株価のクラッシュは近づいているように思う

リーマンショック以降、上昇に上昇を重ねる米株他、世界中の株価(中国除く)。

かれこれ何年もの間続いている
このいかがわしい上昇は、すべて当局がばらまきにばらまいた緩和策の結果である。

これは決して実体経済が回復したからではない、と思っている。

日本についてもそうだが、
当局がこのようなじゃぶじゃぶの緩和策が行えるのも
ひとりひとりの国民の税収のおかげである。

それを好き放題使い、金融村の人間だけを潤し、
経済が復活なんだと信じ
寝言をほざいている世界中の為政者や金融当局が後悔する日が
やがて訪れると思う。

というか、訪れてほしいと心から願う。

現在、肥大化の極限に至った世界の金融市場は
もはや実体経済とはあきらかに乖離している。

がゆえに、株が上昇し、金融市場的に景気回復が示されたところで
どのみち実際の庶民らはその恩恵をほとんど実感することはできない。

これは日本に限らず、世界の人々に聞いても同じだと思う。

米株が史上最高値を更新した(異常である…)
欧州、日本の株価が堅調

では米国や欧州、日本の金融にまったく関係していない人々に聞いてみると良い。

景気回復を実感していますか、と。

大企業の人々は違うかもしれないが、
これは現在の金融市場に連関しているがゆえに
そのおこぼれをいただき景気回復(?)を実感しているに過ぎない。

ただ、彼らが景気回復を実感しているとするなら、
彼らも彼らで、欲のない方々だ、ということになる。

実は、こうした大企業の従業員、といった
庶民エリートにおいても、実は金融市場の回復のメリットを
享受しきれてはいない。

金融市場に影響を大いに受ける大企業、それに関係する従業員としての
いわゆる“一般庶民”は景気回復の実感を得ている、
という話をしているとすれば、それも錯覚である。

いま金融市場が肥大化し、これと実体経済が乖離し格差が進んでいるとすれば

こうした彼らは、それまでの給与の数倍ないしは数十倍給与をもらってもいいはずである。

これまでの給与が30万円ならば、それが60万〜300万円まで上昇すれば

彼らとて金融市場の肥大化の回復によるメリットを享受している、ということになる。

それがないということは、いま恵まれている、と思われている彼らさえ
ある意味で“搾取”されているのである。

では金融市場の拡大ととともに真にメリットを享受できている人々とは誰か
となると、株主(投資家)および、金融市場にかかわる証券会社金融会社の従業員
および大企業に類する組織の経営者である。

局限すれば、該当するのは彼らのみである。

そんな彼らが現在の金融市場の上げ下げに一喜一憂し
それがバジェットをかせげるときに、それに関わる者(大企業の従業員など)に、
ほんのわずかなおこぼれを与える。

というのが、現在の金融市場の実相である。

そこで、一般の人々はまったくの置き去りである。

ただ、こうした金融市場の乖離については、
唯一救いを見いだせる点がある。

それは

今後、今クラッシュやバブルの崩壊が起こったとき、
金融村や当局はギャアギャア騒ぐかもしれないが

その影響は、一般の庶民にとっては軽微である、ということである。

もともと彼ら(金融村村民)と彼ら(それ以外)は乖離しているのだから。

そもそもリーマンショックでの金融不安がどうのこうの
というところまで立ち返ってみても

実は、一般庶民にとってはそれほど多くの影響を受けていたとは思わない。

倒産件数が増しただとか、失業者があふれただとか

そうしたことがあったとしも

それらは金融市場のバブルに連関する
企業体の毀損にかかわる経営者、従業員が巻き込まれたにすぎず

それに関係しないところは、大企業であったとしても
実は政府当局ですら、影響はなかったとさえ思える。

自身の実感は、実体経済
資本主義の膨張とともにゆるやかに上昇しているのみで

株価だかなんだかの影響などそもそも受けていないとさえ思っている。

資本主義が崩壊しない限り
もともと株が上がろうが下がろうが、実体経済は膨張し続ける。

それが資本主義である。

ブラックマンデーがあろうがリーマンショックがあろうが
実体経済は資本主義がなくならないかぎり
宿命としてゆるやかに膨張し続けているのである。

テクニカル的なたとえで言えば

実体経済は2000日単純移動平均線、のようなもので
それはゆるやかに進行しているのみで

金融市場やそれにかかわる企業体などの右往左往は

20日単純移動平均線、のようなものであるとさえ思える。

さらに言えば

この2つの単純移動平均線は、同一の市場ですらない。

がゆえに、金融市場20SMAが右往左往していても
実体経済2000SMAはほとんど影響を受けていないとさえ思える。

似ているが比なるもの。

通貨でたとえれば、金融村はポンド円
実体経済はドルスイスフラン

のような感じで

むろん、ポンド円はポンドドル、ドル円の掛け合わせで
ドルの影響を受けるがゆえに
ドルスイスフランも影響を受けるが

その間接間接のつながりのなかで

はたしてドルスイスフランとポンド円に相関性を見いだせるか
というレベルのような話である。

金融市場と実体経済の関係性は、個人的にはこのくらいのものであり
このたとえのほうが、はるかに関連性があると思えるほどである。

そういう意味で実は今回の話
株価がクラッシュするだとか、金融市場が崩壊するだとかいう話は

一般の庶民にしてみれば、勝手にやってろ、というレベルの話ではある。

そういう意味でこういうブログでこんな話をするのはある程度の意義を感じるが

一般の感覚からすれば、こんな話は無意味であり

日々を生活をひたむきに生きている一般の人々にとっては
クソみたいな話である。

がゆえに現在の金融市場がクラッシュしようとも
別に世界は何も変わらない。

それでも金融市場がクラッシュすべきだと思うのは

それにかかわる人々が、
それにかかわるつづけられる限り、

一般の人々を不幸に導く、と思うからである。