ドル円8連騰! ドルの異常(?)な上昇のなか、ユーロだけが助かるわけがない

ドル円は怒濤の上昇で、本日で実に8連騰である。
これは今年初ではないか、と思う。

今年、5円以上レベルのドル円の戻しは何度かあったが
それでもどこかで陰線の日もあり
ここまで日足レベルでの陰線をまったくつくらない連続陽線は
ちょっと異常である。

まあいまが異常かどうかは、
今後ドル円がまだまだ上昇すれば、これでも安すぎたということになり、
相場次第ではあるのだが…。

ともかく、この8営業日は
どの日もどこでロングしようが最終的に勝つ、
といったような相場で、

極端な話、下手にチャートを見た方が負け、
何も考えず、ドル円ロングで、はい放置!
とした初心者こそが連戦連勝する
というような相場である。

これでデイトレードとして連日連勝している初心者がいれば、
デイトレーダーとして専業宣言!
などと錯覚(?)する者さえ現れかねない勢いである。

初心者でなくとも、そもそも遺伝子の随まで
ドル円ロング大好きな東京勢そのものも
うはうはであったころだろう。

しかし、そんな甘いものだろうか…
と、いまだに個人的には懐疑的である。

とにかく、この勢いは雇用統計まで終わりそうもないのか…。

ドル円ロングに不快感しか感じない自分としては、うんざりする日々である。

世のアナリスト諸氏も、最近は円安の相場観を語り出す者も増えてきており
円安鉄板! のような雰囲気が強まりつつある10月である。

現在のドル高を説明するために
皆々様方は、よくもまあ様々な専門的な話を持ち出せるものである。

経済指標の好調さや利上げがどうのこうのだとかはいつものながらで
下半期開始にあたっての新規の投資買いがどうとか、
OPECの非公式減産合意だとか、年金の株買い、だとか、
M&Aがどうだとか、そしてしまいには、
いきなり米国MMFの新規制実施にともなうドル需要、
などと分析する者さえ現れる。

たしかに新規制の実施は今月半ばからのようだし
MMF新規制の実施でドル需要が増す、というのは
なんとなく理解はできる。

しかし、いまになっていきなりこのネタをもってきて
ドルの連騰相場を説明する根拠としては強引すぎる。

こういう方々に、いつもながら主張したいのは(まあ無意味ながら)
OPECでも利上げでも新規投資でも年金でもMMFでもなんでもいいが
今月になって、いまのドル高時になって
後出しじゃんけんみたいに、だからドル高なのです、びし!
と、どやるのではなく、
先月先々月から、今月のドル高を予言して見せろ、ということである。

ともかく、いまドル高だといって
なんでもかんでもドル高になる根拠を引っ張り出し、
今週の急激な連騰を無理矢理に説明する、というのもどうか思う。

かつてどこかの専門家が語っておられたが
世のアナリストは、円高(ドル安)でも円安(円高)でも

その根拠を即座に専門的観点からいくつも取り上げることができるそうである。

いまは相場はドル高なので、その根拠を
様々なアナリストが、突然、引っ張り出しているのだろう。

いずれにせよ、ここまで連日連騰状態のドル円をみるにつけ
ドル高相場が進行しているのだけは、誰が見てもわかる。

こちらとしては、
ドル円については、もはや相手にする気はなく(ドル円ロングばかりしたくないので)、
どうせドルを買わねばならないなら、その他ドルストレートの方が百倍ましだと
そうした通貨に目を向け、特に、ユーロドルに注目していた。

とはいえ、どのみちいまのドル買いには過熱感しか感じられないので
本日はトレードする気はなかったが、
ドル円が変わらぬ上昇を続け、
その他ドルストレートが下落方向で進むなか
ユーロドルのみがむやみに踏ん張っていることに違和感を覚え、注目はしていた。


で、結局、米時間から、ちょっとショートを試みてしまった。

1.118アンダーからショートしていたが、

0時に分足レベルではやや大きめの上げがきて、1.186まで戻し損切り

しかしながら、1.12に乗せるどころか、
1.119さえ越えられず、急速にレートを下げることから
ショートを持ち直した。

以後は順当に落ち始め、
戻りで売り増し、下がれば利食いという
裁量売買の回転をかけながら
ある程度のところで、利食い指値に切り替えたら、
0:45ごろから急速に下値を切り下げ、1.115を割ったところで
1.116〜1.115の間に置いていた指値利食いが一気にかかり
ほとんどのポジションが利食いとなった。

ユーロのこれまでの踏ん張りは
数日前にECBが量的緩和の縮小を検討、いわゆるテーパリングがあるとかなんとか
関係者(って誰だよ…)のリーク的な報道から
突如、ユーロドルが1.11ミドルから1.124アンダーまで
といった具合に、いきなりユーロが跳ね上がったことに端を発している。

その後はドル円を筆頭にドル買いが起こるなかで
ユーロは売られずらく、結果、ユーロドルは大きな値動きが起こせず
なんだかドル買いユーロ買いの流れが続いていた。

本日、20:30にECBの議事録が発表され、テーパリングの協議や検討の兆候などなかった、と判明した頃から
ユーロドルは下落を再開させつつも、やはりここ数日のユーロの堅調さが尾を引き
下落も緩慢であった。

ここ数日の個人的な印象は、このままドル高が進行するならば
あらゆるドルストレートがある種わかりやすい下落を続けるなか、
ユーロドルのみが下落から助かるわけがない、と考えていた。
ユーロが下がらない根拠も、リークちっくな、テーパリング報道のみなのである。

それも今夜の議事録発表で、はがれ落ちた。

しかし下落は相変わらず緩慢。

この段階で、状況は市場の理解の浸透と相場にタイムラグが起こっていると思った。

本日はトレードする気は皆無だったが
そうしたチャンスがあるのならば、トレードせざるをえない。

という結果が本日の勝負に至るまでの顛末である。

0:45からの流れに話を戻すと、

ユーロドルの一気の下落にあわせるように、一気に上昇したドル円
結局、104.16まで伸び、そこから103.86までと急速に値を下げている。

それに対してユーロドルも、1.174から1.147あたりまで一気に値を下げた後は
そこから一気に1.1165あたりまで値を上げている。

この短期的なドル買いやドル売りがなんなのかはよくわからないが、
もはやユーロドルのショートポジションは軽いので
今夜はこれを放置しておく。

ドル円がいきなり20pips以上下げようが
ユーロドルが20pips上げようが、

現在の過熱感満載のドル買い祭りが今夜、一気に反転する根拠は薄い。

結局、趨勢の決するのは明日の雇用統計以後であろうから

まあ、それまでにはポジションをスクエアにするかもしれないが

少なくとも明日の晩までは、軽々にドル安相場復帰、
という見立ては、こちらとしても立てようがない。

とはいえ、まあとりあえず、
ドル円が104.3アッパーまで越えなかったことは、よかった。


□ポジション
EUR/USD S 1.11832