時間帯別傾向
為替における時間帯の傾向をここで述べておきたい。
これは個人的な所見につき、大いに偏見が混じっている。
□9:00〜15:00 東京時間
この時間は、基本、ニワトリトレード。
ニューヨーク時間の株価や為替の状況に応じて、
ただ追随するだけの脊髄反射トレードとなる。
特に9:00〜11:00あたりは、その傾向が顕著で
ニューヨークの株が下げていば、ショート
上げていれば、ロング、と
ただただニューヨーク様に追随する順張りトレードが展開される。
市場が有機体であると仮定すると、
それが脊髄反射同然の、単細胞動物と化す瞬間を見たければ
東京時間を見ればよい。
為替に限らず、株も、債権も、なんでもかんでも、そんな感じである。
このニワトリもちょっとマイナーなパターンもあり、
例えば米株がマイナスで引けても、米時間の途中で新安値が作られたところから、反転気味に進んでクローズした場合、
その米国様のボトムを尊重する戻りの延長線上のロング、といったようなニワトリ追随もする。
で、これが次なる再下落のための戻り売りのためのいいポイントを作ってくれたりするものだから、
東京勢はどれだけ養分なのだ、という感じである。
とはいえ、どちらにしても、東京勢のトレードは高安を更新するまでの気概はない
あくまでレンジ。
ただし、ドル円上げ、といった円売り方向での引き継ぎができるときは
俄然ハリキッタ盲従となり、
そのはしゃぎっぷりが、結果、新値を作ると言うこともある。
基本、東京勢は円売りドル買いが大好物である。
東京時間は実需の買い切り玉も多いので、いつもバカみたいにドル円を買うということも、まあ、仕方ない部分もある。
というか、本来、為替はそのようなものであるべきで、その意味では、ニワトリニワトリ、と揶揄したところで、この時間帯が、もっともまともな為替市場が形成されている、といえなくもなくもなくもない。
とはいえ、ニワトリはニワトリ。
現在の投機全開の為替市場において、東京タイムは、相場の方向性を占えるようなことはほぼなく、あってもなくてもよい時間枠である。
ここ数年、日銀の無茶苦茶な金融政策で、一時、ドル円の方向性をリードしていたようなところもあるが、
これは為替の歴史で、きわめてレアケースの事態として、今後の歴史に刻まれるであろう。あだ花的な、国益毀損を行った黒歴史として…というのは、個人的な見解である。
□14:00〜15:00(夏時間) ロンドンまでの移行期間のある意味魔界タイム
この時間は、それまで進んでいた方向の真逆に走ることが多い。
どんな相場状況であっても、とにかくカウンターをかけてくる
亜空間の時間帯である。
この時間帯のグリードの目的は、
それは東京勢が作った高安を刈り行くためである。
基本的には、材料など無視で、
ただただ、東京時間に作られた方向のカウンターをあてにいくことが多い。
まあ、いってみれば、欧州時間がはじまる前の特攻隊長が出没するのが
この時間帯である。
東京勢を刈った後、トレンドが継続するようなら
その後の欧州時間がそれを引き継ぎ
単なるカウンターで終わりそうならば
欧州勢は、また違ったトレードを展開させる。
□16:00〜 欧州時間
このあたりからロンドンアニマルが本格的に参入してくる。
欧州勢は、東京勢を養分とすることで増幅するが
では、東京勢の方向のカウンターをはるか
というとそうではなく、
実は東京勢のトレンド方向を増幅させることの方が多い。
これでこそ、東京勢を刈れるのである。
なぜか。
東京勢は一定のトレンド(例えドル円の大幅高)
などが発生させても
まず間違いなく、どこかのあたりで、逆張りをしていく。
これはトレンドを作れずレンジディールが本能の東京勢の特徴である。
一端逆張りされる方向を、あえて順張りで増幅させることで
東京勢を養分にできるのである。
東京勢の作った高安から逆張りしてる者たちが置いている逆指値をつけにいくのである。
もちろん、14:00-15:00あたるの特効隊長のカウンターを参照にもする。
□20:00〜 ニューヨーク
欧州時間から米時間へ移行するにあたって、20:00-21:00あたりから、カウンター的な魔界時間もあるが、これは欧州よりはまっとうである。
ここでのカウンターはそのあとの時間も継続することも多く、要は米国様が作り出すこれからのトレンドのスタートとなることが多い。
米国のトレンド方向が欧州時間と同じであればカウンターはかからず、トレンドは増幅するのみで、
同じでなければ、それはカウンターのようなものとはなるが、結局はそれまでの相場を反転させているにすぎない。
その意味で、この序盤の動きはカウンター、というのはふさわしくないかもしれない。
そしてここから21:00、22:00と時を経るにつれて、米国勢が本格的に参入する。
この時間帯は、投機まるだし(特に欧州)のやりすぎた動物同然のショートやロングを刈りに
いくこともあるが、基本的にはそういったことには興味はなく
進むは自らの道だけである。
形としては、ニワトリトレードを行う東京に重なることになり
東京勢がつけた安値や高値をトレンド方向で割っていくことがメインとなるが
それすら基本、本筋からはあまり関係はなく
ただ、自らの道を進みゆくのみである。
例えば、欧州時間が下落トレンドである場合、
米国時間で
トレンドが下落ならそれを増幅させ
上昇のならこれまでのトレンドをひっくり返し、上昇させるのみである。
経済指標などで、トレンドが反転することもあるが
あくまでもそれは結果論に過ぎない。
米国勢は、基本、前日からのトレンドを増幅させることが基本だが
東京勢は、米国勢が作ったトレンドに追随しながらも
結局レンジディール、という愚かな選択をすることとは異なり
とにかくトレンドを追っていく
東京や欧州が米勢に刈られているのは結果論に過ぎない。
米国勢は、ただまだ自身のトレンドを追い、それを増幅させているだけである。
ただし、そのトレンド増幅が失敗すれば相場は反転するが、
この時間帯での反転は、ようやく本当の反転となることが多い。
東京勢、欧州勢と、いろいろ値動きはさせるが、結局、トレンド反転までは起こせておらず、
結局、本当のトレンド転換が起こるのは、ほぼこの時間帯である。
そして、この米国時間に作られた方向性、または株価やなんやらを参照しながら、
また翌営業日から東京勢は脊髄反射のニワトリトレードを繰り返し、欧州、米国の養分となる、新たな1日がはじまる、という次第である。