様子見は続く

ユーロの異常なまでの(?)上昇が加速している。

5月からの下落がオーバーシュートだったのか
それとも、その下落がまだ“ユーロ崩壊劇場(by fiction)”
の調整に過ぎないのかは、ともかく、

今夜山場を迎えるQE3の思惑に端を発するFOMCに向けて
誰もが乗り遅れまいと買い続けている。

8月のユーロ売りを粉砕されてからこっち、
こちらは、ドテンでユーロ買いに転換することなく
再びの下落のタイミングを待っている。

ユーロの弱気筋は、ここのところ、どのような押しも
結果的には上昇の戻りとされて、粉砕され続けてきた。

そして、またぞろはじまってきたのが
上昇過程に現れてきた、強気ターゲットたちである。

ユーロドルは1.3を超えるだとか、1.33に向かうだとか
相対で起こっているドル売りを囃し立て
ポンドドルは1.65を超えるだとか超えないだとか、

上昇が当たり前で次々と上値ターゲットを
皆が臆面もなく語り始めてきたとき、
相場はピークを迎えやすい。

まさにそうした地合いが見え隠れしてきてる昨今
そろそろユーロドルの再度の売りの準備かな、と思い始めている。

ただ、こうしたアノマニーで逆張りに入るつもりはない。

まだまだユーロ上昇を信じている(信じている振りをしている)連中は多い。

彼らが自身の相場観に揺らぎ、ポジションを手放し始め
それが絶望に近づいた頃、ユーロ相場が本当に反転下落するときだ。

そうなれば、今度は、彼らが絶望してもまだ下がる。
絶望が絶望でなくなり、ダウントレンドが当たり前となり、
今の逆の地合い。
誰もが、臆面もなく下値のターゲットを語り始めたとき
その勢いは収まるだろう。

その意味で、私がユーロ売りを本格的に再開するのは
いまの強気筋の相場観が揺らぐときでも
ポジションを手放しはじめるときでもなく、

彼らの強気願望が絶望に近づいた頃である。

それでも、十分に遅くないと思う。

いまの楽観地合いは、すべて実体経済からのものではなく
当局の金融政策によるものだけである。

ドル、ユーロ、ともにインチキを繰り返し
相場の反転を捏造する限り、

ドルもユーロもその地位を失う可能性が高まっていく。

こんなことばかり繰り返している限り
欧米が営々と築いてきた覇権は、どこかに移る可能性が高まる。

それをわかっていながら、欧米当局はいまの対応を止められないのか
はたまた、それが歴史の必然として起こらざるをえないのかはともかく。

欧米が好き勝手に世界をかき回していける時代も
やがて終わるのだろう。

叶うならば、私が死ぬまでに
欧米の覇権が終焉を迎え、
非欧米のどこかに覇権を獲得してほしいものである。