株価を為替のせいにする愚行

現在の株安は、欧米株の下落に端を発し、
ただ自立的に下落しているだけであると、個人的には思っている。

その下落に追われ、円が買われている。

為替はヌエのような存在で、独自に値幅を形成することなどないと、個人的には思っている。

ファンダメンタルズから生じる、株や債権、商品、そうしたメインストリームの値動きや利回りに影響を受け形成されるのが
為替であると思う。

つまり、為替は国力の均衡関係で生成する相場であり、その国力の均衡は、各経済指標や金利動向にも基づこうが、そこから決定される実体的な金融市場(ちとおかしな表現ながら)の反映から値が動くのが為替であり、
そのレートが株や債権に影響を与えるどころか、実際はそれらに影響を受けているのが為替であって
為替が、他に影響を与えるべく独自にレートを作ることなどない、と個人には思っている。

現下、円高に進んでいるとすれば、それはすなわち
株価や債権の影響を受け、円が買われているのみである、と思う。

しかし…

どこぞのアナライザーが本日分析する。
円高を嫌気して株安、と。

何度も繰り返すが、為替は独自に値幅が形成されるわけではない。
株下がっているから円高なだけである、と個人的には思う。

この円高が是正されるには、独自に(!)形成されている株安が解消されなければならない。

しかし、円高だから株安、とアナライズするどこかの無責任者がいる。

こんなアナライズをするから、投資家は混乱するのである。

それで、株の投資家が為替をみたりして
円高だ、株を売ろうと思うのか。

であるとすれば、株安はもっと進むはずである。

ニワトリが先か卵が先か、という議論ではない。

相場において、ニワトリは完全に株である。

株が自律的に下落している
だから、為替が円高に振れるのである(と個人的には思う)。

それなのに、現在の株安を為替のせいする輩がいる。

そんなことが成立するなら、株はどこまでも下落するのみである。

為替は、株安(または債券高)で円高になっているだけにすぎないと思う(個人的には)。

株の映し鏡が円高であるにもかかわらず、
為替を基準に株を売買するなら、自己増殖でさらなる株安に進むのみである。

為替は株安から影響を受けている。
それなのに、円高で株安とか言っていると

株安→円高円高だから株安(これはフェイク)
→しかし、それが成立するなら、その株安で円高
円高だから株安(これはフェイク)

となり、フェイクを無視すれば、株は無限に下がるしかない。

株安→円高→それを見て株安→株安から円高
円高を見て株安→以下同

そんなロジックが通用するなら、株はどこまでも下がるのみである。

円高だから株安、これはただ適当に現象説明をしているだけであり、無意味なアナライズであると思う。

為替が先んじて、レートが円高に刻み、それに追随して株が下がる、という現象を、その直近高値から下に向けて、確認するなり、観察するなりしてるならまだしも、

そんなことはいっさいしているわけはなく、

円高のチャートと株安のチャートを並べてみて、同時の下落から、為替が先で株が後、と感覚的に決定しているだけ、というのが実際であると思う。

こんな無責任なアナライズが本日もまた市場を跋扈している。

こんなアナライズで報酬がもらえるならば、
彼らが本当にうらやましい。