる状況である。

このドル高の圧力はユーロドルにも顕著で
今回は詳細を省くが、現在のドル高相場は
完全に投機的な短期のドル買いであると自身はいまだ思っているが

その短期的なドル買いの勢いが、結果として、
ユーロドルがギリシャ危機が起ころうともなんでも
決して割ることがなかった、
2000年11月を底にしていまだ破られたことのない
ユーロドルの長期的なアップトレンドラインを
勢い余って割ってしまいそうな危うい位置にまで到達している。

ドル円の流れはともかく、
このユーロドルを長期にわたりまもってきた

アップトレンドラインが勢い余ってとしても下に振れてしまえとすれば
中期長期勢のユーロドル売りも活発となっていまい
ひょうたんから駒ではないが
投機的に下げていただけのユーロドルが
回復不能の完全な下落トレンドに転換してしまいかねない
より本格的なドル高相場が示現しそうな危うさを思わせる
というのが
2016年を終えようというこの期に及んで起こってしまった相場である。

ここでようやくこの一週間で濃縮されたような世界のトピックにフォーカスすれば、

米大統領選挙は事前の予想を覆すように
トランプがヒラリーを破り、大統領になることが決まった。

そもそもヒラリー優勢という報は
CNNやワシントンポストだとか、ニューヨークタイムズだとかが
彼らを含めた現下の世界経済の格差構造の維持や、
そこから生じる既得権益を延命する最善手がヒラリーであるのかのように、
世論の意見を無視して、
あたかもヒラリー勝利が鉄板であるかのように、
情報操作し続けようとしていただけで
それに世界ももとより、
日本の知識人他もまんまと踊らされただけのように思える。

ヒラリー大統領! びし!
トランプ大統領を予想するやつは、バカ、
みたいな顔をしてどや顔で語っていた世界の知識人連中こそが
とんだまぬけどもである。

ヒラリーの支持者はホワイトカラーの知的かつリベラルな人々
トランプ支持者はブルーカラーの知的でなく、リベラルから程遠い人々

そもそも、こんな二元論的な
ステロタイプで人間を区分けし、
トランプおよびトランプ支持者を馬鹿にし、無自覚なうちに
知性からほど遠いある種“差別的”な所作振る舞いをしていたのは、
むしろ、ヒラリー支持側の、“知的”な方々であり、

アメリカのクオリティペーパーとやらの
情報操作に等しい煽動の報道にまんま影響を受けて
ヒラリー、ヒラリーと
念仏のように唱える単細胞っぷりも
また、こうした“知的”な方々である。

トランプをトランプ支持者をバカにするのはいいが、

こちらとしては、どちらがバカかと思えてくる。

そんなことはともかく

相場を見ると、2016年も終盤という11月
大統領選挙を通過して示現した相場は
ドル高相場となってしまった。

クリントン勝利ではなく、トランプ勝利にもかかわらず、である。

大統領選挙前までの世間の見立ては

クリントン勝利でドル高

トランプ勝利ならドル安
しかも、この場合は、95円までも突き進む、だとかなんだとか言われていいた。

トランプ勝利が近づくにつれて
トランプリスクとやらでドル円は101円代に突入していったが

結局は101円さえ割れずに反転
反転は東京時間の昼過ぎからすでに起こっており

時系列でドル円を見ると
ドル円の反転上昇は、トランプが大統領に決する前から
すでに発生していた状況で、
トランプ大統領がドル高という流れを
すでににじませていたような反転であった。

結果、1日の振り返るとすさまじい下ヒゲをつけた陽線終わりで
大統領選挙の日を終えた。

英国のEU離脱の時も、今回もそうだが

こうした極端なリスク回避からの突如の反転逆行は

いつもいつも東京時間に発生している。

下がる必要もないまで下げて、
おかげえ担ぎ上げられての戻らなくて良いところまでの戻り、

そんな極端なオーバーシュートは

すべて東京勢の過剰すぎる反応でのポジションの投げによって
作られる恥さらしのトレーディングがゆえにの結果であると思う。

日本株などが、最も典型的な恥をさらす媒体となるが、
英国離脱だとかトランプ大統領だとか
いずれもサプライズであったとしても
あらかじめ予見されていた可能性のひとつであるにもかかわらず、

それに過剰反応しすぎる東京勢である。

本来、イギリスともアメリカともなんの関係もない
日本が報道などからの危機感から狼狽して
ポジションを投げたりなんだりしているが

その後の当事者である欧米は、
そこまでのヒステリックな対処は行わず

むしろそこで繰り広げられるのは
過剰に積まれた東京勢の売りや買いのオーバーシュートを
カバーするような買い戻しなど逆方向のオペレーションである

それによって過剰な売りをかけていた東京勢は
担ぎ上げられていくことになり、
次々と損切りにあって、より相場が伸びていく

大統領選挙の日
105円ミドルから101円あたりまで下落させたのは
完全に東京勢のみで、
そこからほぼ全戻しまで担ぎ上げられているのだから

東京勢は英国離脱についで
世界に向けて過剰反応の恥さらしを今回も繰り広げた。

そして大統領選挙から一夜明けての昨日

普段ドル円ロング大好きな東京勢ながら

105円ミドルあたりまで戻ったドル円をショートしていく

円安時に円買い、といういつもの養分プレイ炸裂の昨日東京。

嫌な予感がしていたら

案の定、ロンドンアニマルどもに
東京高値105.90アッパーをあっさり突かれ
ついに106円代突入である。


そのまま昨夜はNY勢も107円を狙おうと何度もチャレンジしたが
昨日は107円は超えられず東京に戻ってきた。

で、本日はどのような流れとなるか。

昨日の東京は

NY高値は超えられ逆張りショートをすれば
東京高値を抜けられて106円超えたのと同じような展開になりそうにも思える。

つまり、本日も東京勢はドル円をショートで入っていった。

アメリカ様の高値を超えずでだからドル円ショートである。

しかし、下にターゲットやプランがあるわけもなく
下を追うにも限界がある。

それでもいちおう売ってくる東京。

実需の需要もあるのかもしれない。

しかし、
昨日、今日においては
少なくともドル円大きく下落する可能性は低く。

もしもトレードするなら、106円だろうがなんだろうが
ドル円を買っていくしかないような状況である。

昨日のドル円の下落は、105円後半から
東京時間の105円割れまでの押そうとした売りだけで
結局、そこから一気に担ぎ上げられ106円代突入。

本日はさすがにニワトリトレードしてくるかと思え
本日もまた東京勢はドル円を売ってきている。
次は、106.95あたりを背中にしてのドル円ショートである。

これで本日ドル円が107円を超えたら、
それは東京勢のショートの失敗となる損切りドル円上昇の
燃料となったことは間違いなく

これまで生涯をかけて愛し続けてきたドル買い円売りの東京勢が
現在に限ってはその逆に走り損切りされる、
という切ないほどのバカさ加減を炸裂させることとなるだろう。

ドルを買わねばならないときに売る
円を売らねばならないときに買う。
ドルを売らねばならないときに買う
円を買わねばならないときに売る。

これぞ、東京スタイルである。

というこちらのトレードだが、

こんな東京スタイルにつきあってなどいられない。

ということで、とりあえず、
手始めに、ドル円買いでユーロドル売りを入れておく。


□ポジション
USD/JPY L 106.426
EUR/USD S 1.09179