じりじりとユーロ売りが続く

1.15手前から始まったノボトニー相場は、
結果、ドラギ総裁の追加緩和期待から決定的となり、

あらゆるサポートを割り込んだことで、
ついに、1.046からの反発はトレンド転換ではなく
調整、であることが決定づけられるような状況まできた。

日米欧の株価は相も変わらず異常なバブル価格から高止まりし
天井圏でレンジを繰り返しているような状況である。

人はいつになったら学ぶのか。
バブルの話である。
今回のバブルはじりじりとした上昇で
しかも期間もかなりの期間あることから、一見バブルに見えがたいが
個人的に思うのは、今回のバブルは人類史上最悪のバブルである。
これが弾けたとき、世界経済がどのようになるかは想像もつかない。

とにもかくにもユーロドルである。
3月あたりから8ヶ月あまりも
ギリシャがなんとかいいながらも反転を繰り返し
ショートポジションをさんざん踏みあげておいて、これである。

当時、ユーロドルショートが切らされまくった日々はなんだったんだ
と心からの怒りを覚える。

当時、私はユーロドルを相当大量に売っていた
ユーロドルの下落を今以上に確信していたからである。
それがことごとくショートカバーとやらで飛ばされ続けた。

それがいま再びユーロドルが下落を再開したからといって
当時ほどの強烈なユーロドル売りの確信はわかない。

今年の春からこれまで、ほとんどのユーロショートを張っていた人たちも
同じ気持ちなのではないか、と思う。

そうした私やあなたがたの感覚は正しいのではないか、と思う。

人間の直感は、後になると8割方は正しい、という話を聞いたことがある。

当時のユーロドルの下落は直感ではなく理屈的に確信があった、
しかし、それが裏切られた。ここに直感の入る余地はなかった。

理性で狙いそのまま負けた。

で、いまであるが、理性で考えると確かにユーロは下落するように思える
しかし直感的にそこに違和感を覚える。

相場分析に直感、などというともはや分析でも何でもなくなってくるが、
どう考えてもぴんとこない。

テクニカル的には確実に下落波形を描いている。

しかしながら、12月に追加緩和を行う、
ドルが利上げを行う
というその思惑のみで、今年の春先にさえ届かなかったパリティを目指すというのか。

追加緩和はたしかにユーロの価値を毀損する。

しかし、ユーロの価値を毀損するレベルで言えば
今年のギリシャ危機の方が、それがフィクションであったとしても
遙かに大きいように思える。

その水準で届けなかったラインを、たかだか2ヶ月あまりで割れるのか。
私にはぴんとこない。

ユーロが結局崩壊するのかしないのかはともかく(私はしないと思っているが)
真に投機的な腐れ通貨は、
とにもかくにも、ポンドなどではなく、ユーロである、と思う。

テクニカル的にみて、今年ほとんどの期間のユーロドルの戻りが
調整であったなら、再びの下落が開始されたととき、
そのターゲットは、パリティどころか
0.8あたりまで下落する、という計算になる。

たしかに史上最安値を割り込むまで進むかどうかはともかく
いまのユーロドルにはもはや救いがまったく見いだせない状態ではある。

ドル円はそのユーロドルの下落の流れから大きく戻す結果となったが、
ドルの上昇の意味のなさが明らかとなれば、
ドル円もやがては下落する。

ドルの下落、ユーロの下落

そこから導き出される大きな下落を受ける可能性の最も高い通貨は
ユーロ円、とはなる。

ドル円が愚かな高止まりをしている限り
円ベースで影響を受けるユーロ円までもが市場最安値を叩くことはないように
も見えるが、

ユーロドルが0.8などいったとき、
ドル円が110円であったとしてもその価格は88円で
十分市場最安値圏である。

1.14、1.13、、、1,1割れと、
ユーロの反転を信じ続けてきたが、
いよいよユーロドルについては理性からは完全に見切った。
1.14からすれば700pipsも下ってはんだんするなど遅すぎることこの上ないが
ここから0.8まで下落するなら、その下落幅は3400pipsである。

まだまだ間に合うであろう。

ドル円は買う気がいまださらさら起きないが
ユーロドルのロングスタンスはいい加減やめたくなってきた。

というのがいまの見立てではある。

しかし、ここからはまだまだ個人的なバイアスで見てみたい。

どこまでも落ちていくようなユーロドルであるが、
この下落がまたもどこかでおかしな反転を見せはじめる可能性はある。

ひとつは12月の追加緩和期待の通過による巻き戻し
もう一つはドルの利上げから起こるであろう
ドルの下落と株価の暴落である。

もう一点、ギリシャ危機とやらでさんざんあおって起きながらも
下落が1.04あたりでとまった現実もある。

それまでの間にどこまでユーロドルは下を追えるか。

ユーロドルは10月からの下落でかなり下まで落ちてきた
ユーロドルの反転からロングに転向した者どもの損切りを巻き込み
かなりの生き血をすすったことであろう。

まずは2015年3月の安値1.046あたりを割れるかどうかである。
ここが割られると、もはやユーロドルの下げトレンドは決定的というか
もう決定的なのだが
より完成となり、あとはパリティ割れを目指した片道切符である。

しかしながら、
いまとなってはかなり昔のこととなるが、2008年7月頃
1.6を瞬間超えたユーロドルは
利上げの瞬間に天井をつけた。
当時、金利は4%あまりあった。

トリシエ総裁は、その折「私はバイアスは持たない」と発言し
そこからユーロは一気に反転をはじめた。

ちなみに私はその瞬間を見ていた。

この当時はユーロドルは2を超えるだなんだとほざいていた金融機関も数多くあったが
終わってみれば、いまのようなザマである。

その意味で、ユーロドルがこのまま下落するのかについては
まだ疑っている自分がいる。

ほぼ90%ユーロドルは下落するように思えるが
のこり10%の直感から

私はやはりユーロドルは売らず、買っていきたい。