ドイツのオバサマ譲歩からの反騰。ラッキーな仕込みは奏功するか

金曜日は木曜の下落から一転
大きく反騰し、ちょっとイケイケなリスクテークの相場となった。

相変わらずのドル売り(主にユーロ買い)を狙っている私としては、
ユーロドルが1.263あたりの下ひげを下に割って下落を強めて以来、
買いに入るのを当分やめて、様子見に徹しようとしていたが、

木曜の1.24への差し込みからの値動きの鈍さを見てから
あえて、逆張り覚悟で買いを仕込んでいた。

その値に合わせてレートにある、ユーロ円も買い、
ドルスイスなどは売りを仕込んでいた。

下げ止まりがどこにあるかはわからなかったが、
ユーロドルについては、1.24をさらに割るようだと
またLCで様子見だという気持ちでホールドしておいた。

そうしたなかでの金曜の反騰にはさすがに少し驚いた。

こんなに早くポジションが奏功するとは思っていなかったので
ある意味で、ラッキーであった。

金曜午後に、定期的なポジションチェックでレートを見たら、
すべてのポジションが200pipsあまりのフェイバーになっており、
ポジションを半分くらい、速攻で慌てて利食いしたほどである。

しかし、各ニュースを読んでみて、
あとになって、即座に利食いするほどではなかった、
と思い、ユーロベースでは
押しが来たら成り行きで買い(ドルスイスでは戻りが来れば売り)
跳ねれば、利食い(ドルスイスは下がれば利食い)。
また押せば成り行きで買い(ドルスイスは…以下同)。

と、適当にポジショニングを取りながらいたら
面白いように利益が取れていく。
要は、一日中、リスクテイクの流れとなったのである。

結果として、現在は

ユーロドルが、1.243あたりからのロング
ユーロ円が、98.6円あたりからのロング
ドルスイスが、0.966あたりからのショート

をボトムとして、ユーロドルを1.26アッパー
ユーロ円を101円アンダー
ドルスイスを0.95アンダーで
それぞれ買い増し(売り増し)している。

各通貨については、それぞれの中間地点(ユーロ円なら99円、100円など)

ユーロドルで言えば1.25あたりのレートも
ピラミッティングの一環で保持できてはいたし、実際保持もしていたが
レートの跳ねで利食いをすべて行ってしまい
これらレーティングについては、デイトレ的にポジションスクエアとしている。

ユーロドルなどは、最近のファッションは、
もう毎度毎度、跳ねてきても
売り圧力から結局は、また下にやられるという流れで
ユーロショート筋を喜ばせているが、
結局は、その下げもまた上げと同様、下に行ききらず
結局はレンジ相場の状況である。

その前提から、とりあえず、1.25あたりのレートは
今の値からまた落ちてきたとすれば、
中間ラインのピラミッティングとして
再度保持するつもりでいる。

そういう押しがまた来てしまったら、
1.26のレートはまたアゲインストになってしまうが
1.24に差し込むまでは、すべてをLCするつもりはない(一部はレバレッジの兼ね合いで投げるだろうが)、

もしも、また1.24に差し込めば、いまのボトムのポジションや
買い増しの1.26含め、また切り刻まれて、スクエアとするつもりではいる。

ただ、こう何度も何度も下にまた差し込むか、という疑念もある。

個人的にはもはやユーロは相当に安いところに来ていると思っており
ギリシャの選挙問題も通過したいまとなっては
スペインがどうの、とか、いろいろネタを持ち出してきても
当面は、ユーロをさらに下押しさせる決定打に欠けるようにも思え
今回の反騰については、まだ多少足腰が強いものであるようにも思う。

最近、1.24あたりから、何度も買い上げが起こっていたが、
なんらかの勢力が、一端の底とみて強気相場を描きはじめてきているようにも思える。

彼らが正体を現すのは、いまより遙か上のレートになり
さらなる上のターゲットを示す振りをしながら、
そろそろ利食いするころにならねばわからないけれど、
いま隠れロングしている連中も、その頃には誰であるかわかってくるだろう。

