ユーロバブルが継続中

欧州株や米株はすでに下落というシグナルを発している。
ドル買いというリスク回避が起こってもおかしくない状況にあっても
しかしそれが生じない。

株で言えば、欧州株はある意味で誠実である
戻りをためしながらも、直近高値をやや下回っての下落につき
大きな下落を示唆するシグナルをさりげなく発している。

問題は毎度のことながらグローベックスのダウである。
リーマンショック以来の高値も更新し
下げの予兆を打ち消し、混乱を覚えさせるチャートを描く。
結局、下がる(?)くせに、いつもたちの悪いレートを叩く。

それだけ、米国勢の方がたちが悪く、グリードということだろう。

いずれにしても、欧米株ともに下落である。

しかしながら、それを無視する連続のユーロ買い。
効果があるのかないのか不明のECBの思惑のみで、
ここまで、ユーロを買えるなど、すごい話である…。

こうした異常事態は、相場をねじ曲げまくっている。
株価が下げても、ユーロが下げないことから、
ユーロクロスでも上げが演出され続け、
相対でのドル買いを打ち消し、豪ドルドルなどのその他ドルストレートも
底割れを防いでいる。
豪ドルドルで言えば典型だが、
ここに起こっているのは、豪ドル売り、ドル売り、といった状況である。

ユーロの上昇の連打は、
金などの資源価格も上昇させている。

QE3とECBによる、ドル売り、ユーロ買いの期待のたまものではあるが、

通貨ペアで言えば、すべてはユーロの買いという状況が
いまの事態を演出している。

いまは買うがために買うというバブル相場に突入し
それが間違っているように思えても、皆が売りに入ることができない。

これこそバブルである。

株価が3日以上続落しても、戻しが入るたびに
それでも株の下落基調にもかかわらず、押し目買いのように
高値を更新し続けるユーロ。

ECBの国債買い入れと、QE3という、
どちらも期待薄の政策への期待が、
ユーロ買い、ドル売りという状況を促し、
結果、ユーロの上昇に導いている。

これはある意味での“リスク”回避的な動きである。

リスク回避というのは、上記2点が本当に強烈なインパクトを与えた場合の
ユーロの売方が大損害となりかねない“リスク”の回避である。

これはがちょっとしたユーロバブルを生んでいる。

ユーロは本来、もう一段下落せねばならない地合いにあるなかでの
ここまでの戻しは、その起こりがたい2点が万が一起こった場合の
リスクヘッジである。

ただ、私は市場が思っているほどの期待に応える
ECBの動きも、FRBの動きもないと考えている。

そんななかで、こういう金融相場での相場付きは
実体経済になんら益をもたらさない。

結果として、なにが起こるのか。

それは株価、資源通貨、対ドル通貨の
すさまじいまでの暴落である。

現在の2つの緩和策が期待以上のものでないと明らかとなったとき、
まずはユーロの独歩安が発生し
それに影響を受ける、
あらゆる通貨のドル買いの巻き戻しが追随する。

欧米のグリード投機は、その段階では脱兎のごとく逃げるだろうから
いま好きなだけドル売りユーロ買いをしてもかまわないだろうが、
ノーマルの人々は、決してユーロを買うべきではないと思う。

もちろん、いまの地合いで売りをかけるのも逆張りにつき
それも賢明でない。

では、どうするか。

現在の相場が一気に下にめくれたときに
ユーロ売りに飛び乗ることである。

その下落は、
現在の相場を見たとき、天地がひっくり返るほどの反転の発火点となるだろう。

いまや完全なるバブル相場に付き、
いま、軽々にユーロを売ることは危ないが
突然の反転が起こった場合は、その発射点にできるだけ近いところから
ユーロの売りに追随するつもりである。

気づけば、いまのレートから100も200もpipsが下がった後で
下落のチャートを見ることとなるかもしれないが、
それでも、十分間に合うくらい、下落は継続していくだろうから
いつ入っても遅すぎるということはない。

次の下落が狙うのは年初来安値さえもまだ高いと思えるレートかもしれない。
今回のような妙な金融材料が、下落のさなかに発生しない限り
ユーロはテクニカル的なわずかな戻しをへながら、
いまの1.25などというレートが遙かかなたと思えるまで、
どこまでもどこまでも下落する可能性が高い。

現在の直近安値を割るのはもちろん、
その前の安値1.18すらも壁ではなく、1.15あたりまでは軽く到達する。

さらに、そこからそこさえもさらに高いと思わせる
パリティを割れが起こる可能性はもちろん、
そこから、0.88に差し込むくらいまでは下落すると思う。

そこまでで、現在からの値段では最大下落幅は3000pips以上となり、
そこからさらには
史上最安値を伺うほどまでのアタックが繰り返されるだろう。

ただ、ここにドル安も加わってくることから
ドル円も打撃を受け、軟化するだろう。
その段で起こっているのは、ドル買いが強いわけではない。
その段階では株価も大幅に暴落しているはずで
ドル買いはドルストレートのみに起こっており
円が強烈に買われるという状況が起こっているはずだ。
しかし、ドル円には介入リスクもあるために
下落めどとしては76円あたりまでとなる可能性も高い。

ただ、変わってユーロ円がすさまじく落ちていく。
ユーロは日本当局のフラッグシップでないため
どこまで下落しようが、介入などしてもらえない。

そうなると、いま考えられる下落は、控えめに見て、
ドル円を76円、ユーロドルを0.9と見立てたとしても、
ユーロ円は68円まで落ちる可能性もある。

ユーロ円は90円を割れる!
などという見立てなどセンセーショナルでもなんでもない
通過点である。

ユーロ円が68円という事態は、
現在の98円あたりからすれば、30円ほどの下落。
こちらもまた3000pips以上下落である。

いまのユーロの上昇はかくまでに異常である。

今のユーロ上昇の先導が、
ユーロ売りからのショートカバーならまだましである。
ただ、この状況においては、多くの投機筋や提灯が
新規!にユーロを買っている。
私から見れば馬鹿丸出しだが、うまく利食うならそれもいいだろう。
最悪はホールド班である。

いずれ、現在の買い方がおいている売りの
ロスカットは次々と執行されていく。

ユーロ円の塩漬け買いは、もはや救いはない。
マイナススワップが日々発生し、
98円からの30円下落ならば、変動率25%となることから
レバレッジ4倍以上のユーロ買いの者たちは
最終的に皆、強制ロスカットされてしまうだろう。

こうしたリスクの発生の時期は、
あらゆる過大な期待が現実となる9月である。
この時期、現在の期待が剥がれたとしたときに、
リーマンショックのごとき下落が発生するだろう。

いまは嵐の前の静けさ。
ただただ、その急激な巻き戻しが起きる瞬間を待つだけである。

こうした事態が起こったとしたら
ユーロショートは今年最大のバジェットを稼げる
一大フェスティバルとなるだろうから、大チャンスである。

とにもかくにも、9月は下落の季節である。
リーマンショックもまた9月に発生している。