狂気(?)の暴走は続く。

先週金曜に取った、ポンドドルのショートは、
東京時間の上昇によって、LCを浴びてしまった…。

東京時間のユーロドル、ポンドドルなどの瞬発的な上昇は
多くのロスカットがかかった、ということらしいが、

私のポジションもそのひとつで
望みもしない、買いの加速に一役買ったことになる。

ただ、東京時間に上昇を極めたドルストレートは、
その後、一端の伸び悩みを見せ、
欧州にバトンをつなぐ。

ユーロドルなど、
東京時間にストップロスまで巻き込んで大きく跳ねてしまえば、
欧州とて、このまま東京を刈るというよりも、
とりあえずは上値を追う方を選んだ。

序盤までは、
テクニカルに準じて高値でも順張り利を追うという欲と、
東京を刈るという欲と、
どちらにしても欲なのだが
“穢れた”欲の悩みを繰り返して、
気迷いが続いていたようだが、豪州も地合いが弱く
ユーロ豪ドルなどが高値を追う、
さらに、スペイン国債などの利回りは低下、
そしてなにより、欧州株は上にはしゃぎまくる、
となれば、とりあえずは上に追うことを決めたようだ。

ユーロについては、ユーロポンドなどもそうだが
ユーロクロスも全般上げ気味で、

ユーロ全面高的な様相を帯びてきた。

やがて力尽きると思っているユーロに先に押されている
ポンドを思えば、

いずれ、ユーロと連れ安にされる可能性のある
ポンドドルは1.605アッパーで再度の売り直し。

ユーロドルについても、1.304アッパーで売りも併せて入れた。

ユーロはまだ一回も損切りしていないので、
1.3より上のところで、
ポジションボリュームが日を追うごとに徐々に増してきている。

ユーロドルは、途中、押しが入ったところで
利食いを要所要所入れつつも、結局、下げが限定的なため、
その先の利食い指値にはかからず、戻ってくる。
高値で売っては、浅めの指値利食いが入る
また上がっては、と繰り返してはいるが、
利食い買いできるレートと、
新規ショートをかけるレートが
ともに切り上がっているところが、気にくわない。

ユーロドルは木曜あたりの1.3越えの投機アタックが成功して以来、
金曜もそれに市場がついていったものだから、
いまや、1.3が高値というよりは、
1.3が当たり前のようなワールドを形成しつつある。

1.3からの安定感を見ても、その1.3が当たり前感というのは、見て取れる。

レートが安定するということは、
需給が拮抗しているということなのだが、

投機のユーロ買い上げに需給が拮抗もなにもあったものではない。
ただ、拮抗しているがゆえに1.3アッパーで滞空しているのである。

こんなレートで需給が拮抗しているということは、
素直に考えれば、いまのレートが“適性”ということになろうが、
私からすれば、この“適性”は“異常”である。

ただ、この現在示現している世界こそ、
まさに、仕掛け投機の望んだ、思惑通りの世界いうところなのだろう。

投機筋の目線が、目下、ユーロドルなどに向いていることから、、
ドル円をはじめとした対円通貨は放っておかれがちで、
そうなるとドル売りの流れに押され、先週末以来、軟調にさらされがち。
金曜の再びの高値追い、82.7円当たりまで迫ったドル円
その後再び、下り押されて以来、
調整地合いはまだ続いている様子である。

ただし、値動きが“面白くない”状況になってきたドル円に対して
流動性を稼げる
ユーロドルが今度は仕掛けられている。
円売り地合いが薄まっても、円高地合いというわけでもない。
そうなれば、ユーロ円だけは、ドル円が少しくらい安値になろうとも
強気の相場つきを継続している。
ユーロドルが1.3アッパーが当たり前なのと同じように
ユーロ円も107円アッパーが当たり前となりつつある。

ともかく、いまの膠着感で投機が目をつけたのが
現在のリスク選好相場のなかで、最も手堅い(?)
ユーロ、と相成っているように思う。

目下、値動きが拮抗はしていても、未だ健在の

円先安感。

そして、目下、継続中のユーロ先高感。

これらが相まって、
先週金曜にユーロ円が、
7ヶ月ぶりの高値を更新したのも、むべなるかな、という感じである。

その意味で、円売りの手綱をこれから少し弱めるとしても
ユーロ円だけは、スケベ買いしたい、という欲求もあるやに思う。

ユーロドルでの仕掛け買いから生じている、
ユーロ円の例外を除けば、
現在、円売りというものは一旦はなりを潜めているのは
ポジションの偏りがちと強くなってきた、という事情もあろう。

これは、先週公表された最新のIMMの持ち高を見れば、
それはわかる。

ここで見られるドル円のポジションは、
円買いにしても円売りにしても、
6万枚を超えるとかなりの過熱感があるとされているなかにあり、
円売りポジションが、目下、8万枚にも迫る勢いである。

短期的には上値余地が限られてきた
対ドルで円を売るというリスク選好オペレーションよりも、
対ユーロでドルを売るいうリスク選好オペレーションに比重を傾け、
ユーロドルの買い仕掛けが強まるのもわからなくはない。

この強気ムードを高める、大きな要素はやはり株高である。

米株の戻りの不気味さは再三述べてきているが、
実は欧州株は戻りどころか、すでに、上昇状況にある。

先々週あたりから続く、米株の戻りのムードも
実は、この欧州株のはしゃぎっぷりに影響されている面も大きいように思う。

欧州株は、12月のいまの段階で、
年初来高値を伺おうとするところまで上昇が過熱している。

ユーロ問題が最近小康状態にあり、
南欧諸国の国債利回りも低くはないが、
以前のような高値追いは一旦はひけている。

それは決して強気ではないが、弱気でもない。
弱気ではない、という感覚を裏返すと、
逆説的に“強気”という解釈が成り立ち、

消去法の強気を皆が抱いている流れのなか
気づいてみれば、欧州株が上昇を止めない状況となってしまった。

弱気でない、という意味を、強気と解釈するということは、
それはファンダメンタルズの意味するところとは別の
現実を無視したセンチメントの世界である。

センチメントのみで株の高値を追う、
というのも相場のあり方ではままあるが、
現在の気分のみで株を強気に買っているという状況は、
私からすれば、やはり正気の沙汰とは思えない。

詳細は割愛するが、欧米株ともテクニカル的に見ると
かなりの買われすぎの状況にあり
いつ反落してもおかしくない状況にある。
この危険な状況においても、買い進める連中は
いったい、なにを根拠に高値を追うのだろうか。

また(?)今夜の米指標ISMの結果をインサイダー的に
すでに入手している連中がいるのか。
であれば、もう一噴射、上に飛ばすための仕込みのために
いま買い進めている、という行為にも
合理性が出てくる。

ISMの発表時は、毎回、その結果を先取りするように
すでに事前に買い進められていたり売り進められていたりすることが多い。
被害妄だと言われても、ISMについてだけは、
そういうのがあまりにも多いので、疑いをもってしまう。

いずれにしても、現在の株高を、よもや景気回復の証左、
などととらえる人などまだまだ少数であろうが

現下、展開されている株高に
ムードが高揚し、結果、
いま新規に株買いに新たに入ってしまった個人投資家がいたとすれば、

私は相当の高値掴みとさせられている
と思わざるを得ないし、

もし自分の家族などが、株買いをこれからはじめよう、
言い始めたら
私は全力で止めると思う。