反撃開始

グローベックスの下落に併せ
さしもの円売り筋やドル売り筋も、形勢が危うくなってきている。

短期の上昇トレンドはもはや消滅し、現在、短期トレンド真っ最中である。

これが、ここまでの上昇における調整局面であれば
いまいちどの反転の恐れもあるが、

これがトレンドの転換であれば、ここからの反転は
下落過程の調整に過ぎず、ここまで上り詰めたトレンドに回帰することは
もはや当面先になる。

日本の選挙もまっさかりで、
もはや円売りを今一度加速させる材料が日本側から出てくる可能性は低い。

あり得るとすれば、それは12月16日の選挙結果以降である。

米国を見てみると、
ここ何日もテーマに挙げ続けてきた、先週金曜に発生した
グローベックス直近高値上抜きの第一波野郎たち。

彼らの提灯はもはやおらず、彼らの上抜きの勢いももはや風前の灯火である。

第一波野郎たちがすでに撤退しているのかどうかは不明なれど

いまだ12800より上にレートがあることから、
12850を抜いたあたりでポジションを取った人間は、いまだ残存している。

それが初動時に乗った提灯だけなのか
第一波野郎がいまだ潜んでいるかはともかく、
彼らがさすがにポジションを投げるであろう、
損切りのライン、12800はもうすぐのところまできている。

現在のレートは12830あたりである。

私は11月中旬のドル円跳ね上がりから、劣勢に立たされてきたが、
ようやく形成が逆転しつつある。

何度も上で切られ、再度逆張り、上で切られ、逆張り
を繰り返してきて、ようやくほぼ天井と思われるいちで上げ止まり
そこをアンカーとして、途中利食いしながらも
いまポジションの積み増しを行っている。

別に自身は逆張りはのつもりはないのだが
あまりにも理不尽な(?)上げの繰り返しは
まともな上昇波動とはとても思えず、円売りの順張りなどする気も起きなかった。
円売りをする気がないなら、円買い。

そしてもとより、相場観はドル買い。

だから、円を買いドルを買っていただけである。

目下、ピラミッティングの最中にあるが、
中間のこうしたピラミッティングポジションを除けば、
いまアンカーとして最も高い位置から売り、
低い位置から買っている保有ポジションは以下である。

ドル円 82.7円 ショート
ユーロ円 107.7円 ショート
ポンド円 132.31円 ショート
ドル円 86円 ショート
カナダ円 82.97円 ショート
ユーロドル 1.3001 ショート
ポンドドル 1.6052 ショート
ユーロポンド 0.8104 ショート
豪ドルドル 1.0485 ショート
ドルスイス 0.9263 ロング
ドルカナダ 0.9913 ロング
ユーロ豪ドル 1.2403 ショート

実に12通貨ペアをロングショート織り交ぜながら保有しているから
ヘッジ的な配置なようでわかる人見ればたちどころにわかるが
すべてがリスク回避方向の同一方向のポジショニングである。

大きな軸として考えているのが、まずは意地の円買い。
そしてユーロ買い。相対としてのドル買いである。

組み合わせによっては分けて持つ必要もない通貨ペアもあるが
これはドル円が歪んだ相場を形成してきていた、と考えたからである。

例えば、豪ドルドルとドル円をともに売るなら
ドル円一本に絞って打った方が効率がいい。

しかし、それをなぜしなかったかといえば、

通常、豪ドルドルが下がれば、ドル買いのリスク回避で
ユーロドル売り、そこから派生のユーロ円売り
そこで、幻通貨、ユーロクロスクロス通貨である、
ドル円も下がり、結果、豪ドル円が最も下がるものだが

ここのところは、
ドル円が柄にもなく“ドルストレート風”に動いていたため
豪ドルドルが下がっても、ドル円が上がり
結果、豪ドル円を売ればいいというものではなくなる。

