小ファンダに頼るしかない情けない相場

ちょっと円安に振れているだけで、またぞろドル円の上昇だとか
クロス円の上昇を語り出すアナライザーたち。

ドル円の80円も視野に入ってきて、我も我もと
ドル円80円突破を謳いはじめている。

しかし、米国債利回りとテクニカルの動きのみに追随してきた相場は
月曜にあって、材料不足で動きが鈍い。

とはいえ、ちょっとした小ファンダ(経済指標や報道、要人発言)にのみ
ちまちま一喜一憂する値動きである。

これまで方向付けをテクニカルのみに委ねたように動き、
とはいえちょっとしたサポート割れで
もう情けなく微動状態に推移しているのが今である。

かっこいいテクニカル分析はともかく
中長期的なトレンドである、ドル売り、ユーロ売りの方向は
ファンダメンタルズとしては、なんら変わることはない。

そんななかで、テクニカルのみ(?)から
一辺倒で上値を追おうとする投機筋、
さらには、円キャリートレードの夢を再び、
と円売りに参入しようとする個人投資家勢(?)

かつての高金利時代ならともかく、かすかな金利のみを追い
円売りホールドすることは、私からすると暴挙である。

現在の見立てから見えてくるのは、結果的にはやはり円高、だと思う。

愚鈍な日銀も、アグレッシブなFRBも、なんら新たな手立ては講じていない。
なんやかんやいって、夏休みである。

元来狩猟民族である欧米白人勢は、
植民地時代からこっち、
非白人からいかに楽に搾取するかをメゾンデートルとするような民族なので
休暇はたっぷりと取る。
自らの力で努力する気は本質的にはさらさらないから
がんばっているふりをしても、ほどほどしかがんばらない。
いっぱいがんばるとすれば、他者からの搾取のための知恵を振り絞るときだけである。

現況においては、FRBが動けば、ドル安はさらに加速する。


ドル円78円前半、クロス円もそれに追随するレートから
勇気ある逆張りをした皆さんは、現在はほくほくであろう。

ただし、テクニカル分析から、円安にさらなる加速が見込まれようとも
これまでの長期的なトレンドの流れから見立てれば
円売り勢が逃げるなら、今である。

わたしは円を買った。

日本が強いからではない。最低だからである。

先進国においての負け組は、自国通貨高である。

その意味で、もっとも高値を追わされる通貨は、円である。

円安わっしょい、株高わっしょい、という地合いもそろそろ終わるように思う。

サブプライム問題などたいしたことはないという楽観相場が大きく剥がれ
すさまじい下落を見せたのも、季節的にはちょうどいまごろあたりからである。