そういう意味では、もしかしたら、当面は1.25すらももう差し込まず
そのまま、1.27、1.28を目指し、
1.26は上昇過程のよい積み増しとなる可能性もあるし
現在の自身のシナリオはむしろそちらであったりもする。

いまの強気筋の当面のターゲットは1.29という意見もあり、
このまま上昇をもし見せた場合は、
一旦はそのラインまでは上値余地は十分にあるようにも思う。

その先は、また上か下かで各陣営がベットしていくステージかもしれないが
そうなった場合に私がベットするのは、
もちろん、さらなる先への上昇である。

いずれにしても、奇しくも金曜の反騰が6月末に発生し6月の終値は決した。
そして週明けから7月、本年の後半戦に突入する。

7月でも売りを再開させるなら、
6月最後に至りここまでも反騰させる必要もない、とも思えるが
この状況であったも、
弱気筋が一端の戻りとして7月早々から再度売りを浴びせたいなら
またドイツ首相の間接為替介入的な空気読まない発言や
スペイン国債の再度の売り浴びせ、
格付け会社の格下げやマスコミなどのネガティブ情報など
官民一体マフィア的“ユーロ売り介入”をせねばならないが、
それが世界の投資家をまたショートポジションへ引きずり込むことができるかは、
不明である。

個人的には、再度の下落をかけるには、あからさますぎるように思え、
やはり、7月はリスクテークで続伸する可能性の方が高いようには思っている。

今回の反転には月末という季節要因もあったかもしれないが
買い戻し筋に刺激を与える口実となったのは、EUサミットではあった。

今回のEUサミットのよい仕事をしたのはどうやらイタリア首相のようだ。
かたくなにユーロ安にばかりもちこもうとする(かのような発言を繰り返す)、
ドイツ首相のオバサマに強硬姿勢を貫き、
彼女を一旦は説き伏せたという点では、イタリアもナイスである。
イタリアだけに、伊達男として、うまくかぶいてみせたものだ。

そもそも現在のユーロ安は、
ユーロ危機のおかげであるというだけでなく、その裏返しで
同時に、ドイツにとってのみメリットがある状況ではあり、
それはまた南欧(スペイン、イタリア、ギリシャポルトガルなど)の犠牲のもとである
ということをドイツはいい加減、気づき、
もう少し、謙虚な態度を取るべきであると思う。

ドイツは勤勉かつ優秀であるとは認める。
だから、フェアなルールであっても十分成果を上げられるとは思うが
世界のルールは根本的にフェアではない。

しかも、現在のドイツはただでさえ強いところ
ドイツにとっては僥倖に近いユーロ安という追い風によって
かなり下駄を履いた状態で勝負できている。
強い者が、アンフェアな状況でさらに強い、という状況は
他の者が許さないだろう。

ドイツは歴史的に、いつも、
そうした空気は読めないという鈍感さがあるものだから、
いつも序盤はイケイケとなりながら
クールを気取り正論を吐き続ければいいと勘違いし、最後はやられる。
そんな意固地かつ他者のことを顧みないドライっぷりが
いつも手痛いしっぺ返しとなってきた。

能力だけでなく、全体の流れを読むという敏感さがなければ
どれだけ優秀でも足下を救われるのが世界というものである。

ドイツにはそれがどうも欠けていて、
こうしたツメの甘さが、第一次大戦、第二次大戦とも
敗戦国になるという、不遇さにもつながっているようにも思う。

ドイツは現在、ユーロの最強の勝ち組となっているが
いい加減、そうしたミーイズムに基づくかのような利己主義や
優秀で勤勉でありさえばいいとでも言わんばかりに
まわりの空気を一切読まない、といった融通のきかなさを改めないと
ユーロ存続が決まったとした将来、実はまたも最悪の負け組となってしまった
というような、“歴史は繰り返す”的なことにもなるやもしれない。

日本も鈍くさく、他国のことを到底言える筋合いもないろくでなさではあるから
それほど上から目線では言えないけれども、
個人的にはドイツ贔屓であるがゆえに
ドイツの不器用さには、毎回、いらいらさせられる。