またも粉砕。買わないリスクを取る投資家たち。

円ベースのポジションについて
ドル円が82円を越えてしまったことから、
またも切られてしまった…。

いましがた82円のバリアオプションを粉砕したようで
これにて、
81円、81.5円、82円と
それぞれの節目を順次粉砕していると言うことになる。

相場には“ポジションを取らないリスク”という言葉がある。

例えば、ノーポジションのとき、
いまのようにドル円が上昇過程にあるところで
売りの相場観ならともかく
買いの相場観であったときに
買わないことで、そこからさらに何円も上昇したとすれば
取れたはずの利益が取れなくなってしまう、
という“リスク”が出てしまう、というようなことである。

ポジションがもともとなければ
あったはずの利益、などということだって
机上の空論だが

こういうポジションがないことで、
“消滅”する“利益”さえも、バジェットに計上したい
グリード丸出しの格言である。

さらに、これはもっと有名だが

押し目買いに押し目なし”という言葉もある。

これは言うまでもなく
上昇中には、妙な押し目など期待していてもその時期はこないし
押し目のころには、それは反転の兆候になっている
のような意味合いだが、

この2つの相場観の典型の動きをしているのが、
いまのドル円である。

ドル円はもともと、一端、上昇すると
円安先高感を持つ投資家たちがこぞって買いを入れていくので
押し目らしい押し目もなく上昇しやすいところがある。

テクニカル的に見て、いま77.1円あたりのボトムからの
ターゲットゾーン81円代を抜けても下落の傾向がない。

1日の時間軸を見ても
東京、欧州、米国時間と、ほとんどがロング状態で
たまの押しは東京時間に起こって
むしろ、“ドル円高”を望んでいるはずの東京勢が
ドル円をショートして、刈られる、という
トホホな展開さえ起こすほどである。

現在は最初のいとつの材料の織り込みからスタートし
いまや買うがために買う、という“投機的な相場”が
ずっと継続している状況である。

ただ、私はここで三度ドル円に売りを入れた。

これは短期的にはテクニカルとしてのシグナルはほぼない。
各時間足で強烈なダイバージェンスを発生させているが
いまのドル円買い方はそんなことはほとんど意識していないだろう。

むしろ、ちょっとした利食いの指針として活用し
一部利食いに用いているくらいである。

私が今回売りを入れた根拠は
すでに述べているが、ドル円の82円は、
現時点の高値圏、売りゾーンだと、かねてより考えていたからである。

好き放題にドル円を買っていくのは勝手だが
個人的に、いまのドル円の82円というのはどう考えても高い。

その高値を果敢に買い上がる、というのが
グリードの本領であり、欧州スタイルかもしれないが、
いまの買いは、完全にムード相場に入っていると思っている。

もはやこのゾーンで買いに行く根拠がなくとも
下げのシグナルがなく、地合いが買いだから
ポジションを持たねばならないとすれば
選択肢としては、“買い”一択しかない。
だから、買っている、に過ぎないと思っている。

繰り返しとなるが、
私がドル円のショートを完全に諦めるレートは

83円である。