実勢価格を一切無視するしかない相場、その原因は我々日本人にも大いに責任がある

ドル円のあり得べき価格は
116円だか、110円だか、100円だかはともかく、

とにかく120円よりも下である、と思ってる。

でありながら、ドル円は買われ続ける。


なぜか。

それは株価が上がり続けるからである。

株が上がり続けるかぎり

実勢価格といかに乖離してようとも
ドル円の買いというオペレーションは採らざるを得ない。

それは自動売買なりなんなり
自動的に執行されていくこととなる。

それが実態といかに離れたレートであったとしても

それに従って動くのが現代の金融相場である。

それをトレンド方向から脱することができているのは
ユーロドル。
結果として、ドル売りのオペレーションが働き
もはやレートは1.13アッパーである。

いまや方向はドル売りが主流である。
豪ドルしかり、ポンドしかり。

であるにもかかわれず、
ドル円だけは120円界隈で踏ん張っている。

その理由は、株高であるのが第一。
第二は現在の為替市場の大きなボリュームを占める日本人個人投資家
ドル円のロング以外のオペレーションを採らないという
我が国特有の異常性。
さらにはそれに乗じてか、
120円界隈には多数のオプションがあるというのが第三、である。

第二については、もはや相場など関係ない
投資ならばロング(買い)!、という
日本民族のDNA(?)に等しいので、どのような相場であろうと
ドル円が115円などを切って、損切りなどされない限り
変更されることはなかろうが
第一と第二の要素については
それら条件が意味をなさなくなったとき
ドル円は強烈な売り圧力にさらされるのは必然である。

それでもドル円はたいがい踏ん張るであろう。

それはなぜか。

ちょっとした外国人投資家の調整を底打ちと判断し
そこに大量の買いを入れ、結果として
ドル円相場を支えることとなる、日本人投資家がいるからである。

そうした日本人投資家の特性は
なにがなんでも、円を売るという志向以外は念頭にない。
これは数年前のスワップ時代の名残なのか
とにかく、円を売り
その他他通貨を買うというオペレーションを採りたがる。
そして結果、大きな円高局面で損失を食らって、成仏してしまうのである。

無論、黒田バズーカなどで、大きく円安に振れたとき
円買いを行っていた多くの人らも成仏したであろう。

しかし、FXなどで多くの人々が破産に等しい損益を追った
というような報道がなされるのは、たいがいが円高局面である。

それは、円売り勢の方が、円買い勢よりも圧倒的に多く
それだけ、損失を被る人が多く、ニュースソースがあるからであろう。
無論、円高局面では日本株も下落しているため
株での損失ネタにもことかかなく、そこに連動しているという意味もあろうが。

いずれにしても、
ロングだけを経典のごとく崇める日本人投資家がある意味“目覚め”
本来のドルの意味(ドルの価値はそもそもない)であると思ってる、
ドル売りに志向すれば

現下のこんなにも歪なドル円の相場は早々に解消されるはずである。

かねてよりドル円は幻通貨であると言い続けているが
その大きな要因、
ドル円がその他通貨ペアと異なった異常きわまる波動を描く理由は
日本人投資家たちの相場を一切無視した円売り、というのもその主因であると思う。