ユーロドルは極限まで売り込まれ、ドル円はレンジの上限までぶちあたる

10/15から開始された、ノボトニー相場によるユーロドルの下落は
ドラギ総裁のフィニッシュで極限まで売り込まれた。

ECBの追加緩和への思惑、ということであるが、
その理由を追えば、物価安という要因のみからの
追加(!)緩和期待である。

ECBはすでに緩和政策を大きく採っている。

そんななか、物価安なる要因のみで、金利引き下げなど、
正当な金融政策でない(というかゼロ金利同然なのでそれはすでに行えないが)、
市場に通貨をだぶつかせるのみの、さらなる追加緩和を行うならば、
もはや世界中は通貨でだぶつき、世界経済においても
通貨という人類が発明した経済の流通はすべて意味をなさなくなる。

その意味で、ECBを構成する委員が人間であるならば
12月であろうがいつであろうが、追加緩和は確実に行われないと個人的には思う。

もちろん、12月にECBが追加緩和を行い
ユーロドルがさらなる下値を追う、という事態になるかもしれないが
そうなれば、もはや金融の世界は、後戻りできない
地獄への片道切符を得たに等しく
その後に起こる金融市場の混乱は
世界経済の根本を完全に破壊するまでに至るであろう。

まあ、それはユーロ圏のみの問題であるとするなら
ユーロは最終、制御できないほどのユーロ高となり
欧州圏の金融市場はすべて壊滅するだろう。
その先にあるのは、欧州得意の戦争かもしれない。
そして、欧州は滅ぶ。

いずれにしても、市場は
そうした世界経済(ユーロ世界そのもの)の破滅へのチェックとなる
チェックメイト願望を行う、というというロジックを
トレンド発生という欲求から無理に採用し
ユーロドルの売りという選択に走った。

そして、そんなユーロドルを売りたいという投機筋の欲求から
相対するドル買いで上り詰めたのがドル円である。

金融当局の世界経済破滅への選択においては
実のところ、もはや為替や株価など埒外
もっと大枠での経済破壊行為である。

それに便乗しているだけなのが、為替相場であるだけなので
そう考えると、まあ為替相場などかわいいものである。

いずれにせよ、短期的には
ドル円は、118円からこっち、
なんと、6営業日連続陽線という上昇を演じ
結果、121円まで伺うところまでの上昇である。

118円からの上昇につき、およそ3円あまりもの上昇と相成った。
ドル円ショートで戦った、こっちとしては完全敗北である。

で、ここからであるが、日足200日線でぶつかり
121円手前で下落を開始してきたドル円である。

本日は日経平均が400円近く上昇したようだが、
それでもドル円は上値を追わない。

結局、ドル円をレンジ上限に持ち上げるため
日経が株高なら上昇とか、ユーロドルが売られるからドル買いとか
そういう都合のいいところばかり利用して上昇をしてきただけである。

で、さらにここからであるが、
現在のレンジを確認するためには
NY時間を通過する必要があろう。

もはやドル円は短期的には明確なアップトレンドを築いてしまっている。
そこを否定するためには、現在のドル円がレンジ内で収まる証
簡単な基準でいえば、陰線で日足が終わる必要があろう。

ドル円が本日陰線で引ければ、
レンジの継続が確認され、来週からのショートシナリオが描ける。

どちらにしても、来週、ドル円はさすがに大きく下落すると思われる。
理由は、月末の日銀の追加緩和の思惑からの失望である。

日銀は追加緩和は行わないと思う。
これ以上、円を市場にだぶつかせることは
日本国にとって危険以外のなにものでもない。

となれば、ドル円は10月末から下落を開始するはずである。
すなわち、11月から示現するのは円高相場である。

その“終わりのはじまり”までドル円がどう動くかである。
さらなるドル円高を演じ続け、
121円アッパーまで突き進んだところから叩き落とされるか
それとも、じりじりと119円あたりまで下落したところから
さらに大きく下落が加速するか。
どちらに転んでも結末は下落加速であるが、
そこまでの展開がどうなるかは、来週末まではわからない。

