調子に乗って売りまくる

ユーロの売り圧力はいまだ継続している。

猫も杓子もユーロ売り♪
という地合いがまたも発生した。

ユーロのショートポジションは、
現在、史上最高レベルにまで肥大化している。

しかしながら、
私のポジションはいまだユーロドルのロングがメインで、
現在、ポジションライトなホールド状態は相変わらずである。

ただ、
ギリシャ選挙後からの下落に大きく対抗してきたことから
これまでは、相当のアゲインストを食らってきたのもあり、
いまさらショートに乗るタイミングも見いだしにくく
ここのところは相場にかかわらず、新規参加は見送りがちで
ただただ、これまでのポジションホールド状態が続いている。
しかし、このホールドは、もはやどうでもよくなって
切るに切れない状況からの現実逃避の塩漬けとは思ってない。

現在、ユーロドルはロングしていてもスワップが逆ざやになる。
つまり超緩和政策を行っているドルよりユーロの方が短期金利が安い。
こういった状況はこれまであまり体験したことはない。

現在の状況は
じゃぶじゃぶじゃぶと、
世界一緩和をしているように見える米国以上に
欧州がさらにじゃぶじゃぶじゃぶじゃぶの
通貨供給を行ってきた結果であるともいえ、
そのことも短中期的に見ても、ユーロ弱気筋にとっては心強い状況ではある。

ただ、これだけのユーロの緩和状況というのは、
逆説的に当局はユーロの下落は容認しても
崩壊は避けたいという意思とも受け取れる。

現在のユーロの下落は
ギリシャがユーロを離脱するか否か、
というただ一点のみを材料としているように思う。

逆に言えば、この前提が崩れたとき、
ユーロは相当に反騰する可能性を秘めている、ということになる。

年初1.26まで突っ込んだユーロドルの頃
私は短期的にはまだまだ突っ込むと思っていたが
結果的にはそうはならなかった。

現在はどうかといえば、もう一段は突っ込むようにも思うが
以前ほどの底なしのイメージはない。
かつ、突っ込むというのも、さらに下落するなら、という前提であって
さらに下落する、という予断を排除すれば
下落するイメージは、実はわいていない。

ユーロの現在のファッションは、ギリシャ離脱というテーマをもって
ユーロ危機以降最高潮であるとすら思う。
それでありながら、いまだ年初来安値を割り込まない、というところに
ユーロ売り♪とはしゃぐ人々の裏で
それをまったく信じていない勢力もいるように思う。

ユーロ当局も世界の金融界もギリシャのユーロ離脱は望んでいない。
当事者であるギリシャそのものの
一部の左派政党を除けば、
総意としては国民の多くもユーロ離脱を望んでいないように思う。

ただ一部の政党の強硬な態度のみを持って、
マスコミや市場は、ギリシャのユーロ離脱にリアリティを与えようとするが、
ユーロという共同体から一国家が離脱するといういとつの事件が
そうした少数勢力で実現されるとは思えない。

たとえて言うなら、近未来、
日本で某過激な政党がキャスティングボードを握ったとして
米国をはじめ、、
当局、国民の多くが日米安保を継続したいという空気のなかで、
その某政党の行動一つで、日米安保が破棄されるのか
という命題を考えてみるとよい。

私はギリシャがユーロを離脱するのは、
相当に可能性の低い話であると思う。

可能性の低い話を可能性の高い話のように
世間がリアリティを歪めれば歪めるほど、
それが実際に起こりえないという状況となった反動は
すさまじいものになると思う。

かつテクニカル的に見て、
下げ相場というものは、これ以上下がらないという状況からさらに下がる。
つまり、回転の速い縄跳びのように
一度、それが進むと、入るには入れない状況となりやすい。
それがここ二週間の動き。

それに対して今週の動きは
これまでの流れの勢いが弱まってきて
戻り売りを狙いやすいような上下動のある動きとなってきた。

これまでショートを多くきた経験から
入りやすい戻りは、戻りでないことが多い。

相場というものは“縄跳び”が入りやすく見えれば見えるほど
実際は難易度が上がっていく、という
現実とは乖離したあまのじゃくなところがある。

現在は要所要所で戻り売りしたくなるようなチャートフォームが
生じやすい感じとなってきた。

経験から見れば、そろそろ逆襲の頃合いのようにも見える。

2010年6月の反騰は、1.195あたりから1.48あたりまで
結局、3000ポイント近くめくり上げた。
今年1月の反騰は、1.263あたりから、1.348あたりまで
800ポイント近くめくって頭打ちとなった。

この段差で起こるのは小さな三角持ち合いとなるのだが
現在のレートはその持ち合いを下抜けした、とも見て取れるが
反騰の戻し期間が半年もない、という前提から

そこにウェッジや持ち合いを描かず見立てれば
年初来安値が未だ行進していないという意味から、
年初の安値が押しのピークであり
2010年6月の安値からの反騰をエリオット波動の第1波
今年の押しが第2波とも見ることはでき、
そうなると、次に起こるのは第3波であった、
そうなれば、そのもどりは少なくとも1.263から3000ポイント以上上
1.56以上まで到達する、という可能性もあり得る。

そんな戻りが一本調子で生じることはないとしても、
私は今後のユーロドルが、パリティに接近するというよりも
そちらの反騰するという可能性の方が高いように思っている。

その大きな鍵は、年初来安値を割るか否かという部分とはなるのだが、

素直にファンメンタルズを考えても
現在のユーロの独歩安は、しっくりこない。

アメリカの赤字垂れ流し、住宅指標の停滞、雇用の停滞
といった諸条件に対して
ユーロに逆風にさらしているのは、ギリシャソブリン問題、という
金融状況の一点のみフォーカスが当たっている。

金融相場というバブルは、必ずしも上ばかりというものでもない。
現在の下落も、金融相場から生じている逆バブルであるように思う。

バブルはいつか弾ける。

現在のユーロショート!という下落っぷりは
金融相場の逆バブルであり、それが弾けるのは時間の問題であると思っている。

あらゆるドルストレート通貨も、金融逆バブルにさらされてしまっているが、
ユーロ、ギリシャのただ一点のみの道連れとされているだけにしか見えず、
この逆バブルが弾けたとき、それらも一斉に上昇を再開すると見る。

世界をプレーンにならしたときに
最も弱気にならざるをえない通貨はドルであり
ドル安相場はやがて再開する、と考える。

よって、いまだドル売りという布陣は捨てていない。