たしかに日本は為替操作国であろう

少し前に米国が、
日本や中国などに対して、
為替操作国だ、というような話をしていたが、

いまさらながら思うと、まさにその通り、であるな、と思う。

アベノミクス以降、日銀が行ってきた金融政策は、
アメリカや欧州が行っていた量的緩和に似ている。
さらにマイナス金利などは欧州の焼き増しである。

そんな欧米を見てみると、
米はリーマンショックを極限とした金融危機で、多くの企業が破綻の危機にさらされていた。
欧州はギリシャ問題に端を発してのソブリンリスク。

まあ、どちらも欧米のグリードの末の自業自得ではあるが、
こうしたエリートどもの強欲によって疲弊した金融市場が実体経済に派生し、
まともな庶民に打撃が加えられるとするなら、
そのクラッシュを緩和するための、量的質的緩和も行なう意味も、まあ…わからなくはない。

翻り、我が国だが、
デフレだなんだはよい。
国家破綻的な金融危機ソブリンリスクも生じておらず、
食い止めねばならない危機もないわ、
むしろ最近では貿易黒字に転じた日本に対し、

国債をじゃぶじゃぶ買ったり、
官製相場で株を買い上げたり、
マイナス金利をどうのこうのしたり、

とにかく自国通貨の価値を
一部の輸出企業の利益のためだけ(?)に
これでもかこれでもか毀損し続ける政策は、

円売り介入をエンドレスで続けているのに等しく、

なんら強烈な危機的状況でもない状況でも
そんな緩和政策を繰り返し続ける中央銀行を有する国家が

アメリカに為替操作国と言われて当然である。

日本が2011年あたりからやり続けてきた緩和政策は

どこかの社会主義国家や新興国などの統制経済同然で、

資本主義の先進国が行うべき政策とは到底思えない。

国家的な意図で持って、公金のばらまきにより、一部の富裕層のみを、より豊かにしていただけ、
というのが、アベノミクスの実相である、と個人的には思っているが、

そんな政策を、継続しているからこそ円安がもたらされているのだから、

いまの104円あたりというのも
本来的なドル円の価値からすれば、
まだまだ相当に円安ということになる。

いまはしつこいくらいのドル高相場でドル円の動きがわかりにくくはなってはいるが、

いまのドル円の戻りが、ドル円暴落の最後の戻り高値になるように思う。

105円でも107円でもなんでもいいが、

それがドル円の最後の花火であろうと思う。