翻りユーロドルであるが、1.15に届かず再度の下落を強いられたユーロドル。
追加緩和の期待、ドル円の上昇、株高
なんでもよいが、とにかく、
ユーロドル安に都合のよい材料のみを拾って下落し続けたユーロドルである。

ユーロドルは、200日線を再び下回り、下落のイメージが強まっている。
それもこれも、すべてはドル高、およびにECBの追加緩和期待である。

追加緩和の期待。
それは世界経済(欧州経済か)の崩壊の期待である。

それを理由にドルを買い、ユーロを売る。
それがどれだけの鬼畜の所行か、ということを
グリード投機連中は、まったく理解していないのである。

そして、また世界経済はクラッシュする。
いい加減にしてほしい、と思う。

しかしながら、冷静に考えたとき、
そのシナリオであったとしても、
現在のユーロドル安は相当に無理がある。

それはなぜか。

今年の春先までギリシャ問題を端緒に売りに売られたユーロドルは
1.04あたりまで追い込まれた。

その後反騰し、一時は1.17にまで戻りを確かめたユーロドルである。

ユーロドルはもともと1.4手前までの上昇から
1.046あたりまで下落し続けた。
ドル円でいえば、140円が104円まで下がるようなものである。

そもそもユーロドルは、1.04までも下がる必要があったのか、
ということである。

そしてドル円でいえば、
そもそも125円までも上昇する必要があったのか、
ということである。

ドル円、ユーロドルとも
もともと大きく買われすぎ、売られすぎた結果としての
125円、1.04であったとするならば

ユーロドルが追加緩和で下がる、というシナリオ自体意味をなさない。

たとえば、もともと適正価格が1000円のものが
相場にもてあそばれた結果、400円まで値下げしていたとする。

本来の適正価格は1000円ではなく、800円だ
という値下げ圧力があろうとも
そもそもそれをはるかにしたまわる400円にそのロジックはあてはまらない。

値下げ種下げだと、焦った輩が
400円を一時380円に引き下げるかもしれないが
もともとそれ自体が値下げ、という圧力にのみ反応し
適正価格からそもそも大きく安いものを、さらに値下げしてしまっているだけである。

ただし、現在はユーロドルは下落トレンドのさなかにある。
その誤りやまやかしを打ち消すには、このまやかしの下落トレンドを
一端はふたたびの上昇トレンドに引き戻す必要がある。

それはドル円についても同様である。

ECBの緩和期待、日銀の追加緩和期待

これらによって作り出されてきたのが、現在のドル円の上昇、ユーロドルの下落
という相場である。

この材料を一端、しっかりと織り込み
ドル円の上昇、ユーロドルの下落、というトレンドを確実に終わらせないかぎり

本来の波動に戻ることは難しいだろう。

本来の波動。

それは、ドル円がふたたび100円を目指し、
ユーロドルが、まずは1.2あたりを抜いてき、史上最高値を再び狙いにいく相場
である。

いまは世界が超緩和な世界で
ユーロドルが市場最高値、ドル円が市場最安値を狙いにいくときの
世界のパラダイムシフトは大きく転換していることだろう。

ユーロドルが、1.6を超えたとしても
ユーロドルが、かつての世界のように金利が5%などということはないかもしれない。

ドル円が60円に突入しても
ドル円金利が数パーセントは維持されているかもしれない。

そんな未知なる世界における、超円高、超ドル安、超ユーロ高
というのが、いま、自身が確信する未来の世界である。

すべては、ユーロや円が高くなる、という思惑からではない。

すべてはドルが極限的に安くなる、という確信からである。

いまでも世界が信じ続けるドルの基軸通貨という世界。

これが完全に終焉を迎える時代は必ず来る。

そんな世界を確信している自身としては
短期トレードはともかくとして、
本気の本気では、決してドル買い、というポジションなど、とうてい取れない。