今度はフィンランドとオランダがユーロ安への口先介入!?

今日の大きな材料は、ISMだとか英国の指標だとか山場はあっても
結局は、フィンランドとオランダがユーロの足並みを乱す
という、またもユーロ主体の乱痴気騒ぎだった。

ただ、“乱痴気”、というには動意も薄く、
ユーロショート筋をどや顔にさせるほど、
ユーロを大きく押し下げるには至っていない。

やはり“口先介入”での影響力はドイツほどではなく
国力並といったところか。

もう数年来続くかのような、こうした
当局による、ユーロの“不安定助長策”にはいい加減、食傷気味である。

いろいろなユーロ全体での方針に対して
各国が国益を考慮し(?)意義を申し立てるのはいいが、
ユーロが崩壊してしまえば、そんなことが戯れ言となるほど
結局は、各国ともに大きな国益の毀損になる。

そんなことをはなからわかっていながら
好き放題なことを言って、世界を不安定にするのは
単なる一時的なユーロ安の誘導であり
ユーロ圏のマッチポンプであるようにしか思えない。

まあ、いまのうちに好き放題、ユーロ安に誘導するのはいいが
こうした人為的(?)なユーロ安への圧力は
後に、相当なユーロ高となって、
彼らに因果応報的に跳ね返ってくるだろう。

なによりユーロ高どころか、強烈なドル安に誘導したい、
悪の帝国、アメリカをなめていてはいけない。

続伸を期待していたユーロだったが、月曜の相場も
またもまたもまたも(これで何回だ…)のユーロ売りである。

もはやさんざんっぱらなので、あまり驚きもないが
上昇基調をまたも剥落させるユーロ安に持って行こうとする一日だった。

ここ数週間は、もう何度も何度もこういうのを繰り返していて
これこそレンジ相場というものだが、
相場付きはだんだんと近視眼的になってきている。

近視眼、というのは、下がるようにショート筋には思わせるようでいて、
そうではない、ということだ。

無論、上がるたびに上値を切り下げていての下げなので
弱気筋からのバイアスなら
もう一度、下げが期待されるようにも見えるが、
安値もまた切り上げつつあり、
実は、ちょっとした三角持ち合い的な動きとなっている。

久しぶりにテクニカル的な部分を論じれば、

いま、週足レベルでは重要なシグナルが発せられている。

ユーロドルでいえば、週足において
イリアム%レンジが、-70%の水準を上回ってきた。

この水準は通常なら、-30以上までなら上昇の可能性があり
つまりは、反転のシグナルということになる。

さらに、これも週足ベースの見立てとはなるが
2011年8月を起点として下落をすすめるように形成されているチャネルラインが
もはや4点高値安値を打ち、いま5点目を狙っている流れにある。

チャネルラインは教科書的には、5点目前後で上か下に放れやすく
放れた方向に相場が走りやすい。
その5点目目の方向は、目下のところ上を狙っているように見える。

これまでの各レートは

起点が 1.454からの下落の開始 2011.8下旬
1点目が 1.314からの反転上昇 2011.10上旬
2点目が 1.424からの反転下落 2011.10下旬
3点目が 1.262からの反転上昇 2012.1中旬
4点目が 1.328からの反転下落 2012.4下旬

となる。

ラリーとしては、当然、現在は反転下落のさなかにあり
現在のレートは1.24〜1.26の間をうろうろしているが
1.23あたりから切り返しての現在のレンジにあるという点が重要である。

さらに言えば、このレンジの上限の位置が
3点目のライン1.262あたりを重要なラインとみるかようにして
上下をうろうろとしている点も重要とみることができる。

現在は5点目の下落の波動の流れにありながら
中途で上に切り返しを見せており、
それでありながら、3点目の起点を重要なラインと見立て
下落基調の継続という下への圧力にさらされながらも、
下値もまた堅く、上を目指す、
しかしやはり押される、という
下方向がやや優勢、と見ることはできるながらも、
やはり、典型的なレンジ、と言える状況である。

ここから現在のレートから
上昇、下落ので各5点目に到達する、というシナリオを描く場合

まず下落の場合は
ここで5点目が下に放たれるということになるが、
その5点目の位置は現在のレートからは
本日から一気に大暴落したとして、1.2よりも下
緩やかに下落するなら大きく見て1.15よりも下あたり、あたりとなる。

そこまでの下落が続くなら
現在のネックライン他、直近の大きなサポートである
1.16〜1.18あたりのゾーンを下に割る込むことになり
そうなると、テクニカル的にはさらなる暴落
パリティ割れすらも視野に入ってくる。

一方、上昇の場合
5点目が上に放たれるということになるが
そのレートの位置は、本日から一気に急上昇したとして
1.29の上あたり。
ゆるやかに上昇するとすれば
そのラインは徐々に切り下がっていく。

現在のレートは1.26前後
上の距離は300、下の距離は600であり

さらに現在のもみ合いが続けば
上への距離(レジスタンス)は徐々に縮まり
下への距離(サポート)徐々に遠ざかるということとなる。

確率論から言っても、上への可能性の方が高い。

さらにファンダメンタルズからの自己の相場観は
ユーロ高、であることから見ても。

やはり、ユーロはロング主体で戦いたい、ということとなる。

これはすでに述べたことだが
そのシナリオが一端の撤退を余儀なくされるとすれば、
ユーロドルが再び1.24アンダーを覗いてしまえば、ということになるが、

世間がいまだユーロが1.2に向かうとかなんとか言っているのに反して
私はそのレートにユーロはもう突っ込むことはない、と考えている。