ひと段落…で、ユーロ危機をまだ煽りますか…

円高、ドル高の地合いはとりあえず反転を見せ、
ドル売り、円売りのオペレーションはとりあえず奏功した。

ひさしぶりにバジェットが稼げている感じである。

まだ戻り試しで逆張りの感はあるが
短期的にはアップトレンドを示しているため
押しで買って、高値で利食いというラリーを何度も行えている。

円もドルもショートでポジショニングしているので
そのどちらでも、このオペレーションである。

とはいえ、今回述べたいのは、円ではなく、ユーロ(とドル)の話。

ドルストレートの大ボス、ユーロドルについて、
いまちょっとした戻りを試しながらも、
いまだにユーロの下落予測がくすぶり続けている。

今回のスペイン、ちょっと前のイタリア。

スペインは懸念されていた入札が無事通過したようで、
いったんは不安が遠のいた、そうである。

というか、当り前であろう。
債務懸念でなく財政懸念の問題に過ぎないスペインがそっぽを向かれるなら
アメリカも日本もそっぽを向かれるし、
その他、国々もほとんどが相手にされることはない。

そもそも、この問題は現在のユーロ危機とは違った問題で
それをあたかもユーロ危機の一環、かのように
アナリストや欧州マスコミがあおりまくっただけである。

ただ、こういうのであらためて理解されるのは、
やはり欧州は、当局、マスコミ他あらゆる勢力が結集し、
もはやギリシャ問題と論点がずれていようが
次々に材料を囃し立て、
ユーロやばいですよ、というムードをキープしたくてしたくてたまらない、
という、まやかし(?)の構図である。

そしてその欺瞞に騙される人たち、騙されたふりをする人たちにより
ユーロ安というポジショニングが一大勢力となって、
もはや世間では、ユーロ安というのは、定番、鉄板メニューで
猫も杓子もユーロショートがイケているというムードが強固に形成されている。

今年から新しく相場に参入する初心者も
そのムードに覆い尽くされることで、
まずはユーロを売りますか、という物色感が満載となり、
そして、また今日もユーロ売りのポジションが積みあがっていく。

おかげで、ユーロショートのポジションはつねにぱんぱんである。

私も去年の途中まではそのような相場観を持っていたが
年後半からその相場観に迷いが生じはじめ
いまや完全にユーロショートを信じてはいない。

ただ、ユーロロングというわけでもない。
結局はドル安なのだ。

ユーロはドルに対抗できる現在、最有力の巨大通貨。
欧州が米国にいま宣戦布告しているようなイメージが
私のいまの大枠でのイメージである。

宣戦布告というのは、つまりはむざむざアメリカの思惑通りに
ドル安にもっていかせない、という意味で、

そのために、
ユーロ崩壊の危機という自虐トレンドを自らで醸造すること
ユーロのネガティブイメージを世界に発信することで
ドル安を回避させようとしているように見える。

まさに、肉を切らせて骨を断つ戦略。

ユーロを守る、といいいながら、
常に完全な解決をさせず、積み残しを作りながら
ユーロ不安をユーロ自身が意図的にあおっているように思っている。

それはあたかも、円高許すまじ!といいながら
根本的な円安対策は絶対に行わず、
アメリカの都合通りにドル安におつきあいする日本のやり方と
ちょっと似ている。

ただ、ユーロの建前はユーロ崩壊をあおりながら
実はそれによりユーロを必死に防衛しているという意味で
国益に叶った動きであるという意味で、
日本没落を死守!と勇ましいふりをしながらも
結局、日本の富を欧米勢に献上するという
国賊行為の日本とはまったく真逆である。

アメリカ、ユーロ、日本、の順にインチキを繰り返しているが、

前者二者が自身を守るためであるのに対して
最後の一国のみ、自国を一切守らない。

おのおののやっている行為はともかく、
唯一売国的な行為を行っているのは、
まぎれもなく日本であり、それがとても残念である。

いずれにしても、
巨大帝国アメリカが責めたてる強硬なドル安路線に対抗する
ユーロ崩壊路線のインチキユーロであるが、
やはりインチキであるがゆえに、そろそろ限界が訪れつつある。

どれだけユーロが崩壊というフィクションをあおろうとも
ギリシャショックの一撃はもちろん効果はあったが、
その後は、高値を追うことはないとしても
年々、大きな安値を切り上げ続けている。

そして長期的なアップトレンドラインにおいては
ギリシャショックのときでさえ破ることはできず
いまもそのラインはキープしている。

いまユーロ安を信じ、
ユーロショートをぱんぱんに積み続けている多くの人々。
特に個人投資家については、大幅な反転が起こったとき
大きな損失を被ることになるだろう。

もちろん、今後もまだまだ中期的にはユーロが押すこともあろうし
そのたびに、自身も短期的にショートを張ることもあるかもしれないが、
もはや個人的には長期的にはユーロショートの相場観は皆無である。

その相場観に転換を迫られるとすれば
いまの時間軸からすると1.25割れあたりから、となろうが、
個人的には、もう1.25割れというレートを見ることはないように思う。

投機筋は逃げ足が速いゆえ、そうした
ユーロ安フィクションがチェックメイトとなった途端
脱兎のごとくポジションを閉じるであろうが、
個人勢はそこまで素早い切り返しで損切りしたり逃げたりは苦手である。

その先に見える構図は、グリードどもの殲滅ではなくて
素人たちの阿鼻叫喚の図である。

それが悔しい。