さすがに調子乗り過ぎ、ではないか…

ドル円は本日は完全に105円定着、といった様相で、

残された小ロットの105.30アッパーのショートは、
東京の戻り高値あたり105.27に置いた逆指値にかかりスクエアとなった。

その後、105.40さえも超え、前日高値を抜けてきたドル円だが、

これ以上はさすがにやりすぎではないか、と強く思いはじめている。

ポイントとなるのは、月足である。

現在のドル円の戻りは、もはやここまで大きな足を見なければならない状況となってきたが、

105.40あたりは2014年の1月あたりの高値であり、これを同年10月あたりに抜き去ることで、ドル円の上昇は加速し、125円以上という、狂気の(と個人的には思っている)レートに到達した。

その後、今年の円高トレンドとなるわけだが、

この105.40アッパーから驚異的な上昇をしめした2014年当時の押し安値が、100.70あたり、ここを守り、ドル円は上昇トレンドを描いたわけだが、

今年の円高トレンドは、その安値を割り込み、下落トレンドをより確実にした。

月足ベースの大きなトレンドとなり、話は2014年までさかのぼるが、

この当時の話をざっくり言えば

105.40あたりから100.70あたりの調整を経て、105.40あたりを抜いたドル円は、

125.85アッパーの天井をつけたのち、
今年、100.70あたりは下に割り込んだ。

125.80円から101円割れまでの下落は途中を一気に省略したものではあるが、

そもそも月足ベースで見たときに
105.40から125.85あたりまでの上昇も
またその逆の下落も、
一切の押しらしい押し、戻りらしい戻りもないままに
上昇と下降を描いたのであるから、
その値幅分がそのまま上昇と下落の値幅である。

これは今年のドル円の下落が強烈だった、というより
2014年秋からの上昇が、
それほどまでに極端でふざけた上昇だったと言うことであり
今年の下落は、そのふざけた上昇をもとに戻した
というだけにすぎない。

値幅がどれだけあろうが、
ここが上昇の値幅であり、
下落時もその値幅分削ればそうならざるを得ない。

要は大きなくくりからみれば、
2014年の105.40から125.80あたりの上昇こそが一本調子の狂った上昇であり、
今年の下落は、その調整に過ぎず、
当局がぎゃーすか騒ぐような
投機的なものでもなんでもない。

2014年からの不当なまでのドル円の上昇こそが投機的そのものの動きであり
当局が、投機的だなんだと騒ぐのならば

この過度な為替操作的な政策と、
それに乗っかってきたグリードどもの所行こそを
投機的と断罪すべきである。

ともかく、この狂った値幅をあえてわかりやすくするために
その値幅をあえて縮小し、
天井が110円くらいだったとしたら、
少しはわかりやすくもなる。

とてもシンプルに言えば、
105から101円になり、そこを押しとしして、105円を抜いてから110円にいったが、トップアウトして、101円を再び割ったが、また105円に戻した、という感じではあるが、101円を切ったという下落トレンドの継続から、最初の105円を再び抜くことは、ダウ理論としては下落トレンドの終焉を意味することになる、ということである。

この状況を現在に照らせば、月足で見たとき、
要するに2014年1月高値の105.44あたりを上抜けば、

ここから106円に行くとか107円に行くとか以前に、

現在の円高トレンドがほぼ否定され、ここからの再上昇は107円がどうこうどころではなく、ふたたび、120円だとか125円だとかいきかねない、ということとなる。

これはこちらの未熟さゆえに、見逃し、
最近気づいたことではあったが、

そもそもドル円の戻りにはしゃぎ(自分はまったくはしゃいでないが、その他大勢がはしゃぎまくりである)
その熱にさらされ
こちらも、ターゲットが106円とか107円とか、
のんきなことをほざいていたが、
現実は、そんなことをほざいている場合ではなく、

105.40アッパーがきわめて重要なラインとなっていた。

現在の大枠は、今のドル安の修正がいくらあろうとも、やはりドル安である。

日本は円安を享受していた数年前までは、貿易赤字国に転落していたが、
現在は貿易黒字国に復帰している。

どれだけ当局が為替操作を繰り返そうとしても、金利差がどうだといったところで、為替の要諦のひとつからして、
貿易黒字国の通貨が安くなりつづけることには限界がある。

そもそも当のアメリカがドル高を望んでいないなか、
ドル高を望むECBさえ、いくら金融操作を行ってもドイツの堅調さが、継続的なドル高ユーロ安に誘引することは難しくなっている。

イギリスのみはドル高に持ち込むことは成功したが、これはブレグジッドのような、波乱要因の追い風の賜物で、

欧州にせよ日本にせよ、そうした爆弾級のイベントが起こらない限りは、金融政策のみで、自国通貨安を誘引することには限界がある。

もちろん、ドル利上げ観測だとか、米債利回りの上昇だとか、大統領選挙だとかで、

ドル円が現在のレート界隈でふんばるレンジを続ける可能性はあろうが、

現状のテクニカル的に見て、105.40を明らかに超えていくのは難しいのではないかと考えた。

よってドル円は今一度のショートである。

この見立てが崩れた場合、もうドル円のショートはこれがついに最後となるかもしれないほど、実はいまはとても重要な局面である。


□ポジション
USD/JPY S 105.397 S 105.303