さらにドル円が上がると言うことは、円が売られることになり
豪ドルは上がり、豪ドルドルも下がらない。

要は、ドル円がこれまでと違う動きをしているがゆえに
堂々巡りになってしまい、
素直にリスク回避の方向のみでものが考えにくくなってきた。

ともかく、いま想定されるあらゆる通貨を
天井、もしくは底で掴み、その上で、特定の通貨に絞り
ピラミッティングをかける、という戦術で
あらゆる対円通貨、対ドル通貨を売ることにしてきたのが
いまの結果である。

ユーロ豪ドルについては、戻りのピークを感じたので
これは戻り売りを想定し、売りを小口でかけていた。

一度、相場が反転すれば、どの通貨も下値余地(上値余地)は満載で
どれがその候補になるかは不明だったというのもあり
あらゆる通貨をリスク回避方向でポジショニングした、
というのが実際のところだ。

今後も、上記通貨ペアすべてにピラミッティングをかける、
ということではない。

これらはすべて、
アンカー(トップ、ボトム保有)の打診のポジションであり
このなかで、今後、下げや上げが加速し、際立ってきたところを
ピラミッティングで追うつもりだ。

なかでも最も値幅で期待していないのはユーロポンドである。
といいつつ、以前、さんざんやられなが再度売っている。

ここではユーロ売り、ポンド買いとなるが、

ポンドドルについては、
やはり上がるも下がるもユーロドル次第で
ユーロポンドの不動はあまり関係がない気がするし
ユーロポンドが上がろうが下がろうと停滞しようと
ユーロドルの下落時に、突然、集中的に狙われる、ということもあるため
ポンドドルも売っている。

ユーロポンドについては、さんざん裏切られたのもあり
目下、もっともポジションボリュームが小さいが
リスク回避となると売られることは間違いないペアなので
一応、押さえている。

これら通貨ペアのなかで
目下、最も注目している通貨は、以前にも述べたドルカナダである。

他の通貨ペアでもユーロドル、ポンドドル、ドルスイスなども
目下、ピラミッティングをかけている通貨ペアだが、

例えばユーロドルなどは、ドル売りユーロ売りの狭間に踊らされ
中期的にはレンジの域を未だ出ない。
ポンドドルも、ユーロドルに引きずられやすいので同様。

これら通貨はリスク回避ドルが買われても、ユーロが売られても
再びリスク選好でユーロが買われ、ドルが売られる
のような動きを取らされ続けているというイメージである。

ドルスイスは、ドル買いでスイス売りだと
スイス安を望むスイス当局は喜ぶシナリオだが
現在、世界最強レベルの安全通貨が、みすみす売られ続ける
というのにもいまのところは限界がある。

さらにドルスイスが上がるためには、
ユーロスイスも上がらねばならず
むしろ、ドルスイスにとってはユーロとの関係の方が影響力が大きい。
よって値幅は、ユーロポンドほどではないにせよ
それほど期待はできない。

そんななか、最も期待しているのがドルカナダである。

ドルカナダは少し前の米株の下落進行のなかにあって、
さりげなく、中期ダウントレンドラインを破り200日移動平均線を突破
一旦は下に落とされるも、ふたたび突破、
そして、昨今の米株の調整の上げ!(V字回復などという者がいるが私はそうは思わない)
で再び200日線を下に割り込むも、
突破した中期ダウントレンドラインでサポートし
日足-2σ内で反転してきた。
ここまでの下落においても、+2σでタッチしての下落で
要は、ドルカナダはいま0.9と1の間の狭いレンジを形成している。

ドルカナダの通常の値幅からすると、非常に小さい幅である。

いまリスク回避に突き進むかリスク選好に突き進むか、
相場の流れがはっきりと決定されてない段階を
典型的なまでに示しているのが、ドルカナダである。

ただ、このままリスク回避が突き進みみたび200日移動平均線を上抜き
レンジを突破し、拡張が起これば
少なくみても、1.035あたりまでの上昇が期待される。

さらにそこを突破すれば、1.04が視野に入りそこを抜ければ
直近最高値1.06を視界に望む。

その段に至れば、200週の移動平均線さえ突破することになるので

ターゲットは、一気に1.16あたりまでが見え始め
リーマンショック時の水準までリスク回避が突き進めば
1.28に迫るほど、上値の余地はある。

その値幅はいまの値幅からみても、3000pips相当である。

まあ、これは皮算用なので、ここまでは期待しすぎかも知れないが
いずれにしても、いま最も期待している通貨はドルカナダである。

ドル円は歴史的な安値圏、超円高、などと吹聴され続けているが
実はドルカナダは、ドル円と勝るとも劣らないほどに
カナダドルが歴史的な高値圏に追わされている、という点は見逃せない。

