円売りは危険水域

これは自らが円買いをしている、
というポジショントークではなく(それも多分にあるのだが…)、

テクニカル的に見ても、現在の円相場は行き過ぎである。

その鍵はやはり米株が握る。

先週からのグローベックスは、売られすぎの見立て通り
やはり、戻してきた。
押しもなくの戻りなので、買い意欲は旺盛ながら
その戻りはそれほど大きいものではない。

まず21日移動平均線に上を阻まれるし
そこを抜けても、急所どころの200日移動平均線が控える。

ひとつの希望は、
オシレーターがまだ日足レベルで買われすぎの水準にないことから
もう一段の上を目指す余地はある。

ただし、グローベックスが、
200日移動平均線を下回った事実は大きく
通常の波動であれば、そのターゲットは低く見ても
直近の最安値12400あたりから、さらに下12200あたりとなる。

そうはいっても、いまダウが上昇過程にあるのはたしかで
そうしたなか、ユーロドルなどドルストレートは堅調なれど

やはり、グローベックスのチャート位置からの警戒感から
戻るとは言っても、大きく戻すことはなく
ある種、株価と相関気味な戻り位置である。

それに比べて、円である。

円ベースのみ、株価が戻り過程にすぎない今にあって
あたかも反騰を先取りするかのような
強い売られっぷりである。

しかも、ドル円の上昇が顕著がゆえに
特にユーロ円など、クロス円の上昇っぷりが、異様である。

もしも、世界株価が円の織り込みに追いつくように
結果として大きくまくり上げるなら、

円は世界情勢の先行指標として
見事な仕事っぷりをみせた、と言えようが

目下の円安は、ほぼ日本だけの要因から端を発している。

米株はこのまま、もう一度、高値を追っていくか。

私はそれはないと考えている。

そうなれば、いまのグローベックスの上げは
調整のショートカバーに過ぎず、
それらが一巡すれば、ふたたび売りが再開されると考えている。

グローベックスの調整の戻り過程で
その戻り具合を大きく逸脱する通貨があれば
それは、投機の的にさらされている通貨であり、
その不当なまでの順方向へのポジショニングは逆バリの大チャンス
だと思っていた。

それが、まさか我が国の通貨、円とは思ってはいなかったが、

いずれにしても、今後大きくユーロドルなど、ドルストレート通貨への
ドル買いに走る前哨戦として、
円を買うことは、自身のシナリオからは、やはり、必然である。