ダブルトップのメカニズム

巷で有名なチャートパターン、
ダブルトップが成功する場合の、自分なりの見方は以下である。

ダブルトップの逆、ダブルボトムでも同じようなものであるが、

ダブルトップで言えば、
初速が仕掛けであるかどうか、
という部分がダブルトップを成功するかどうかのポイントであると思う。

ダブルトップは、Mの形を描くが、その最初の斜め上昇のライン、
ここが仕掛けであることが、その後のダブルトップ成功の鍵となる。

初速が仕掛けの場合、最初の頂点で利食いのカバーが入る。

そこで、最初の斜め下落ラインが描かれる。

ここから次の上昇が起こるのだが、

最初の上昇は仕掛け、次の上昇はトレンドフォローを狙った提灯ロングである。

初速が仕掛けであるなら、

そもそも最初の頂点がピークで、初動で仕掛けた人間は、
すでにそこで利食いしている。

はなから初動が仕掛けであるため、その最初の頂点自体が
ロスカットその他で跳ね上がったとしても、そもそもまやかしに近いレートとなる。

二度目の上昇で参入してくるにわかロングは
その幻のレートを幻と思わずに買い上げていくが

そもそもひとつめの頂点自体が幻に近いレートであることから、

二度目の頂点は一つ目の頂点を越えることができない。

そこまでの上昇自体が、二度目の上昇でのにわかロング自らが
上げに上げたレートに過ぎないため、

二度目の上昇の初動のにわかロングを除けば

後半のにわかロンガーたちには、ほとんど利益がない。

二度目の上昇を狙っているにわかロンガーたちは

ここにさらに追随してくるにわかロンガーがいて
最初の頂点を抜いてくれることで、はじめて利益となるのだが

もともと仕掛けられて上昇した高値圏で、追随してくるにわかロングはいない。

いるとしたら、最初の頂点をさらに抜き去り

上昇トレンドが明確になって、参入しようと思っているくらいである。

ただ、ひとつめの頂点自体が仕掛けとロスカットで上昇したラインであるとすれば

ひとつめの頂点以上に上昇をさせるエネルギーは

さらなる仕掛け的な買いがないかぎり難しい。

ひとつめの頂点以上に仕掛けが奏功するためには

ひとつめの頂点の上にロスカットが置かれていることが重要となってくるが

ひとつめの頂点からの下落が仕掛けの利食いであるならば、

このひとつ目の頂点からの下落は

新規の売りよりも、利食いの売りの方が多くを占めていることとなり

新規ポジションの積み上げではなく、
ポジションの解消から生じている下落がメインであるかぎり

ひとつめの頂点より上に大量のロスカットが置かれようがない。

となれば、ひとつめの頂点を抜きにいく仕掛けは意味をなさない。

これにて、ひとつめの頂点をふたつめの頂点が越えられない状況が作られ

トレンドを加速する燃料は、

むしろ、二度目の上昇で買いに入ってきたにわかロングの損切りの方が有力となり、

つまり、ダブルトップのネックラインあたりが割れたときに

二度目の上昇を狙ったにわかロングの損切りが重なり

そこに新規のにわかショートが加わることで、下落が加速していくわけである。


その典型例だと思えるのが、本日のドル円である。

まず初動の104.75あたりまでの上昇は、
ロンドンアニマルが東京勢の高値104.69を刈るだけの仕掛けの買いであると思う。

当然、東京勢の高値上には東京勢はロスカットを置いているはずで

104.75までの上昇は、東京勢のロスカットの賜である。

これが104.75あたりで頭打ちとなったということは

これ以上の上昇エネルギーはなかった、ということである。

となると、ロンドンアニマルどもの利食いがはじまる。

初動の下落は、この利食いによって起こったのであると思う。

その後、ロンドンアニマルが最初に仕掛けた104.60あたりをバックにふたたび上昇。

これは、高値更新から押し目買いを狙ってくるにわかロングどもの買いである。

これでふたたび上昇し、104.75あたりを再度うかがう。

しかし、それより上には伸びない。

104.75から、104.60までの最初の下落は、
利食いによってなされてものであり、
カウンタートレーダーの新規の売りによってもたらされたものではないからである。
もちろん、新規のカウンタートレーダーの売りがまったくないとは言わないが

104.75から104.60までの下落にあたり、
新規の売りだけでそれがもたらされる力はない。

新規の売りに利食いの売り戻しがあってこそ、そこまでの下落があったのである。

104.60からの再上昇には

もちろん、押し目狙いのにわかロングに加え
104.75からの下落時に新規の売りをかけてきた逆張りショート勢の買い戻し
の二重の圧力があったとしても、

最初の頂点である104.75あたりが、
仕掛けによってもたらされてた幻のレートである限り
それを越えることは、なかなかに困難である。

ただ、二度目の上昇を試みるにわかロンガーは
もはや盲信に司会上目線になってしまっているはずで

何度もあきらめない買いを繰り出し続けることも多い。

それが現状の、何度も104.7アッパーで止まっている理由であるならば


その停滞が長引けば長引くほど

ドル円のは上へ上昇するよりも、こうした彼らロングの損切り
どんどんどんどん下へ貯まっていくことを意味し、

下値が決壊したときの下落は大きなものとなるだろう。

これこそまさにダブルトップの理想的な完成形である。

ということで、ドル円が104.6アッパーから戻りがきたとき、

104.73あたりで売りを追加した。

現在のダブルトップは、あくまでも5分足レベルの短期の揺り戻しにすぎないため

引き続き狙う利食いラインは、104.60アンダーあたりにはなるが、

今夜はやや、ドル円はショートに妙味があるような局面であるように思う。

□ポジション

USD/JPY S 104.720 S 104.736