乱高下を繰り返し、下値を切り下げる…それでもユーロドル高を思う。ユーロ高ではない。ドル安である。

ダウが落ち着きのない乱高下をしていることから、
為替も一定の方向が出ない状況になっている。

つまりは、レンジ相場がずっと続いている。

ユーロドルなど、徐々に下値を切り下げているようで
1.29の値幅のなかですでに3日近くもとどまっている。

上下変動の激しいポンドドルは、
一端、押しで切られ、再度の上昇でロングを取り直し、
一部反騰で利食いし、一部をホールドすると
また下落で一部切られる、という一進一退。

こちらは基本、トレンドを追うことをスタイルとしているので、
レンジ相場時はトレンド前提でのポジションは、
つねに切られてしまうのが常である。

相場はやはりsell the mayのアノマリーに引きずられているのか
上昇トレンドを描くという自身のイメージが
何度も何度も叩かれているような感じである。

さらにはド下手東京勢は
昨日は戻りを試みて、下落で刈られる。
その後アメリカで上昇も、終盤の下げからの引けで
はしゃいで欧米気取りで順張りでついていくも
今度は押し上げを食らって刈られる、
というカモ丸出しの動きを相変わらず繰り返している。

こちとしては、
昨日の東京の上昇時には、それを思いフェイバーとなりながらも
はらはらさせられ、やはり下落
そして本日は、東京でNY時間の流れを引き継ぎ順張りをかましたことで
こんどはアゲインストに押されながらも、
今度は安心感がややある、
というアンビバレンツな感覚でストレスを覚える日々となった。

東京を刈るがための欧州と思ってか
あらかた刈られた後には今度は、
いい戻りと言わんばかりに再度の売りをかけている。

東京を刈った人間がそこに混じっているとするなら
買いも売りもで取らんとする欲である。

ただ、レンジ相場の時はそういうレンジラリーが奏功するところもあるが
下を追うときは、徹底的にはとりあえず追おうとするところである。

ただ今夜は東京を高値で刈って、再度の売りで
そこでさらに新安値を追おうとしたところ、
それが果たせず、今度は反騰、である。

この流れに比較的大きい値幅に降られながらも、
ドル買いを密かに続けたい相場参加者もいると思うが、
ユーロドルは1.29ドルはいまだ割れない。

ただ、ダウの下落変動よりも、ドル買いの下落変動の方が大きく
ダウが下値を目指すよりも大きな下落をドル買いで起こるので、
やはりドル買いのリスク回避トレンドは、
皆が信じてやまない、ギリシャ問題、ユーロ危機
というユーロ売り、の大きなファンタジーがいまだ続いているがゆえんだろう。

ただし、何度も言うが、いまのユーロの下値追いは
結局、何度も何度も覆されている。

値幅がありながらもあまりにも膠着相場で、どうにもやりようがないので、
ここで、
2010年あたりから、現在までの長期的な流れをあらためて振り返ってみる。
以後、少し長くなるかもしれないが、おつきあいいただければ幸いである。

個人的には
ユーロ危機、ユーロドルの崩壊が真実味を帯びていたのは
さかのぼること、2010年の6月あたりまでだったように思っている。

当時、ユーロドルが1.000、つまりはパリティにまで届くと
多くの連中がはやし立てていた。
しかし、相場は、結局、1.19あたりで底打ちした。

その後もユーロ危機ユーロ危機♪
などと皆がはやし立て続けることから
ユーロの問題が起こるたびに、皆が売りに走る。
ただし、そんな下には再び落ちることなく
反騰からの下落は、1.287あたりで下げ止まり、再び上昇。
その上昇の結果として、ユーロ問題勃発などと騒いでいるうちに
史上最高値からの下落ではじまったリスク回避劇場は
リーマンショックギリシャショックなどを経て
大きな変動の結果として作られていた大きな長期下げトレンドをついには粉砕、
結果、1.495あたりまで到達する。

そこで、直近高値、1.54あたりに届く前に再度の下落
今度こそ、ユーロ大暴落♪とショート勢がわき出ることとなり、
直近の押し、1.2875あたりを破り、相場は俄然勢いづく。

その頃に年が明けることろ重なり、
2012年の最高値は2012年の初値♪などという弱気アナライズを行う者すら現れる
しかしながら、その下の安値1.255あたりに届きさえすることなく再度の上昇。
とりあえずは、1.34あたりで頭打ちとなり、再び下落、
そして現在に至る、という感じである。

この流れのなかで、現在の私が重要視していることは、
史上最高値1.6アッパーをつけ、
2008年7月あたりにピークをつけたユーロドルは
1.19あたりまでの下落した地点を最安値と置いたダウントレンドラインを
2011年春あたりに突破した後、
未だ1.19に届いていない、というところである。

その意味では、長期的にはユーロドルのダウントレンドは終了を示しており
中期的に下落が発生しても、
1.19を割れるまでは、それを否定できない、ということである。

無論、下げが終わったとしても、ハイレバレッジであるかぎり
ロングを持ちっぱなしにすることは、
強制ロスカットをされるのこともあり、到底できない。

ただし、長期的にユーロドルのダウントレンドが否定されている限り
私はテクニカル的に見て、
ユーロ暴落、などということは想定することはできない。

ファンダメンタルズから見れば、
これはもう当たり前に近いくらいで思えるのが
アメリカの凋落、ドル安相場しか考えられず、
無論、ユーロドルの下落、という見立ては立てようがない。

それであるなら、長期的にユーロドルが今後目指す先は
ユーロドルの史上最安値の更新などではなく
史上最高値の更新、である。

私にとっては、ユーロドルが1.000に向かうという見立てより
ユーロドルが2.000を超えるという見立ての方が現実感がある。

今日は、ユーロドルのロングの保持からの変化が全然起こらないので
とりとめもなく、やや長期的な話となってしまった。