さらに現下のドル安に相対する、カナダドル、円が
それぞれの高値を追わされる事情は根本的に異なる。

ドル円が宿命的に下がっていくしかない通貨ペアであるのに対し
ドルカナダドルは、宿命的に下がることなど許されない通貨ペアである。

所見は長くなるので割愛するが、
ざっくり言ってしまえば、日本もカナダも米国に依存しているのは間違いないが
カナダはある意味で国柄が尊重され、国家としては米国に従属していないのに対し
日本は国柄が尊重されない、国家としての米国の奴隷、
という点が最大の違いである。

さらに言えば、カナダが米国の依存に嬉々としているかは不明だが
日本は米国の依存に誇らしげで、奴隷精神を今後もよりキープしたい所存である。
個人的な見解なが、日本は絶望的なまでに国家として愚かである。

そんな日本論は本稿の本題ではないので、ドルカナダの話を続けると、

さらに直近のアナライザーのドルカナダの相場観を見れば、
都合の良いこと(?)に、世のアナライザーは
世間に米国経済の楽観を吹聴し、
ドルカナダについては、下のターゲットばかりを示している。

もちろん、ドルカナダを売れば、わずかながらでもスワップは入るし
カナダの国の安定性を考えれば、
ドル売りカナダ買いの方が、しっくりきやすいのは確かだろう。

ただ、それは世界経済が安定している、という大前提のうえでの話である。

いまの私の相場観は、世界経済の安定などまやかしで
米国の「財政の崖」問題に限らず、
まだまだ隠された(?)負の要因は、米国のみならず欧州から
今後も現れると思っている。

リーマンショックギリシャ危機並のメガトン級の危機が
ここ何年も起きていないことが、異常であるとすら思っている。

リーマンショックでの金融収縮は一旦は収まったかにみえるが
サブプライムに端を発した、問題の根源が解決されたのか。
私は専門家ではないのでそれはよくわからないが、

なんだか末期の病魔にある人の病巣を完全に取り除くことをせぬまま
病気で痩せ細った身体に栄養分を無理矢理注入し続けて
身体がふっくらしてきたから、大丈夫、と言っているのが
いまであるように思う。

ギリシャ問題もしかり。

経済は結局実体で回っているはずなのに
当局の金融緩和、紙幣の増刷や国債の買い入れなどで
無理矢理、表向きの数値を引き上げているだけ、にしか見えない。

そうなれば、私の相場観はリスク回避しか想定されず
ユーロドルなどが下がれば、下を追う目線となるし
上がれば、売りをかける好機として見ることになる。

そんななか、ねじくれまわってしまったのが、ドル円である。

“安倍トレード”などと、
お遊びのようなネーミングをつけている段階で、
相場を弄んでいるのに等しく、
現在の円安相場は、投機の円売り鉄板で、
真の円安など、まだ先の話にしか思えない。
この“安倍トレード”と称する現在の地合いの命名者が誰だか知らないが、
それが誰だとしても、
相場をなめているし、人生すらもなめているとしか思えない輩である。

そんなドル円のねじれがあるため
円ベースのみ、本格的にはピラミッティングはかけていないが、

81.8円という、自身、節目と考えていたレートを割ってきたので
そろそろ円買いについても、追撃を考えてもいいかもしれない。

年内に85円どころか、
84円でさえも、世迷いごとで、

師走のさなかに
ここまでの円安勢が束になってドルを投げ売りして円を買い戻すことが
現実になる可能性が日増しに高まってきている。