日欧の楽観がNYにも派生するか

週末のヒラリー問題について、

NY勢は悲観と織り込みからか、一気に下落したが、

週が明けての東京、欧州、ロンドンは
それに対して楽観が支配している。

前週末はたしかに過剰反応した悲観もあったかもしれないが
週明けての反応は反応で、過度な楽観のように思える。

前週末はヒラリー問題で、1円あまりも下落した。

流動性が低い時間帯を突かれ、一気に下に巻き戻した
とかなんとか分析があるが、

そもそもヒラリー問題一点だけで、ドル円が下落したとは
自分は思わない。

もともとドル円は頭打ちの状況にあり、
下落する機会を探っていて、
ヒラリー問題が、格好のその口実にされたのだと思う。

過度な悲観であったどうかはともかく、
前週は値幅を1円削ったのに対して

本日は楽観が蔓延しつつあるとはいえ
その値は、下落の地点から1円も戻せていない。

過剰反応のみで下落したのだとすれば
その悲観が心配しすぎな結果であり、楽観が許される
というのなら、
ドル円のレートは、過剰反応する以前
そう、105円ミドルあたりまで全戻ししてもよいはずだ。

無論、日欧の戻しはその道半ばで
NYが最後の仕上げに全戻しに向かう、
という可能性もなくはない。

もしもそうなれば、もとのさやなので
こちらの相場観はすべてリセットとなる。

つまり、ドル円は106円107円…へと戻していく、
という話で、

ドル売り封印、という先週までに警戒していた
悪夢(自分としては)のトレーディングに逆戻りである。

ただ、ここまでのドル高の流れをみてみると
実は、日欧はそれを疑いドル売りしながらも
毎回毎回、ほぼNY単独で、
それを引き上げ高値を更新してきた結果が
先週までのドル高相場の実相である。

先月後半から今月にわたってのドル高相場は
極言すれば、ほぼNYオンリーで主導してきたにすぎない。

日欧が猜疑心にまみれたなか
NYのみがその疑いを粉砕するように上値を引き上げてきた。

それは、やがて日欧への洗脳のようなものとなり
ついには、日欧すらもドル高の相場観に転換してきた。

そういう作られたムードの中楽観の戻し、というかたちで
日欧がついに揃ってドル高方向に従ってきた。

さらに、本日、ここでもNYもドルロングならば
東京からNYまでオール・ロング状態である。

ここには、養分としての東京勢の犠牲も
NYに破れる欧州ロンドンという構図も存在しない。

為替は株とは異なる。

株ならば企業業績や好景気などにより
オール・ロングの、オール・ウィン、という関係も成り立つ。

しかし為替にそういうことはあり得ない。
為替はゼロサムゲームで、
誰かが儲けた裏には、必ず誰かが損失を出している。


為替でオール・ロングでオール・ウィンはありえない。

本日のドル円
東京、欧州、ロンドンとオール・ロング状態である。

ここでNYまでロングとなった場合、

誰がそこにショートし、刈られる養分となるのか。

こちらは現在、ドル円のショートで踏み上げらてはいるが

これ以上、狂った(?)上昇が繰り出される限りは
もう売り向かうつもりはない。

しかしだからといって、買いについて行く気も毛頭ない。

現在のドル円の他のベア筋も同じような気持ちではなかろうか。

そう、いまのドル円についてのベア筋は
少なくとも買いでついて行くともりはないはずだ。

現在の戻りゆくドル円に売りというカバーを掛けて
流動性を確保するショートはどんどんいなくなっている。

それで、これ以上の上昇が確保できるとするなら

どんな高値も買ってゆこうとする買い豚に対して
喜んで売りをぶつけてくる売り豚、
という構図が浮かんでくる。

そうなれば、いくところまでいったときには
下落しか選択肢がないように思う。