やはり円は円…

2月以降の円売りフェスティバルに引きずられ
円がらみの取引をつきあってはいたが

所詮、円は円。

やはりドル円も引きずり落とされてきた…。
以前にとっくに逃げてはいるので気にはしていなかったが、
やはり…という感じである。

現在、もとの相場付きに完全に戻ってしまった感がある。

加熱した円売りの相場にあっても信じた円ロングが
さんざん投げさせられてきて、ついには折れてしまったが、
切り替える必要は、やはり、まったくもって不要だった。

もはや、対円のショートポジションはすべて投げてしまっているが、

またどこかで反転の機会をうかがうのかもしれないとしても
もはや円相場にはあまり興味はない。

相場はいろいろな状況が混在しながらも、
つまりはリスク回避の様相を呈しているが

最後は原点に回帰するのだろう。またも…。

原点、というのは、つまりはドル安である。

株は延々と下げているようだが、これは当たり前の動きに思う。

ダウのバブルはやがて終わるとずっと主張し来た。
それがいま徐々に示現しているように思う。

ただ、これも以前に述べたがこれまでの金融相場まるだしの
バブル完全崩壊への
サポートはまだまだ下に位置している。
つまりは、もう一段グリーディンによって上に走る可能性はまだある。

ともかく、これまではあらゆる悪材料を無視してもダウは上がってきた。
それが、いまは逆、それだけの話である

今後もダウは下がっていくように思うが、
今後、反騰しようが続落しようが、
長期的な趨勢ではドル買いが永続するとは思わない。

株はQE3でもないと、上がらないのかもしれないが
ドルはQE3がなくとも、株価が下落しようとも
結局、下がる宿命にある。

株価が下がる限り、とりあえずドル買いでつきあわされようが
今後は株価の下落でのドル買い幅よりも
株価の上昇におけるドル売りの幅の振幅の方が大きくなっていくように思う。

ユーロはギリシャがろくでもない、というところではあるが、
実は彼らは小国ながらドル安ユーロ高を食い止める貢献をしているともいえる。

なんの手立てを持ちようもない、円は
ドル安の方向性に抗えず、素直に円高に持ち込まれる。

そして、ユーロのユーロ安の方向にも抗えず
こちらもまた円高

その他通貨も含め、最も主体性のない通貨につき
ドル安、その他通貨安のすべての要望を一手に引き受けている。
なんとも、けなげで、あわれな通貨である。

こんなことはなんども言いたくはないが
円安、円高、どちらが日本の国益にかなっているかはともかく、

大きなフレームにおいて、日本の国益を毀損し続け
私たち日本人の足を引っ張ってきたのは、
官僚、政治家、日銀をはじめとして当局のどんくさい動きに他ならない。

政治はもちろん、金融政策もだめだめ。

政治家が愚かだとけなされることはいまにはじまったことではないが
官僚も愚かであり、日銀もまた愚かである。

それぞれが愚かであるという意味はもちろん違う。

頭がよくても頭を使わないがゆえの愚かさ。
頭がよくてもその頭を我欲に用いる狡猾な愚かさ。
頭がよくてもそれを自己の保身に走る愚鈍な愚かさ。

そんな感じで各人が各人の愚かさを発揮している。

それはまるで、崩壊末期の清王朝のごときである。

頭脳の処理能力はいずれも高いと思うが、
優秀であってもその頭を結果的に国益に発揮できておらず
またそれに気づいていない愚かさ
という点だけは共通している。

能動的、受動的にかぎらず、結果として、
彼らは戦後一貫して日本人の足を引っ張り続けてきた。
まだそれをやめないのか、と本当に思う。

戦後の高度成長期、日本は発展したではないか、という意見もあろうが
こうした当局の邪魔がなければもっと発展したと思う。

あらゆる規制でがんじがらめにし、
狡猾な官僚どもが省益のみを追いかけ、日本の国益を二の次にしてでも
われわれ日本人は発展する力があった、というだけである。

他ならぬ当局にあらゆる邪魔をされても成長してきた日本国は
邪魔をされなければ、もっと発展していたと、心から思う。

政府や行政機構も真に国益に見合うことを目指し
自国の防衛も含め、すべてを自身の力でがんばることを求めていれば、

アメリカはじめ他国に富を献上しながら発展するという
かなりゆがんだ売国的発展モデルなど用いなくとも、
日本は大いに発展できたと思う。

そうであれば、日本の発展はアメリカに匹敵する力すらもあり得ただろう。

しかし、味方に邪魔をされるような妨害に妨害を重ねながらも
自身の力のみでがんばる日本の力も
バブルの崩壊とともに徐々に弱まってきた。
邪魔ばかりされ続け、そのなかでも成長をつづけた日本は
ついにはその妨害に耐えきれなくなり、折れた。
それが1990年初頭の話であり、
それは20年以上経った現在も続いている。

邪魔をされても邪魔をされてもお金を稼ぎ、
国家を潤してきたことに気をよくし
今後もまだまだ搾取し、海外に貢いで海外にいい顔できる、と
官僚はじめ当局は思っているかもしれないが
これまでだってこれからも、そうした日本がいい顔できていたかといえば
全く真逆であると思う。

自国の国益も考えず、国外に金をばらまくだけでドヤ顔している日本政府を
欧米はじめとした海外勢は、敬意を払うどころか
愚か者としか見ていないだろう。

日本人ひとりひとりは、
ひたむきに生きまじめで優秀な人たちが多いと思うが、
統治者たちはなぜに、かくも愚かで自身の利益しか考えないのかと思う。

私が若い頃からからの話である。
その頃は、まだバブルの夜明け前で
日本は発展のさなかにあったが、
その後、Japan as No.1などとはやされてはいたが、
ずっと、かすかな不安は消えなかった。
だからといって、こういう思いはそのときにすらあった。
日本は統治者があらゆる意味で国民の邪魔をしているように思え
いずれ日本は海外ではなく、そうした彼らにつぶされていく、
という気がしてならなかった。

それが徐々に具現化しているような時代が今である

話がずいぶん脱線してしまった…。

ともかく、今月のユーロ高を食い止める(?)かのような、
ユーロ当局のギリシャろくでなし(まあ本当にろくでなしだが…)、
といった、あおりのオペレーションは、とりあえず奏功している。

ユーロ当局が表向き、不安がるそぶりをみせてはいても、

結局、ドル安の巨大パワーに対する時間稼ぎにはなっている。

しかし、やはり結局はドル安に相場は進んでいくように思う。

ドル安 vs それを食い止めたい各国

の争いはまだまだ続く。

傍観者に等しい円は、
その争いのひずみをまだまだ引き受けさせられるだろう。

つまりは、円全面高である。

それにより損なわれてきた日本の活力は
貿易収支やその他指標などで徐々に徐々に具現化しているが、

どうしようもなく、日本が弱くなり
そうしたひずみを一手に引き受けることもできなくなれば
ついには円安となるように思う。

そうなれば、その円安はもはや止まることはない。

最悪の円安、日本のさらなる凋落が決定的になる瞬間である。

そうなれば、もう日本がいくら円高を望もうが、
そうした日はもう二度と訪れることはない。

そのとき、私はもう日本には住んでいることはないだろう。

というかすでに、
日本には1年の半分近く滞在はしていないのだけれど…。