断固たる措置で円買い介入をしたらどうですか

週明けから、ドル円は一本調子での上げが進んでいる。

昨日に2円、本日も2円で、たったの2日で4円以上ものドル円の上昇である。

これを投機的と言わないのだろうか。

たしかに今年年初の120円からここまでの下落は
“投機的”と言えるまでに大きなものではあったが

ただ、1月末頃、日銀がそこにマイナス金利導入などといって
直近安値からはおよそ6円。
発表からは3円も4円も持ち上げ
121.6円あたりまでは突き進ませたのは、
十分に投機的である。
その後、それは倍返しほど突き落とされたが
この下落は投機的で、マイナス金利での吹き上げは投機的ではないのか。

現下のドル円の上昇は、欧米の株高というよりも
参院選での自民党の勝利による
さらなる金融緩和を大いに期待しての株高円安の期待であろうと思う。

そもそも好景気で株安ということもなかなかないかもしれないが
株高だからといって、好景気とも言えない、
というか、現在はそれこそが成立するとは限らない。

現在の金融市場がまさにそれである。

たとえるなら、健康診断で良好な数値は
健全な肉体があってこそ正しくもたらされようが

例えば、非合法な薬物摂取のしすぎなどで
身体がぼろぼろの人間が、
健康診断の前にドーピングのように
体内に別の薬物(健康診断を良好に見せる薬など)を投入し
血液検査他各数値を良好なものに引き上げ
健康診断自体は健康、と判定させることができたとしても、
無論、その人間が健康であるはずがない。

現在の株高は、まさにこうしたようなやり方で
金融政策によって、無理矢理株高を作り出し
それでもって好景気である、と言い張っているような状況である。

もちろん、企業業績で株は買われたりはしよう
市況を見れば、どこかの大企業が何千人の人員削減をする
などという内容がでれば、それが好感され、株高となったりする。

人員削減がなされるとすれば、その削減する人たちは
生活を奪われる、ということである。

企業の業績は上がるかもしれない。
しかし、そういうときには
個々の人生や生活は置き去りにされる。

そして、そういう数字の情報からのみで、
世界の事象をわかった気になり、
そうした企業の株を買ったり売ったりするクズどもは、より豊かになる。

そんな反吐が出そうな内容が日々繰り返されるのが現在の株式金融相場である。

そうしたクズどもをより肥え太らせるかのように
現在、世界中が行っている緩和策や通貨安政策は
すべて健康診断をクリアするために
ドーピングを行い各数値を健全なものに引き上げているのみで
本来の実体経済はなんら健全とはほど遠いものであると思う。

投資家どもは肥え太るかもしれないが
投資に何の関係もない庶民達はやせ細る。

それが現在の世界中の金融政策であると思う。

そういった状況から
現在、株が買われたり円が売られたりしているのは
もろに、日本当局のドーピングを期待しての投機買いで
これこそ投機そのものである。

円が買われ株が下がっていったことは
金融政策にしか頼ってこなかった
日本の脆弱さがいよいよ露呈したに過ぎず
株が売られ、円が買われるのは
ある意味、ありうべき形であるに等しく
なんら投機的であるとは思えない。

日本当局が、投機的な動きに断固たる措置を取る
というのならば、今こそが投機的な相場そのものである。

ならば、現在の投機的な円売りに対抗すべく
円買いの為替介入を行い、ドル円を100円割れに持っていけ
と、皮肉全開に叫びたい今日この頃である。

無論、日本当局は天地がひっくり返ろうが決してそんなことはしない。

なぜなら、日本当局こそが
現在の投機的な株買い円売りを誘発するような
投機的な政策を行い続けているからである。

胴元がイカサマをしているのだから
まっとうに儲けようとしているギャンブラーには制裁を食らわせるし
そのインチキに乗って便乗してくれる腐れギャンブラーたちには
目をつぶるのである。