5月のユーロは大儲け

ユーロショートのトレーダーという意味ではない。

今月のユーロ圏、
特にドイツを中心とした輸出産業は大儲けである。

日本で言えば、自動車産業などの輸出産業が
最高収益をたたき出し続ける絶好調状態でありながら、
円安が止まらない、ようなものである。

次第次第に疑念が確信に変わりつつある。

現在のユーロの下落は意図的な相場のような気がしてならない。

真にユーロが崩壊の道をたどる中でのユーロ下落であるなら

当局も指をくわえて見ているわけにはいかない。

しかし、現在、これだけの連続的な下落のなかにあって
当局がユーロの下落について、懸念している素振りはいっさいない。

ユーロが崩壊しないのならば
相場が崩れてユーロが大暴落したとしても
ユーロ圏にとっては、願ったりかなったりである。

米国もドル高など望んではいない。

しかし、ユーロ圏の仕掛けの方がリアリティがあり
QE3を行いがたい米国にとっては
ドル安に誘導する術がいまのところ描けない。

そして犠牲になるのが円である。

円高ユーロ安ドル安。

ユーロの望み、米国の苛立ちを一手に引き受けているのが
現在の円である。

現在の相場は仕組まれていると未だ信じている。

この仕掛けにだまされた振りをしている大口投資家がいる。

ただ、ファンダメンタルズからみて、この強引な相場には無理がある。

ユーロドルが1.1を目指すとか、パリティに行くとか
様々な観測があるが

現在のユーロはどう考えても、安すぎるとしか思えない…。

現在、ドル安にもっていくには株高が近道である。
しかし、株安にもちこんででも、ユーロは己を安くする。

こうして作られたユーロ安相場で、輸出勢が堅調だとしても
時価総額価値の減価は、やがて欧州の企業をむしばんでいく。

現在のユーロ圏の望むような現在の方向は
まさしく近隣国困窮策であり、そのやり方はきわめて危険である。

こうした経済不振を逆手にとっての露骨なまでもの金融状況が
かつての第二次大戦の遠因だったという説もある。

現在の延長線上にあるふたつの極論を上げてみれば、

ユーロ圏が、今後のすさまじいまでのユーロ高に苦しめられるか
第三次世界大戦が勃発するか、である。

前者の場合は自業自得であるが
後者の場合は、我が国をはじめ
巻き込まれる他国としてはたまったものではない。

これまでの地球上での世界的な大戦は
常に欧州の原因によってはじめられてきた。

そんな欧州など、地球上から消滅してもいいと思えるほどだが
彼らが消滅することはない。
そこまで彼らは馬鹿ではない。

そして、ユーロ圏を崩壊させることもきっとしない。

そして、先の極論の二択へ話は戻り
それがループする。

どちらに転んだとしても、
欧州のずるがしこい策は、やがて手痛いしっぺ返しを食らうように思う。

欧州の市民たちも、その犠牲になる。

為政者のずるがしこいやり様に苦しめられるのは
いつも弱い立場のものたちである。

なぜ、人間は常に欲を追い求め
歴史に学ばないのだろう。

ともかく、現在の欧州のやり方は、きわめてアンフェアである。

ともかく、現在のユーロは安すぎるようにしか思えない。
そして、ドルはあまりにも高すぎる。

現在、適正な水準であるように思えるのは

ドル円のみである。