やはり初動は跳ねから入る

ユーロドル、結果的にはsell tha fact、なのか否か。

一旦は上に跳ね、高値を更新した後での下落、
その後、反発のもみ合いが展開されている。

今回のユーロドルがbuying climaxであるのかどうかはわからないが
その可能性は高まっている。

大きな指標が起こる場合
たいていは、どのような結果であろうと
進んでいる方向のトレンドが一端増幅される。

瞬発的な利を狙う、グリードにとっては、

直近から最高値を抜き去ることが
その上に積まれたLCを打つことでき、最も効率的だからである。

さらに指標前には、
すんででポジションを取る連中もいる。
彼らの狙いは、通常は
指標結果から大きくバジェットを稼ぐには、
現在の値からの逆張りをはること。

そうなると、彼らもまた現下の高値更新の上にLCを置く。

これらLCも含め、順張リストは、指標発表後
順張りで大きくポジションをはることが、最も効率がよい。

ユーロドルもまた、今夜のECB発表のなか
そうした動きを見せた。

トレンド方向の大幅な跳ねに、指標結果は関係ない。
大きな失望がないかぎり、現状維持であっても
順張リストは指標発表の瞬間、大量に順張りを入れてくる。

sell tha factと単純に言っても、一旦は上に跳ね
こうした最後の“一稼ぎ”というのが、セットになり
反転、下落が開始されるものだ。

無論、sell the factでない場合、
そのまま反転せず上値を追い続け、トレンド継続(しかも増幅を伴い)、
となるところだが、

今回のユーロドルは上値トライは瞬発で終わった。

そこから一気に下げるか、となっていたところに現れた
ADP、ISMである。

これら指標による株高が、ユーロの下落を食い止めている。

つまり、いまのユーロドルは
自立的な調整の上昇相場から、株価連動のリスク選好にシフトを変えた。

ひねりがもう一段のひねりを加え
米株価に支配される相場にユーロドルは変質している。

これからのユーロは株価次第となっている。

その米株価であるが、
その後のADPとISMがともに上ぶれた動きのなかで
いけいけモードとなりながらも、
レジスタンスの上限でぴったりと抑えられ

サポートの下限でぴったり抑えられ反発してきた
レンジ的な“華麗な”動きを見せている。

いま米株は、上下にきれいにレンジのラインが引けている。

上が1328アッパー、下が1296アンダーあたりである。

この切れた方向次第である。

上に大きく抜けていけば、ダウは年初来高値更新は目の前で
次いで、史上最高値を伺うほどの強気相場に回帰する。

下に抜ければ、再びの調整相場。

暴落はすぐには示現し得ない。

それは、ずいぶん以前に、
ダウは長期のアップトレンドラインを完成させてしまったからだ。

アップトレンドのサポートラインは徐々に切り上がってはいるものの

いまより一気に500以上は下落しない限り
短期的に、ダウのアップトレンドを粉砕することはできない。

これはずいぶん以前から書いていることだ。

現下の世界経済を眺めたとき
現在の米国株の過熱感は、とにかく異様である。

ここまで実体経済から株価が乖離してしまっていては
ファンダメンタルズの意味はもはやない。

いや、これも以前から書いていることだが
世界が金融に席巻されてから以降、
株価はもはや実体経済をなんら反映などしていない。

このグローバル時代にあっても、
いまだ株価が世界の実態と少しでもつながりワークしているとするなら

現在のダウはいずれ、すさまじく暴落する。

それがいつ訪れるかはわからない。

しかし、株というものが金融屋のおもちゃではなく
かつての適正な意味での価値をいまだもっているとするなら
現下の株価はすべてまやかしである。